移動平均線の種類っていくつあるのかな?
移動平均線は思っている以上に沢山の種類があるんじゃよ。
こんなにある!移動平均線の種類
最もベーシックで外せないテクニカルといえば移動平均線(MovingAverage)ですよね。このブログでも何度も取り上げてきました。
「移動平均線」と一口に言っても、その種類は実に様々です。ざっくりと挙げれば以下の通り
移動平均線の種類
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
- 線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted Moving Average)
- 加重移動平均線(WMA=Weighted Moving Average)
- 三角移動平均線(TMA=Triangular Moving Average)
- 正弦加重移動平均線(SWMA=Sine Weighted Moving Average)
- 修正移動平均線(MMA=Modified Moving Average)
- 累積移動平均線(CMA=Cumulative moving Average)
実に多いですね!ざっと見て知っているのは下の3つくらいではないでしょうか?
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
テクニカル指標に詳しいトレーダーならば4番(LWMA)や5番(WMA)も知っているかも…
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9種類の移動平均線を解説するよ
各移動平均線をざっくりと解説します。
1.単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
SMAは最も単純な移動平均なので馴染みがありますよね。
直近n期間の価格(高値or安値or始値or終値)を合計し、その合計を期間nで割ってグラフ化したものが単純移動平均線です。10日前の終値も1日前の終値も、全く同じ比重で扱って(対等に扱って)平均値を出します。
一定期間の過去の価格データに基づいているため、遅行指標となります。
2.指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
EMAも比較的よく見かける移動平均線です。
直近の価格をより重視するために、新しい日付の終値ほど比重を高めて平均値を出します。
SMAに比べて直近の値動きの影響を受けやすい移動平均線と言えます。SMAとEMAを比べるとその差は一目瞭然。
21EMA(指数平滑移動平均)の方が21SMA(単純移動平均線)に比べて早く反応していることがわかります。
3.平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
あまり聞き慣れない平滑移動平均線(SMMA)ですが、『平均足スムーズド』の計算に使用されます。
平滑移動平均線(SMMA)は、EMA同様、直近の値に比重を置いて算出します。詳しい計算式はこちら。
シンプルに捉えるならば、単純移動平均(SMA)と指数平滑移動平均(EMA)のハイブリッドと考えましょう。ノイズを減らすことで価格変動の影響を排除し、トレンドをわかりやすく表示してくれます。
4.線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted Moving Average)
線形加重移動平均線(LWMA)も聞き慣れないと思いますが、SMMA同様に『平均足スムーズド』の計算に使用されます。
つまり、第1段階では期間6で平滑移動平均線(SMMA=Smoothed MA)化し、第2段階では期間2で線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted MA)化しているわけですね。
線形加重(=Liner Weighted)とは、重み・比重(n=Weight)を徐々に線形(=Liner)に減らしていくという意味です。直近の価格(終値)に大きな比重をかけ、過去にいくにつれ徐々に比重を軽くしていっているということ。つまり直近価格(終値)を重要視した移動平均線なのですね。
線形加重移動平均線(LWMA)の詳しい解説はこちらです。
5.加重移動平均線(WMA=Weighted Moving Average)
加重移動平均線(WMA)も直近のデータに比重を置き、遠い過去のデータの比重を小さくする移動平均線です。その結果、SMAに比べ、レートの動きにより忠実に追随する性質を持ちます。
6.三角移動平均線(TMA=Triangular Moving Average)
三角移動平均線(TMA)は、単純移動平均線をもう一度移動平均化したものです。つまりSMA(単純移動平均線)のn期間移動平均線が、TMAです。
なぜ三角と呼ぶのか?の理由は以下の通り。
TMAは、集計するレートの中央値(たとえば5日分であれば3日目)に最も比重をかけて算出します。その中央値から離れるほど比重を軽くするため、比重のバランスが二等辺三角形のような形になります。
これがTMA(三角移動平均線)の概念でしたね。
なぜ2回SMA化すると中央値の比重が高まるのか?についてはこちらをお読みください。
7.正弦加重移動平均線(SWMA=Sine Weighted Moving Average)
ますます難解な移動平均線が登場してきます。
正弦加重移動平均線(SWMA)は、1999年にPatrick Laffertyによって考案された特殊な移動平均線です。
正弦波(=Sine Wave)サイクルの前半から重み付けを行い、それに従って、データセット(データの集合)の真ん中のデータに最も多くの比重を与えて計算します。
中央値に最も比重が加わることから、三角移動平均線(TMA=Triangular Moving Average)に非常に似た動きをします。
8.修正移動平均線(MMA=Modified Moving Average)
修正移動平均線(MMA)は、指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)のアレンジ版です。
平滑化定数を平滑化区間の逆数に等しくなるよう計算しています。この計算によってレートへの追随性を高めています。
9.累積移動平均線(CMA=Cumulative moving Average)
累積移動平均線(CMA)は、その名の通り現在までの一連の累積平均(平均価格)を算出してグラフ化した移動平均線です。時系列を平滑化してノイズを除去します。新しいレートが確定したらその都度、全レートの平均を(現在の時間までさかのぼって)計算します。
非常に特殊な移動平均線であり、取引に使われることはまれです。
押さえておくべき移動平均線は、この3種類だけ!
