海外における移動平均線の期間は10・20・50・100・200が一般的
前回の記事『移動平均線の期間、いったいどれが正解なの?教えて!』において、海外(英語圏)で一般的な「期間」が以下の通りとお伝えしました。
- 10
- 20(21)
- 50
- 100
- 200(250)
さて、日本国内ではどうでしょうか?
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日本国内での移動平均線の期間を調べてみると…
外為オンライン『初心者でもわかる実践チャート術』
まずはテクニカル指標の解説がよくまとまっている外為オンラインの『初心者でもわかる実践チャート術』をチェック。
解説者のシニアアナリスト佐藤正和氏は、次のように語ります。
私は、中長期のトレンドを見る際、200日移動平均線をたいへん重要視しています。
それは、休日を除いた為替市場の年間営業日が約200日程度だということとも関係しています。
そのせいもあり、世界中の投資家が200日移動平均線に注目する傾向が強いのも、200日移動平均線がトレンドの把握やその変化を察知するのに非常に便利で”当たりやすい”指標である理由といえるでしょう。(中略)
個人的には、短期売買では5日移動平均線に注目して、為替レートが5日移動平均線を抜けたら買い、割れたら売りという単純な手法が通用しやすいと思っています。
トレンド把握には世界中の投資家が注目する「200日移動平均線」を重要視し、短期売買では「5日移動平均線」に注目するとのこと。
やはり、セオリーどおりですね。
また、ほかの期間については…
日足チャートの場合、5日や20日という期間設定がポピュラーですが、これも1週間の営業日が5日間、1ヵ月の営業日がおよそ20日間であることに由来しているといえるでしょう。
古今東西の投資家の中にも、7、14、42といった7の倍数が相場の転換点をとらえやすい期間設定である、と説いたJ・ウェルズ・ワイルダー。自然の摂理に適合した日柄として9、17、26の三つの数字を重んじた一目均衡表。黄金比の考え方のもとになったフィボナッチ数列の登場する5、8、13、21、34といった数字から相場の上げ下げを分析したエリオット波動など、さまざまな著名投資家がさまざまな「数字」に着目しています。
うーん、いろいろな期間が出てきて混乱しますね。
- 7-14-42(J・ウェルズ・ワイルダー提唱)
- 9-17-26(一目均衡表より)
- 5-8-13-21-34(エリオット波動より)
ただこれらの期間で移動平均線を使う方は、かなりレアではないでしょうか。
マネックス証券「はじめてのテクニカル分析」
さて、次はマネックス証券の「はじめてのテクニカル分析」からピックアップです。
基本的な移動平均線の日数
- 日足:5日、25日、75日、100日、200日
- 週足:9週、13週、26週、52週
- 月足:6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、60ヶ月
ここでも「5日移動平均線」が登場しました。
期間「5」というのは、海外(英語圏)ではほとんど見かけません。日本独自の「期間」と言えそうです。
ザイFX『テクニカル分析入門』
日本最大のFXポータルサイト「ザイFX」をチェックしてみます。キング・オブ・テクニカル指標。相場の動きをなめらかにする移動平均線とは?からです。
移動平均線をメジャーな存在に押し上げたグランビルの法則には、200日移動平均線が用いられています。また、株式を対象にした日足の分析では、短期線に25日、中期線に75日、長期線に200日を使うのが一般的だと言われています。あるいは、短期線に5日、中期線に25日を使用するやり方もあると聞きます。しかし、明確な答えや決まりはありません。
長期のトレンド把握にはやはり200日移動平均線であると。
そして株式トレードで使われるという前提ですが、25日、75日、200日が一般的であるとの解説です。さらに短期で5日移動平均線が再び登場。
日本人は5日移動平均線が好きみたいですね
有名トレーダーはどうしているか?
