ケルトナーチャネルとボリンジャーバンド
以前、ケルトナーチャネルについて2回にわたって解説しました。
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以下の画像は、ケルトナーチャネル(ATR版)をMT4に表示させたチャートです。
ご覧の通り、なんとなくボリンジャーバンドに似ています。中心線の上下に一定幅で2本のラインが描写されている様(さま)がボリンジャーバンドのようです。
同じMT4チャート(USD/JPY 1時間足)に、ボリンジャーバンドを表示させてみると…
似ていますね。ちなみにどちらも期間は20(Period=20)ですので、センターライン(移動平均線)はまったく同じ波形を描いています。
形状だけ見れば、ボリンジャーバンドのほうが上下のラインの振り幅(広がったり狭まったりする度合い)が大きく見えます。
どちらも似ているよね?
ほほほ。確かにどちらも移動平均線を中心に上下にバンドが描かれている点は非常に似ているのう。
ケルトナーチャネルとボリンジャーバンド|違い|概念
ケルトナーチャネルは「平均の価格帯」を表示したもの、ボリバンは「変動範囲の価格帯」を表示したもの
一見、似たような形状のケルトナーチャネルとボリンジャーバンド。でも、元々の定義はまったく異なります。
ケルトナーチャネルは、一定期間のレートの値動きの平均的な価格帯(チャネル)を過去の値幅の移動平均線を中心線にしてチャート上に描写したテクニカル指標です。
一方のボリンジャーバンドは、相場のボラティリティ(変動率)を過去の価格データを元に算出し価格の変動範囲を移動平均線を中心線にしてチャート上に描写したテクニカル指標。
誤解をおそれずに極限まで噛み砕いて説明すると、以下の通り。
ケルトナーチャネルとボリンジャーバンドの違い
- ケルトナーチャネル…平均(アベレージ)の価格帯を表示
- ボリンジャーバンド…変動範囲(ボラティリティ)の価格帯を表示
※上の図での解説は、厳密に言えば少し異なりますが、差異をイメージとして捉えてもらうためにあえて簡略化しています。
見た目上は、それほど大きな違いを感じにくいが、実は2つのテクニカル指標の概念は全く異なるのじゃ。
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ケルトナーチャネルとボリンジャーバンド|違い|活用方法
もう一度、違いを整理しましょう。
ケルトナーチャネルとボリンジャーバンドの違い
- ケルトナーチャネル…平均(アベレージ)の価格帯を表示
- ボリンジャーバンド…変動範囲(ボラティリティ)の価格帯を表示
ケルトナーチャネルは価格変動の平均を表していて、ボリバンは価格変動の偏差(平均値と個々の値との差)を表しています。従いまして、使い方も当然違ってきます。
ケルトナーチャネルはチャネル超えでボラティリティの有無を判断する
ケルトナーチャネルは、平均(アベレージ)の価格帯(チャネル)を表示している指標ですので、レートが平均的な価格帯に収まっているか、それとも越えているのか?で相場状況を判断します。
レートがチャネル(=レート振幅の平均値)を超えていれば、ボラティリティが増大し、トレンドが発生していると判断します。
ボリンジャーバンドはレートとバンドの位置関係で”相対的な高値・安値”を判断するもの
一方のボリンジャーバンドは、相場のボラティリティ(変動率)をチャート上に表示した指標です。バンド幅によってボラティリティの有無を判断し、さらにバンド幅の変化(拡大と収縮)によって、ボラティリティの”差異”も視認できます。
ただ、ボリンジャーバンドの最も重要な役割は、相場は相対的に高値か、安値か?を判断することにあります。
バンドの上限にレートがあれば、相場は相対的に高値であると判断し、下限にレートがあれば相場は相対的に安値であると判断します。
つまりバンド上限=プラスσ(シグマ)へのレート張り付きは、アップトレンドを示唆し、バンド下限=マイナスσ(シグマ)へのレート張り付きは、ダウントレンドを示唆します。
このサイトでも何度か解説していますが、バンドタッチからの逆張りではなく、むしろバンドタッチからの順張りこそが、ボリバン本来の使い方なのです。
概念が異なるから、活用方法も大きく違うぞ!
ケルトナーチャネルとボリンジャーバンド|違い|まとめ
ケルトナーチャネルとボリンジャーバンドの違いを理解できたでしょうか。最後にざっくりとまとめておきますね。
ケルトナーチャネル
- 平均の価格帯を示したもの
- 平均的な価格帯にレートが収まっているかどうかでボラの有無を判断
ボリンジャーバンド
- 変動範囲(ボラ)の価格帯を示したもの
- ボラの有無・差異も同時に視認可能
- レートとバンドの位置関係で”相対的な高値・安値”を判断
比べてみると、ボリンジャーバンドから読み取ることのできる項目が非常に多く、汎用性が高いように感じるじゃろ。