【FX】RSIとRCI、違いはなに?どっちがおすすめ?
RSIとRCIの違いがよくわかりません…というご質問をいただきました。
たしかに名称はとても良く似ていますね。どちらもオシレーター系テクニカル指標に分類されます。正式名称は次の通り。
- RSI…Relative Strength Index(=相対力指数)
- RCI…Rank Correlation Index(=順位相関指数)
ただ、MT4(メタトレーダー4)の標準インジケーターの中には、RSI(Relative Strength Index.mq4)はあるのですがRCI(Rank Correlation Index.mq4)は含まれていません。
あまり知られていませんが、RCI(Rank Correlation Index.mq4)という呼び方は、海外においては一般的ではありません。RCIではなく、「SpearmanRankCorr.mq4」と呼ばれて親しまれています。
なぜそのように呼ぶのか?については以下の記事にて詳しく記載しました。
RCIは”スピアマンの順位相関係数”の概念を取り入れた指標だ
この複雑な計算式の元とされるのは、Spearman’s rank correlation coefficient(スピアマンの順位相関係数)です。イギリスの心理学者Charles Spearman(チャールズ・スピアマン)によって提唱されました。
スピアマンの順位相関係数は、2つのデータの相関性を数値で表すための便利な数式なんですね。
なので、RCIインジケーターのことを海外では「SpearmanRankCorr.mq4」などと呼ぶこともあります。というかこちらの呼称のほうがRCIよりもメジャーかもしれません。
RSIとRCIの”概念”の違いを知っておこう
まずはRSIとRCIの概念の違いを確認しておきましょう。
- RSI…Relative Strength Index(=相対力指数)
- RCI…Rank Correlation Index(=順位相関指数)
それぞれの名前が異なるため、概念も基本的には全く違います。もちろん、計算式も大きく異なります。
RSIはテクニカルの父と呼ばれるJohn Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)によって考案されたオシレーター系ツールです。上の計算式はJ.W.ワイルダー著書『New Concepts in Technical Trading Systems』に記載されているRSIの計算式です。
次にRCIの計算式をご覧ください。
RCIの考案者はエビデンスが不確かなので記載しませんが、元になっているのはイギリスの心理学者Charles Spearman(チャールズ・スピアマン)が提唱したSpearman’s rank correlation coefficient(スピアマンの順位相関係数)です。
RSIとRCIの概念を端的に表すと以下の通りです。
- RSI…一定期間の価格変動に対する上昇値動きの割合(%)を算出したもの
- RCI…レートと日付(期間)を順位付けしそれらの相関関係をグラフ化したもの
ご覧の通り、全く異なることがわかりますね。
RSIは、全体の値動き幅に対する相対的(Relative)な上昇力(Strength)の割合を算出した指数(Index)であり、上昇圧力(勢い)の強弱を判定します。
一方のRCIは、時間順位と価格順位(Rank)の相関性(Correlation)を算出した指数(Index)であり、上昇圧力(勢い)の強弱を判定します。
どちらもレート上昇圧力(勢い)の強弱を判定するためのオシレーターですが、導き出す根拠(概念)が全く異なるのです。
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RSI.mq4とRCI.mq4(≒SpearmanRankCorr.mq4)をMT4チャートに表示させてみる
違いを確認するために、RSIとRCIインジケーターをMT4チャートに設定してみましょう。
上段がRSI.mq4で、下段がSpearmanRankCorr.mq4(RCI)です。
SpearmanRankCorr.mq4(RCI)のほうが、凸凹の少ないややなめらかな曲線をえがいているものの、どちらも同じような上下動をしていますね。基本概念は違えど、どちらも価格上昇圧力(勢い)の強弱を示すオシレーター系ですので、当然といえば当然です。
RSIとRCI、結局どっちがおすすめ?
計算方法は異なっても、どちらも価格上昇圧力(勢い)の強弱を示すテクニカルです。どちらがおすすめか?と聞かれれば、「お好みでどうぞ」としかお答えようがありません。
ただ、どちらが多く使われているかと言えば、断然「RSI」です。やはりJohn Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)という看板は強いのでしょうね。
RSIは汎用性も高く、様々なテクニカルと組み合わせたストラテジーも多数存在します。またRSIによるダイバージェンスの有用性も広く知られています。
RCIを使う必然性がないかぎりは、RSIを使うという判断で良いと思います。