”元祖”プライスアクション=「酒田五法」
酒田五法ってよく聞くけど、古臭くて使えない手法だと思っていませんか?実は全くそんなことありません。酒田五法をベースにしたプライスアクショントレードは、現代でも大いに使える手法なんです。海外でもプライスアクションは人気のある手法の一つとして知られています。
このサイトでもいくつか酒田五法をベースにしたFX商材をレビューしてきましたね。例えば…
どちらも酒田五法を現代風に解釈し、複雑な相場の動きを類型化(パターン化)することで転換点を予見するFX商材です。
酒田五法の歴史は古く、江戸時代にまでさかのぼります。五法という名の通り、大きく5つのパターンが基本です。
- 三山(さんざん)
- 三川(さんせん)
- 三空(さんくう)
- 三兵(さんぺい)
- 三法(さんぽう)
しかし、酒田五法はこれだけではありません。これらの5つのパターンをベースにさらに派生パターンが数多く存在します。
ここに挙げたものはほんの一部です。まだまだあります。
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君は”捨て子底”を知ってるか?
今回は、この酒田五法の中の「捨て子底」をピックアップします。相場の”底”を拾うためのチャートパターンであり、逆張りスキャルピングにも使える面白い手法です。
「捨て子底」は、下落相場において(小陰線のあとに)大陰線が出現し、少し窓を開けて「十字線」が出現するパターンです。その次の足が陽線ならば、底を打ったとみなし上昇局面に転じたと判断できます。
連続する大陰線で大きく下落後、十字線が出現することで売りと買いが拮抗したことを意味します。その後の陽線出現で”底値圏での買いサイン”と判断できるわけです。このタイミングでロングエントリーを仕掛けることが可能になります。スタイルとしては逆張りですね。
なぜ「捨て子底」と呼ぶのか?
「捨て子底」というネーミングが気になりますよね。
どうして「捨て子底」という名前がついたのか?それは当時の相場師が、大陰線から離れた場所に出現する「十字線」を親から捨てられた子どもに見立てたんですね。
…なかなか切ないネーミングです。
「捨て子底」をFXチャートから拾ってみる
基本的には株式投資の日足等で使われることの多い「捨て子底」ですが、FXでも活用しているトレーダーが少なくありません(もちろん長期足前提です)。
実際にチャートで「捨て子底」を拾ってみましょう。チャートはすべてUSDJPY(ドル円)の日足です。なかなか大陰線後の十字線が出現しないため、十字線に近いものもピックアップしています。
※なかなか大陰線後の十字線が出現しないため、十字線に近いものもピックアップしています。
本来の「捨て子底」は、もう少し前後のローソク足から離れた場所で出現する必要がありますが、めったに現れません。上の例はどれも前後のローソク足から離れていませんね。
さて、陰線(大陰線)の後に十字線、その後陽線が出現、このタイミングで「買い」で仕掛けます。上に上げた例では底値を捉えて比較的うまく行っていますね。
もちろんダマシもあります。一例を挙げてみます。
上の例では十字線+陽線でエントリーしても最終的に陰線となりダマシになりました。
とはいえ、全体的に見ればうまく底値圏からの反転を捉えているように感じませんか?
めったに出現しない「捨て子底」よりも、PinBar(ピンバー)を狙おう
転換確度の高い酒田五法の「捨て子底」ですが、現実にはなかなか出現しないというデメリットがあります。
実際のトレードでは、十字線よりももう少し実態のあるPinBar(ピンバー)の出現のほうが多いですよね。海外では「hammer(ハンマー)」「inverted hammer(逆ハンマー)」と呼ばれることもあります。
Hammer
以前の記事でも記載しましたが、有名なプライスアクションはHammer(ハンマー)です。
ローソク足の実体が短く、下に長いヒゲが伸びている点が特徴。ローソク足の形状がハンマーに似ていることから「Hammer」と呼ばれているパターンです。Hammerが出現すると転換点と見なすことが多い。日本では”カラカサ”と呼ばれています
引用:『The Secret FX(ザ・シークレットFX)』に代表されるプライスアクショントレードは海外ではどのように認識されているか?
酒田五法で言えば「明けの明星」「宵の明星」が近いですね。
PinBar(ピンバー)とは?
PinBar(ピンバー)を構成する要素は以下の2点(※解釈は様々です)。
- 実態がローソク足の高値から安値までの長さ(ひげの長さ)の25%以下であること
- 実態の位置が全体のどちらかに偏っていること(50%の範囲に存在すること)
以下の画像がわかりやすいです。
PinBar(ピンバー)も、捨て子底同様に相場の転換を予見するプライスアクションとして知られています。
PinBar(ピンバー)を捉える海外インジケーターを紹介するよ!
このPinBar(ピンバー)を自動的に検知してシグナルを出してくれるインジケーターも存在します。その一つが『FFx PinBar Setup Alerter』。12ドルと有料ですが、なかなかの優れものです。
このインジケーターを使ったユーザーのコメントでは、なんと勝率80%!とのこと。
Brilliant indicator! Early days, but it has 80% hit rate when used in conjunction with Fibonacci ratios on H4 for forex and commodities.
(すごいインジケーターだ!4時間足と併用すれば80%の確率で勝てるよ!)
『FFx PinBar Setup Alerter』は、PinBar(ピンバー)出現と同時にTP(目標1,目標2)ラインとSL(ストップ)ラインを自動的に表示してくれます。
『FFx PinBar Setup Alerter』をMT4で可動させている動画がこちら。
なかなか面白そうなインジケーターですね。
『FFx PinBar Setup Alerter』はMQL5.comから購入できます。
「捨て子底」に特化した書籍も存在する
酒田五法に代表されるプライスアクションは、投資家(市場参加者)の心理をタイムリーに読み取ることに長けたテクニカル分析法です。相場転換には様々なチャートパターン分析が存在しますが、中でもこの「捨て子底」はその確度の高さから実践に取り入れているトレーダーも少なくありません。
「捨て子底」に特化した書籍もありますので紹介しておきます。株式トレード用の書籍ですが、FXトレーダーも大いに参考になるはず。
株式投資で確実に儲ける「捨て子底」の法則: 「捨て子底」を狙って着実に利益を積み増す
Kindle Unlimitedであれば無料で読むことができます。Kindle版を購入するならば350円です。
酒田五法は奥が深く、ひとたび研究しようとすればドハマリすること間違いありません。まさに”沼”です。気をつけてください。
古くから存在するテクニカルですが未だに多くのトレーダーを惹き付ける魅力があります。ローソク足の形状や並びのパターンからマーケット参加者の売り・買いの攻防を読み取り、次の値動きを予測する…まさに心理戦的な面白さがありますね。もちろん酒田五法に懐疑的なトレーダーも存在しますので、諸手を挙げておすすめするわけではありません。合う合わないもあるでしょう。
現代版「酒田五法」としてGlobal Dream FX(クロスリテイリング)やSecret FX(シークレットFX)が販売されることで、「酒田五法」が再び注目を浴び、多くの投資家(初心者)がその真髄に触れることは喜ばしいことですね。