MACDっていろいろな使い方があるみたいだけど、基本的な使い方を知りたいな…
MACDはとてもシンプルじゃが、非常に奥が深く見方によって様々な気づきが得られるテクニカルなんんじゃよ。
今回はMACDの王道的な使い方を3つ解説するぞ。
本記事ではMACDの具体的な使い方に焦点を当てて解説します。
なおMACDの基本的な見方や設定方法については以下の記事をお読みください。
MACDの見方・設定方法に関する記事
MACD|使い方
MACD(移動平均収束拡散)は、2本の移動平均線(EMA)とシグナル線の3つの要素で構成されたテクニカル指標です。
短期EMA(期間12)と長期EMA(期間26)の乖離差をヒストグラム(棒グラフ)で表し、その値をSMA化(期間9)したものがシグナル線です。
これらの収束と拡散・交差によってトレンド状態やモメンタム(勢い)、さらには取引機会を捉えることを目的として使用します。
最も王道的なMACDの使い方(取引戦略)は3つあります。
3つのMACD取引戦略
- 交差(クロスオーバー)戦略
- ヒストグラム反転戦略
- ゼロクロス戦略
以下、詳しく解説します。
今回はMT4標準のMACDではなく、海外FXでよく見かけるMACDで解説します。下図における下段で表示しているMACDです。
MACD(2つのEMAの差)とシグナルを線で表示し、その差をヒストグラムでプロットしたMACDです。
- MACD…水色線
- シグナル…赤色線
- MACDとシグナルの差…白色棒グラフ
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MACD|使い方|交差戦略
まずはMACD線とシグナル線の交差(クロスオーバー)です。いわゆるGC(ゴールデンクロス)とDC(デッドクロス)と呼ばれるものです。
- GC(ゴールデンクロス)…先行線が遅行線を上抜ける
- DC(デッドクロス)…先行線が遅行線を下抜ける
MACD線とシグナル線は、ストキャスティクスと同じような活用方法があります。2つの線のクロスオーバー(交差)が売買シグナルとして使えます。
多くのクロスオーバー戦略と同様、短期で反応性の高いライン(MACD線)が、より遅いライン(シグナル線)を上抜けるようにクロスした場合が「買いシグナル」です。
一方MACD線がシグナル線を下抜けるようにクロスした場合は「売りシグナル」となります。
ただし、交差が常に売買シグナルとなるわけではありません。特に相場に勢いがなくボラティリティが低い場合、その多くはダマシとなる可能性を含んでいます。
ピークアウト・ボトムアウト+交差で信頼度の高いシグナルを選択
交差による売買シグナルのダマシを回避するには、ピークアウト・ボトムアウトからの交差に絞ってシグナルを選択することが有効です。
下の図はMACD線(水色線)が大きく下がった後に反転上昇し、そのタイミングでシグナル線と交差(ゴールデンクロス)しています。つまりボトムアウトからの交差は相場反転を示唆します。従いましてボトムアウト後のGCは「買いシグナル」として有効です。
下図はMACD線がピークアウトをつけて反転し直後にシグナル線と交差(デッドクロス)しています。MACDのピークアウトは相場反転(上昇→下落)を示唆するため、ピークアウト後の交差は「売りシグナル」として信頼性が高いと考えます。
売買シグナルのダマシを回避するには、ピークアウト・ボトムアウトからの交差に限定してシグナルを選択することが有効じゃよ。
MACD|使い方|ヒストグラム反転戦略
MACDのヒストグラム(棒グラフ)はMACD線とシグナル線の「差」を表しています。
相場が特定の方向に強く動いているときは、ヒストグラム(棒グラフ)の高さが増します(伸長する)。
一方、ヒストグラム(棒グラフ)が縮小しているときは、相場の動きが鈍化していると読み取ることができます。
ヒストグラムの動きはMACD線とシグナル線の「差」を表すため、MACD線とシグナル線が交差するタイミングで「ゼロ」になります。
MACD線とシグナル線の乖離幅が増大するにつれヒストグラムが伸長します。
逆に言えば、ヒストグラムが伸長から収縮へと変化するときは相場転換の初期徴候を示唆します。ヒストグラム反転の後、MACD線とシグナル線の交差(クロスオーバー)が発生する可能性が高いからです。
つまりヒストグラムの反転は、交差の”先行指標”なのです。
ヒストグラムの反転(伸長→縮小)がトレンド転換のシグナルとして活用する方法がMACDの第二の使い方です。海外ではヒストグラムリバーサル戦略と呼ばれます。
MACDヒストグラムは、相場転換の初期徴候を示してくれる便利な先行指標じゃ。
よーく観察すると良いぞ。
MACD|使い方|ゼロクロス戦略
3つ目の使い方はゼロクロス戦略です。
ゼロクロス戦略は、MACD線がゼロラインを上抜け・下抜けによってトレンド発生を捉えるというもの。
MACD|ゼロクロス戦略
- MACDがゼロラインを上抜け…上昇トレンドの予兆と判断(買い目線)
- MACDがゼロラインを下抜け…下落トレンドの予兆と判断(売り目線)
MACD線はそもそも遅行線であるため、ゼロクロスは最も遅く発生するシグナルである点に注意が必要です。
遅行シグナルであるため、シグナル数が少ないだけでなく、偽のシグナル(ダマシ)も少なくなります。
ゼロクロス戦略は、MACD線がゼララインを上抜けたときに「買い目線」、MACD線がゼロラインを下抜けたときは「売り目線」で相場を観察します。
またゼロクロス戦略は手仕舞いタイミングを図るときも有効です。ゼロライン上抜けを売りポジションの手仕舞い、ゼロライン下抜けを買いポジションの手仕舞いとする戦略です。
MACD|ゼロクロス戦略|手仕舞い
- MACDがゼロラインを上抜け…売りポジションの手仕舞いタイミング
- MACDがゼロラインを下抜け…買いポジションの手仕舞いタイミング
ゼロクロス戦略の注意点としては、その遅効性により相場の乱高下が発生しているときにシグナルが遅れて出てしまうことで有効性が低下する点です。
一方で、長いレンジにおける相場反転のシグナルとしては高い精度を誇り、有効性が高まります。
短期足ではノイズが多いからゼロクロスの有効性は低下するぞ。
一方、長期足ならばゼロクロス戦略はかなり有効性が高いぞ。
MACD|使い方|まとめ
本記事ではMACDの3つの基本的な使い方を解説しました。
3つのMACD取引戦略
- 交差(クロスオーバー)戦略
- ヒストグラム反転戦略
- ゼロクロス戦略
MACDは奥が深いため、さらに多くの解釈・使い方が存在しますが、まずは上の3つを基本戦略として覚えておくことをオススメします。
MACD|基礎編
- MACD、正しい”見方”を解説するから読みなよ。
- MACDの設定、凄まじく重要なことは実はただ一つだけ
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- MACDの地味な(けれどすごい)買いシグナル・売りシグナル
- MACD|シグナル線の本質を語ってみようか…
- MACDの数値|意味と見方について解説
- いまさらだけど、MACDの本質を詳しく解説しておくよ!
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MACD|応用編
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