メジャーな国内サイトでは、一般的なことしか語ってくれません。そこで、国内の有名トレーダーが何日の移動平均線を活用しているか調べてみましょう。
億トレーダーAki氏は「25日移動平均線」のみ…
まずは、億トレーダーの「Aki氏」。
移動平均線の使い手として有名ですよね。
25日移動平均線からの「乖離幅」で仕掛けのタイミングを取る
IMMポジションの偏りによって、トレンド転換を予測したAki。実際の仕掛けは、移動平均線を活用します。
Akiの手法では、テクニカルは「移動平均線」しか使いません。これは驚きですよね。非常にシンプルですが、移動平均線こそが世界中のトレーダーから最もよく見られているテクニカルであることを考えれば、納得がいきます。
投機筋が先物ポジションを手仕舞い(決済)するタイミングをいかにして推測するのか?それは、25日移動平均線からの乖離幅です。
Akiが使うの移動平均線乖離率(期間25日)
25日移動平均線からの乖離が5円〜6円(GBP/JPY)になったタイミングを、相場転換(つまり、投機筋がかたよったポジションを決済するタイミング)の目安とします。ここで売りを仕掛けるわけです。
利益確定は、移動平均線への収束
利確のタイミングは、乖離したレートが25日移動平均線へ再び収束したポイントです。先のチャートで説明すると…
Akiの手仕舞いタイミングは移動平均線乖離率(期間25日)へのレート収束
ぶせな氏は25・75・200EMA
もうひとりの億トレーダー「ぶせな」氏について調べてみましょう。
なお、期間をどの数字にするかは、あまり問題ではありません。私が設定している期間は、最もメジャーである次の3つです。
短期:25
中期:75
長期:200お伝えしているように、この数字以外はダメなのかというと、そうではありません。短期は20でも構いませんし、中期が50でも良いでしょう。ただし、マーケットではキリの良い数字が好まれますので、短期なら21や22ではなく、20や25にすると良いでしょう。
引用:FXの移動平均線の見方と正確な相場分析と勝てるトレード手法
彼は3本の指数平滑移動平均線(EMA)の組み合わせを推奨しています。
- 25EMA
- 75EMA
- 200EMA
25、75、200がメジャーであるとしつつ、キリの良い数字が良いと解説していますね。
海外(英語圏)と日本の認識の違い
さて、ざっくりとですが、海外(英語圏)と国内の移動平均線期間についての捉え方の違いをみてきました。まとめると…
海外(英語圏)で一般的な期間
- 10
- 20(25)
- 75
- 200(250)
日本で一般的な期間
- 5
- 20
- 25
- 50
- 75
- 100
- 200
海外(英語圏)と国内で共通する期間は次の通り。
- 20(25)
- 75
- 200
うん、やはりこの辺に収まってきましたね。なんとなくスッキリしてきました。
海外のトレーダーを含めた移動平均線の期間は、「20」「75」「200」ということになりそうですね。実際にチャート上に表示させてみましょう。ちなみに指数平滑移動平均線(EMA)です。

指数平滑移動平均線(20EMA、75EMA、200EMA)
短期の動きをEMA20で追い、中期はEMA75、そして長期をEMA200で認識する…そんな感じで使うとなかなか良さそうです。
もちろんこれが正解ということではありません、念のため。あくまでも一般的にメジャーとされる期間であるということに留意してください。

トレードで最良の結果を得るには”最も一般的に使われる移動平均線”にこだわるべき
前回の記事で述べたように、トレードで最良の結果を得るには、最も一般的に使われる移動平均線にこだわるべきです。移動平均線は多数のトレーダーがそのシグナルを使ってトレードすればするほど機能するからです。
海外(英語圏)で一般的な期間
- 10
- 20(25)
- 75
- 200(250)
日本で一般的な期間
- 5
- 20
- 25
- 50
- 75
- 100
- 200
最も一般的に使われる移動平均線(期間)はどれなのか?を知ることで、あなたのトレードに客観的視点をと入れることができるようになります。
「自分がどう思うか?」ではなく「みんながどう思うか?」です。