MT4のMACDってちょっと形が違うよね?
そうじゃ。MT4のMACDはいわゆる「オリジナルMACD」なんじゃよ。
そして、海外サイトや日本の解説本などでよく見かけるMACDは「MACDヒストグラム」と呼ばれる派生MACDなんじゃ。
オリジナルMACDはジェラルド・アペル(Gerald Appel)氏が1970年代に考案したテクニカル指標じゃ。
そして『MACDヒストグラム』は、1986年にトーマス・アスプレイ(Thomas Aspray)氏によって開発された派生型MACDじゃよ。
MACDを独自アレンジして情報量を増やしたテクニカル指標なんじゃ。
海外では『MACDヒストグラム』の方がより優れた指標としてトレーダーに人気なんじゃよ。
MACDヒストグラム|概要
オリジナルのMACD(移動平均収束拡散)は、1970年代にジェラルド・アペル(Gerald Appel)氏によって考案されたオシレーター系テクニカル指標です。
一方、『MACDヒストグラム』は、トーマス・アスプレイ(Thomas Aspray)氏がMACDをベースに開発した別のテクニカル指標(=派生MACD)です。
MACDと『MACDヒストグラム』は異なるツール
- MACD…ジェラルド・アペル氏が開発(1970年代)
- MACDヒストグラム…トーマス・アスプレイ氏が考案(1986年)
MT4に標準で搭載されているMACDは、ジェラルド・アペル氏開発のMACDですので、MT4でMACDを知った人は他の解説と形が違うので戸惑います。
一方、トーマス・アスプレイ(Thomas Aspray)氏の『MACDヒストグラム』は、MACD値とシグナル値の距離を測定しヒストグラム表示したテクニカル指標です。
つまりベーシックなMACDの情報量を増やした言わば”進化型MACD”、それが『MACDヒストグラム』です。
で、この『MACDヒストグラム』のほうが最近では一般的になってきています。
海外サイトで見かけるMACDはほぼすべてが『MACDヒストグラム』であることは知っておくべきじゃよ。
それくらい海外では『MACDヒストグラム』が優れた指標として人気なんじゃ。
MACDヒストグラム|MACDとの違い
MACDと『MACDヒストグラム』の違いは次の通り。
一般的なMACDは2つのデータを提示しています。
MACDが提示するデータ
- MACD値(ヒストグラムで表示)
- シグナル値(ラインで表示)
一方、『MACDヒストグラム』は3つのデータを提示しています。
MACDヒストグラムが提示するデータ
- MACD値(ラインで表示)
- シグナル値(ラインで表示)
- MACDとシグナルの乖離値(ヒストグラムで表示)
『MACDヒストグラム』は③MACDとシグナルの乖離値を柱状グラフ化(=ヒストグラム化)しゼロラインを基準に上下にプロットしています。
オリジナルMACDにはない「MACD値とシグナル値の乖離値」を表示している点が大きな特徴じゃ。
MACDヒストグラム|2本線+ヒストグラムをMT4で表示させる方法
残念ながら、『MACDヒストグラム』(2本線+ヒストグラム)はMT4に標準装備されていません。
MACDをMetaEditorでカスタマイズすれば2本線+ヒストグラムを表示させることができますが、プログラミング知識が不可欠です。
MT4で『MACDヒストグラム』(2本線+ヒストグラム)を使いたい場合は、無料のインジケーターを拾ってきて設定するのが最も容易です。
海外サイトなどで探せば『MACDヒストグラム』(mq4ファイル)はたくさん見つかりますが、どれをダウンロードすれば良いか迷いますよね。
おすすめの『MACDヒストグラム』(2本線+ヒストグラム)は、Good_Macd.mq4(無料)です。
Good_Macd.mq4は、2本線(MACD線+シグナル線)とヒストグラムの3つのデータを表示させることができる無料のインジケーターです。
MACDヒストグラム|優れている点
『MACDヒストグラム』が優れている点は、MACDとシグナルの乖離値をデータ化したことで相場をより深い視点で洞察できることにあります。
オリジナルMACDにはない強気と弱気のパワーバランスを推測することが可能です。
もちろんMACD線とシグナル線だけでもその差を視認することは可能ですが、乖離差を棒状グラフ化することで視認度は飛躍的に高まり、乖離が開いているのか縮小しているのかを一目瞭然に判定できます。
MACDとシグナルの乖離値グラフ(ヒストグラム)を観察することで、オリジナルMACDにはない強気と弱気のパワーバランスを推測することを可能にしてくれるぞ。
MACDヒストグラム|動き
『MACDヒストグラム』は以下の計算式でプロットされています。
オリジナルMACD同様にゼロラインを基準に上下に変動します。
先行線(早く反応する線=MACD線)が遅行線(遅く反応する線=シグナル線)よりも上にある場合、MACDヒストグラムはプラスでゼロラインの上側にプロットされます。
一方、先行線(早く反応する線=MACD線)が遅行線(遅く反応する線=シグナル線)の下にある場合は、ヒストグラムはゼロラインの下側にプロットされます。
先行線と遅行線が交差するときにヒストグラムはゼロと等しくなります。
ヒストグラム(棒状グラフ)の長さは、2本の線の乖離幅に正比例します。乖離が拡大すればヒストグラムはその方向(プラス側orマイナス側)に伸びます。
ヒストグラムの動きをまとめると以下の通り。
MACDヒストグラムの動き
- MACD>シグナル → プラス側に伸びる
- MACD<シグナル → マイナス側に伸びる
- MACD=シグナル → 0(ゼロ)
- MACDとシグナルの乖離幅が大 → 棒グラフが伸長
- MACDとシグナルの乖離幅が小 → 棒グラフが縮小
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MACDヒストグラム|見方
ヒストグラムがゼロラインを超えていて(プラス)、かつゼロラインに向かって下降しているときは上昇トレンドが弱まっている(強気→弱気)ことを意味します。
一方、ヒストグラムがゼロラインより下にあり(マイナスで推移)、かつマイナスの状態からゼロラインに向かって上昇し始めた場合、下落トレンドが弱まっている(弱気→強気)と判断できます。
つまり、ヒストグラムの縦の長さを観察することで相場の強気と弱気のパワーバランスを推測することが可能になるわけです。
MACDヒストグラム|売買戦略
『MACDヒストグラム』売買戦略に関しては別の記事で解説しているので引用します。
MACD|使い方|ヒストグラム反転戦略
MACDのヒストグラム(棒グラフ)はMACD線とシグナル線の「差」を表しています。
相場が特定の方向に強く動いているときは、ヒストグラム(棒グラフ)の高さが増します(伸長する)。
一方、ヒストグラム(棒グラフ)が縮小しているときは、相場の動きが鈍化していると読み取ることができます。
ヒストグラムの動きはMACD線とシグナル線の「差」を表すため、MACD線とシグナル線が交差するタイミングで「ゼロ」になります。
MACD線とシグナル線の乖離幅が増大するにつれヒストグラムが伸長します。
逆に言えば、ヒストグラムが伸長から収縮へと変化するときは相場転換の初期徴候を示唆します。ヒストグラム反転の後、MACD線とシグナル線の交差(クロスオーバー)が発生する可能性が高いからです。
つまりヒストグラムの反転は、交差の”先行指標”なのです。
ヒストグラムの反転(伸長→縮小)がトレンド転換のシグナルとして活用する方法がMACDの第二の使い方です。海外ではヒストグラムリバーサル戦略と呼ばれます。
MACDヒストグラムは、相場転換の初期徴候を示してくれる便利な先行指標じゃ。
よーく観察すると良いぞ。
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