エリオット波動は単なるオカルトで実践では役に立たない…と考える人々が多いという現実
不思議なほど人気のあるエリオット波動理論。以前もこのサイトで何度か取り上げています。
関連記事
- 【FX手法】猿でもわかる「エリオット波動理論」入門
- 【FX手法】エリオット波動理論でトレードシナリオを作る方法
- 【こじつけ理論?】エリオット波動は使えない…は本当か?
- 【爆笑】みずほ銀行が「エリオット波動」で大喜利はじめたwwwwwww
- 『エリオット波動理論』が多くの投資家を惹き付けてやまないのはなぜか?
エリオット波動理論は、相場の波の周期パターンを利用して環境認識をおこなうテクニカルの一つです。ところが、エリオット波動理論は使えないと考えるトレーダーも少なくありません。
ネガティブワードで埋め尽くされた検索結果
Googleで「エリオット波動」を検索すると、サジェストや関連キーワードで以下のようなワードが自動的に表示されます。(※サジェストとは検索窓にキーワードを入力した際に一緒に検索されやすいキーワードを自動で表示する機能。)
- エリオット波動 使えない
- エリオット波動 胡散臭い
- エリオット波動 意味ない
- エリオット波動 オカルト
- エリオット波動 勝てない
- エリオット波動 こじつけ
- エリオット波動 後付け
- エリオット波動 無意味
- エリオット波動 役に立たない
これらのキーワードは、実際にGoogleの検索窓に頻繁に打ち込まれたワードデータです。「エリオット波動」キーワードと一緒に検索されている「関連キーワード群」の一部です。エリオット波動理論に対してネガティブな印象を持ち、それらを裏付けるための情報を探しているユーザーが多いことを意味します。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
エリオット波動理論に「アンチ」が多いのはなぜか?
エリオット波動理論に「アンチ(否定派)」が多い理由はなぜでしょうか?端的に述べれば「大半のエリオット波動信者の解説が後付けである」からです。
そもそも典型的なエリオット波動パターンはほとんど存在しないという現実
まず、リアルタイムで動いているチャートでエリオット波動パターンを検知すること自体が不可能に近いのです。
上の図は、エリオット波動のチャートパターンです。そもそも、これほど美しいチャートパターンが出現すること自体が「まれ」です。実際に過去チャートをさかのぼって、上図と似たチャートパターンを探してみてください。ほとんど見つからないはずです。
13もの派生パターンで、相場をいかようにも都合良く解釈できてしまう
エリオット波動理論は、各「波」のパターンを13個もの派生パターンに分類しています。
- ダイアゴナル・トライアングル
- エンディング・ダイアゴナル・トライアングル
- リーディング・ダイアゴナル・トライアングル
- シングルジグザグ
- ダブルジグザグ
- トリプルジグザグ
- レギュラーなフラット
- 拡大型フラット
- ランニングフラット
- 対称型トライアングル
- 上昇型トライアングル
- 下降型トライアングル
- 逆対称型トライアングル
1〜3が「上昇・下降波」の派生パターン、そして、4〜13が「調整波」の派生パターンです。これらの多岐に渡る派生パターンの存在こそが、「後付け」であることを如実に物語っています。
様々な派生パターンによって、都合良くいかようにも後付け解説が可能になります。「このパターンは、ダイアゴナル・トライアングルと対称型トライアングルが組み合わさったエリオット波動だ…」だったり、「上昇第2波がエンディング・ダイアゴナル・トライアングルを形成している…」とか。どんなチャートでも後付けで解説できてしまうほどの「雑さ」があります。
リアルタイムチャートでエリオット波動を捉えることは不可能に近い
最大の欠点は、リアルタイムチャートでエリオット波動を捉えることが不可能に近いことです。
以前の記事で、「上昇第1波」「上昇第2波」出現後でないとエリオット波動理論の3原則を確認できないと解説しました。
さらに、「上昇第1波」〜「上昇第2波」を捉えるために最も多く使われる方法が、フィボナッチリトレースメントであることをお伝えしました。
ところが、フィボナッチリトレースメントを使っても黄金比通りに押し目をつけることは「まれ」です。仮に押し目をつけても、その後第2波が138.2%の比率で伸びることも「まれ」です。さらに第3波が完成後にレートがパターン通りに下落するかどうかも、全く読めません。下落することもあれば、しない場合もあります。
実際の相場は、細かな上下動(波形)を描きながらチャートを描きます。残念ながら、エリオット波動理論どおりに相場が動くことは、ほとんどありません。また、「波」がどこで折り返すのか?「波」がどこまで伸びるのか?これらをエリオット波動だけで予測することは困難です。結局、他のテクニカル(ラインやチャートパターンなど)を併用しなければ、高値・安値・押し目・戻りを認識できないのです。
