えっ！ボリンジャーバンドの2σ外側の終値は「継続」シグナルだったの？

ボリンジャーバンド｜2σ｜意味

標準偏差はデータの散らばり具合を示します。

標準偏差とは？

標準偏差はデータの集合体に含まれるばらつきの平均値です。それぞれの値が平均値からどの程度離れているか（散らばっているか）を表しています。

標準偏差が高いということは、値が全体的に平均値から離れていることを意味します。標準偏差が低いということは、値が平均値に近いところに集まっていることを意味します。

標準偏差でわかること

標準偏差は、正規分布の広がりを示す指標として有効です。

正規分布ではデータは対称に分布し、ほとんどの値は中心付近に集まります。中心から離れるにしたがって値は先細りになります。こんな図を見たことありますよね。

正規分布｜出典：Wikipedia

標準偏差はデータが分布の中心からどれくらい離れているかを示します。

たとえば学校のテストの点数や、クラスの身長など、データのバラつき具合を把握したいときに活用されます。

引用：ボリンジャーバンドの計算式、これ以上簡単に説明できん！ってくらい詳しく解説してみた

一般的な標準偏差の説明だけではわかりにくいですよね。

ボリンジャーバンドの標準偏差「2」の意味は次の通り。

標準偏差は表計算ソフト「Excel」でも関数を使えば簡単に算出できます。つまりExcelでもボリンジャーバンドを描くことができるのです。Excelでボリバンを描写する（計算する）方法は以下の記事で詳しく解説しました。

• ボリンジャーバンドの計算式、これ以上簡単に説明できん！ってくらい詳しく解説してみた

ボリンジャーバンド｜2σ｜確率

「±2σの範囲内にレートが収まる確率は約95.4％」は間違い

解説書などで「±2σの範囲内にレートが収まる確率は約95.4％」という解説を見かけたことがありませんか？

• ±1σの範囲内にレートが収まる確率…約68.3％
• ±2σの範囲内にレートが収まる確率…約95.4％
• ±3σの範囲内にレートが収まる確率…約99.7％

実はこれらの解説は正しくありません。鵜呑みにしてしまうとボリンジャーバンドの本質を見誤ります。

正しくは以下の通り。

• 最近発生した値動きの約99.7%が収まるラインを±3σで表している
• 最近発生した値動きの約95.4%が収まるラインを±2σで表している
• 最近発生した値動きの約68.3%が収まるラインを±1σで表している

つまり、過去データに基づいて分析をしているに過ぎないのですね。もしも＋2σバンドに近い位置にレートがあれば、正しい解釈は以下の通り。

正しい解釈

正しい解釈とは、単なる過去データに基づいた”事実の確認”です。一方よくある間違った解釈がこちら。

間違った解釈

ボリバンによって未来を予測してしまっていますね。これは間違いです。

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ボリンジャーバンド｜2σ｜タッチ

ボリバン2σ外側の終値は「初期継続シグナル」だ

先に解説したとおり、ボリバンは、未来の確率を示すテクニカル指標ではなく、過去のデータを分析しプロットしただけのツールです。

では、ボリンジャーバンドの±2σへのタッチは何を意味するのか？ボリンジャーバンド考案者であるジョン・A・ボリンジャー（ John A. Bollinger）氏は公式サイトで以下の通り述べています。

 Closes outside the Bollinger Bands are initially continuation signals, not reversal signals.

引用：BOLLINGER BANDS RULES

直訳します。

つまり、ボリンジャーバンド±2σへのタッチ（外側終値）は、トレンドがさらに継続する可能性が高いことを意味する…と述べているのです。

• ボリバン±2σタッチ（外側終値）…反転←間違い！
• ボリバン±2σタッチ（外側終値）…継続←正しい！

ボリンジャーバンドの上下バンドを抜けて終値をつけたときは、まずはトレンド継続の可能性が高いことを考えて次の戦略を練る必要があるのですね。

このことを意外と知らないFX初心者が多いのです。