1番〜9番まで移動平均線の種類を解説しました。
移動平均線の種類
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
- 線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted Moving Average)
- 加重移動平均線(WMA=Weighted Moving Average)
- 三角移動平均線(TMA=Triangular Moving Average)
- 正弦加重移動平均線(SWMA=Sine Weighted Moving Average)
- 修正移動平均線(MMA=Modified Moving Average)
- 累積移動平均線(CMA=Cumulative moving Average)
7番〜9番は説明がちんぷんかんぷんだったと思います。
ただ、FX取引において押さえておくべき移動平均線は3つしかありません。
知らないとマズい移動平均線3つ
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
この3つです。欲張るならば、4番目の線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted Moving Average)も知っておいて損はありません。
単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)は馴染みがありますよね。n期間の終値の平均を算出しただけの極めてシンプルなテクニカルです。
そして指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)は、直近の値に比重をかけて算出した移動平均線です。
直近のレートに比重を置いて算出する”EMA”
そして今回の主役、EMA(指数平滑移動平均線)です。
難しい言い回しをすれば「データの比重を指数関数的に減少させて算出」した移動平均線ということ。
つまり、新しい日付の終値ほど比重を高めて平均値を出します。10EMAならば(日足の場合)、10日前の終値よりも1日前の終値の比重を大きくして計算するわけですね。古い終値よりも直近の終値を重視した移動平均線ということになります。
3番目の平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)は、平均足スムーズドの計算式に使われたりするMAです。概念としてはEMAと同様に、直近の値により大きく比重をかけて算出したMAです。
SMMAの計算式を詳しく知りたい方は、平滑移動平均線SMMAの計算式をわかりやすく解説するよ!をお読みください。
おまけの線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted Moving Average)ですが、やや複雑なので詳細を知りたい方は以下の記事をどうぞ。
とりあえず、以下の3つは最低限押さえておけば、トレードで困ることはありません。
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
MT4で表示可能な移動平均線の種類
MetaTrader4(メタトレーダー4)を使って移動平均線を表示させたい…というニーズも少なくないでしょう。
MT4で(デフォルトで)表示させることのできる移動平均線の種類は限られています。
インジケーター(インディケータ)の中の「トレンド」フォルダの中に、MovingAverage(移動平均線)が装備されていますね。
ただし、MT4で設定可能な移動平均線の種類は以下の4つだけです。
MT4で設定できる移動平均線の種類
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
- 線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted Moving Average)
移動平均線のパラメーターを開くと、「移動平均の種別」というプルダウン(項目選択)があります。ここには4種類の移動平均線しか選択できないようになっています。
とはいえ、重要な4つが選択できるので十分といえば十分です。それ以外の移動平均線を使用したい場合は、ネットで拾ってくるしかありません。
MT4で設定できない移動平均線(ネットで探す必要がある…)
- 加重移動平均線(WMA=Weighted Moving Average)
- 三角移動平均線(TMA=Triangular Moving Average)
- 正弦加重移動平均線(SWMA=Sine Weighted Moving Average)
- 修正移動平均線(MMA=Modified Moving Average)
- 累積移動平均線(CMA=Cumulative moving Average)
FX会社のチャートツールによっては、一部のMAがデフォルトで表示できるようになっているものもありますが、そもそも意味もわからずテクニカルを取り入れて使うのはバカバカしいので、不要ですよね。
まとめ|FXに必要な移動平均線の種類
まとめると…私たちFXトレーダーが知っておくと良い移動平均線は以下の4つです。
最低限知っておくと良い移動平均線は4つ
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
- 線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted Moving Average)
4番目のLWMAは、単独で使うことはほぼないので、割愛してもよいくらいです。つまり…
絶対にハズせない移動平均線は3つ!
- 単純移動平均線(SMA=Simple Moving Average)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential Moving Average)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed Moving Average)
この3つだけ。
SMA、EMA、SMMA、この3つだけ知っておけば移動平均線はマスターしたと同じじゃよ。
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