無理やりこじつけて解説するエリオット信者にうんざり…
完成された過去チャートを振り返り、無理やりこじつけて「エリオット波動どおりに動いていた!やっぱりエリオット波動、すごい!」と絶賛することは簡単です。
実際のところ、リアルタイムでエリオット波動の第一波、第二波を捉えて解説しているトレーダーなどほとんど存在しません。エリオット波動でシナリオを描いても、その後パターンが崩れたり、思惑通りにレートが動かなかったりして、やむなく別のロジックを当てはめてお茶を濁す…そんな解説が多いのが現状です。
そもそもエリオット波動は「ダウ平均」を長期観察して導き出された理論です。天底のないFX相場に当てはめようとすること自体に、かなり無理があることを知っておくべきです。
上昇5波動・下降3波動の波を正確にカウントする具体的な方法は、誰ひとり解説してくれない…
どうやって正確に「波」をカウントするのか誰か教えてくれ…
もう一つ、エリオット波動の「上昇5波動、下降3波動」をどのようにしてカウントするのか?その方法もあいまいです。正確に波をカウントしなければ、パターンを捉えることができません。しかし上昇5波動・下降3波動の波を正確にカウントする具体的な方法は、誰ひとり解説してくれません。
なぜでしょう?波動カウンティングの解釈は様々で、一貫性がありません。都合の良いチャートパターンが出現したときだけ「エリオット波動理論」を取り出すのは、なんだか滑稽で笑えます。
エリオット波動理論を崇拝する人々…
ここまで”エリオット波動理論は使えない”という見解を示しました。とはいえ、世の中には様々な考えを持つ人々が存在します。エリオット波動理論を聖杯のごとく崇拝し、自らのトレード戦略の主軸に据えている投資家もたくさんいます。
賛否両論あるエリオット波動理論ですが、肯定派の見解も知っておくべきでしょう。ネットで、エリオット波動理論をガンガン推し進めているトレーダーやアナリストの方々をピックアップしておきます。
エリオット波動を肯定する人々
HIRO氏は、エリオット波動理論&移動平均の使い手です。
一般社団法人日本エリオット波動研究所は、どちらかといえば、エリオット波動理論を学問的な側面から解説する団体ですね。
- 杉田勝|エリオット波動DVD&動画一覧
杉田勝氏は、多くのエリオット波動理論DVDをリリースしています。
- – 読みなよ。(FXで勝てない人読みなよ。)
エリオット波動に関する記事を多くあげています。肯定派ですね。
「エリオット波動」肯定派のYou Tube動画
最近はエリオット波動に関する動画をアップしているYouTuberトレーダーも多いですね。その多くは肯定派です。先の- 読みなよ。FX勉強会のYou Tube動画はこちら。
https://youtu.be/C5skjjGK-8w
https://youtu.be/MRB8HaW-_1k
https://youtu.be/igaTn4rFHiU
https://youtu.be/tTXqobhpN-g
プロップトレーダーSHINN/FX・BO氏もエリオット波動をプッシュする動画を多くアップしています。
皆さん、それぞれエリオット波動の素晴らしさを動画で解説されていますね。
エリオット波動やウォルフ波動は「空手の型」と同じだ、「型」を学んでも空手の実戦で勝てるようにはならない
「型」に囚われすぎだよね?
知り合いのトレーダーが「エリオット波動やウォルフ波動は空手の型と同じ。どれほど型を学んでも実戦の空手で勝てるようにはならない。」と語っていましたが、まさに言い得て妙です。
空手の型競技は、その正確さや美しさ・力強さなどを採点する競技です。一方の「実践空手」は、対戦相手と打撃技を駆使してポイントを競い合います。型を学ぶことは無駄ではありませんが、実践での戦いを繰り返さなければ「実践空手」で勝てるようにはなりません。エリオット波動などの「型」を知っておくことは無駄ではありません。ただ、その「型」に囚われすぎると、実践(リアルトレード)ではうまくいきません。
エリオット波動「沼」にハマると抜け出せなくなる
相場で生き残るためには、予測不可能なマーケットに対して柔軟に対応する力が求められています。美しい「型」に囚われるあまりに、柔軟性が欠如してしまっては本末転倒です。どうしてもこの手のチャートパターンを学びたいのであれば、エリオット波動よりもシンプルな「ダウ理論」をしっかりと学ぶことをおすすめします。
せいぜいエリオット波動「沼」にはまらないように注意しましょう。
エリオット波動理論|過去記事まとめ
エリオット波動理論についてこれまで何度か記事をアップしていますので、参考までにどうぞ。