SMMA(平滑移動平均線)について語ろうか
平均足スムーズドの計算式をどこよりも詳しく解説するよ!の記事内で、移動平均線の一種であるSMMAとLWMAにつて触れました。
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed MA)
- 線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted MA)
平均足スムーズドの計算方法(デフォルト設定)では、上の2つの移動平均線(SMMAとLWMA)を使って描画するのでしたね。
つまり、第1段階では期間6で平滑移動平均線(SMMA=Smoothed MA)化し、第2段階では期間2で線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted MA)化しているわけですね。
移動平均線の一種であるSMMAとLWMA。
FXを始めたばかりの初心者ならば、まず聞いたことのない移動平均線でしょう。中級者以上のトレーダーでも知っている人は多くないはず。
先に結論を述べれば、知らなくても全然問題ありません。
なぜならテクニカル指標としてSMMAやLWMAを使用している人はほとんど存在しないからです。まれにEA(自動売買システム)に組み込まれていることがありますが、一般的にはほとんど使用されることはありません。
今回、SMMA=Smoothed MA(平滑移動平均線)を取り上げますが、あくまでも知識として知っておくレベルで十分だと考えています。
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移動平均線の種類をおさらいしておこう
移動平均線の種類は大きく分けて4つあります(※ここに挙げたもの以外にも存在します)。
- 単純移動平均線(SMA=Simple MA)
- 指数平滑移動平均(EMA=Exponential MA)
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed MA)
- 線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted MA)
この中で、上の2つ(SMAとEMA)はおなじみだと思います。FXの書籍やWEBでよく見かけますよね。当サイトでも多くの記事で取り上げています。
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特にEMA(指数平滑移動平均)の有用性の高さについては、幾度となく論じてきました。
一方で、SMA(単純移動平均線)やEMA(指数平滑移動平均)に比べて影が薄いのが以下の2つの移動平均線です。
- 平滑移動平均線(SMMA=Smoothed MA)
- 線形加重移動平均線(LWMA=Liner Weighted MA)
影が薄いのは当たり前で、使っている人がほとんど存在しないので話題にならないのですね。
移動平均線「SMMA=Smoothed MA」の計算式を解説するよ
本日は平滑移動平均線(SMMA=Smoothed MA)について解説します。
計算式は以下の通り。まず最初の値を以下の計算式で算出します。
SMMA1 = SUM(終値、期間n)/ n
まずは期間n(たとえば5日間)の終値を合計(=SUM)します。それを期間n(5日)で割ります。ここまではSMA(単純移動平均線)の計算式と同じですね。
2番目以降の値を以下の計算式で求めます。
SMMA2 =(SMMA1 ✕(nー1) + 終値) / n
SMMA3 =(SMMA2 ✕(nー1) + 終値) / n
SMMA4 =(SMMA3 ✕(nー1) + 終値) / n
…
前日のSMMA値を4倍(=5−1)して当日の終値を合算し、それを期間5で割ります。4倍する理由は「期間5」のうち、直近SMMA値の比重を大きくする(n-1、つまり…5−1=4倍)ためです。
具体的な値を使って計算してみます。例えば10日分の終値が次の通りとします。
- 1日目…100円
- 2日目…101円
- 3日目…103円
- 4日目…102円
- 5日目…104円
- 6日目…103円
- 7日目…102円
- 8日目…100円
- 9日目…99円
- 10日目…98円
SMMAの期間を「5」とした場合、計算ができるのは5日目以降ですね。
- 5日目のSMMA=(100+101+103+102+104)÷5=102円
- 6日目のSMMA=(102✕(5−1)+103)÷5=102.2円
- 7日目のSMMA=(102.2✕(5−1)+102)÷5=102.16円
- 8日目のSMMA=(102.16✕(5−1)+100)÷5=101.728円
- 9日目のSMMA=(101.728✕(5−1)+99)÷5=101.182円
- 10日目のSMMA=(101.182✕(5−1)+98)÷5=100.54円
5日目のSMMAは、単純移動平均線(=SMA)と同じ計算式で求めます。6日目からは、前日の(直近の)SMMAに比重を置き、当日終値を加算して平均値を算出します。
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SMMAの本質とは…
皆がよく知っている単純移動平均線=SMA(例えば期間5)は5日前と1日前の終値を同等に見なしますよね。一方で平滑移動平均線=SMMAは、直近の値に比重を置いていることが計算式から読み取れます。
直近に比重を置くという意味ではEMA(Exponential MA)=指数平滑移動平均と同じ考え方です。ちなみに、EMAは当時の値(最新の値)に比重を大きくかけます(=2倍にする)。
SMAのように過去の値と直近の値を同等に扱わない(=直近の値に比重をかける)ので、過去値の影響を最小限にする効果があります。結果的にノイズを低減させるわけですね。
なおかつ、EMAほど直近に比重を置きすぎることがないので、より滑らかな曲線を描きます。
上のチャート図は、同じ期間(期間=10)でSMA、EMA、SMMAを重ねてチャートにプロットしています。
SMAやEMAに比べて、SMMAは非常に滑らかな動きをしていますね。ノイズを排除しつつトレンドを押さえていることがわかります。