ボリバンの期間って「20」のままでいいのかな?!
ボリバンの期間に対する考え方は様々じゃ。
海外トレーダーの多くは取引期間に応じてボリバンの期間を変えているぞ。
今回はそのあたりを詳しく解説するぞ。
ボリンジャーバンドの期間をどのように設定するかは、多くのトレーダーにとって頭を悩ませる問題です。
初期値の「20」のままにするか、それとも短期売買においてはもう少し短い期間を設定するべきか…。
海外FXトレーダーの中では以下の設定が一般的です。まずは結論から。
まずは結論から。海外FXトレーダーの中では以下の設定が一般的です。
ボリンジャーバンドの期間|海外トレーダー推奨値
- 初期設定値…期間20|標準偏差2
- デイトレーダー…期間20|標準偏差2
- スキャルパー…期間9〜12|標準偏差1.5
- スイングトレーダー…期間50|標準偏差3
- ポジショントレーダー…期間200|標準偏差3
以下、詳しく解説します。
ボリンジャーバンドの期間|初期設定は「20」
まずはボリンジャーバンドの初期設定における期間の確認です。MT4標準のボリンジャーバンドのパラメーターは以下の通り。
ご覧の通り期間は「20」です。
期間20はボリンジャーバンド開発者であるジョン・A・ボリンジャー( John A. Bollinger)氏の意図が反映された設定値です。
推奨期間が「20」である理由は彼の著書“BOLLINGER ON BOLLINGER BANDS”(邦題:ボリンジャーバンド入門)に記載があります。
20日間の平均が金融に関する多くの事項について、妥当な出発点であることが分かった。
ボリンジャーバンドは商品先物や株価の価格変動を分析するために構築したテクニカル指標であるため、期間「20」が妥当であると結論付けています。
ただしこの解説はあくまでも「日足」ベースです。商品先物市場や株式市場は週に5日、ひと月に約20日開いています。データーサンプルとして直近1ヶ月分を採用することで株価のボラティリティを計測するアプローチが妥当ではないかと考えたわけですね。
先物や株式トレードでボリバンを期間20日で活用するのは大いに意味がありそうです。
ボリンジャーバンドの期間|デイトレードは「20」
FXにおいては、日足を主に使用するデイトレーダーであれば、期間「20」を採用するのは妥当な選択です。
では短期足でボリンジャーバンドを活用する場合の最適な期間はいくつなのでしょうか?
開発者であるジョン・A・ボリンジャーも絶対に「20」という期間にこだわっているわけではなく、トレードスタイルに応じて期間や標準偏差を柔軟に変更することを推奨しています。
取引期間に最適なボリンジャーバンドの期間を順に解説していきます。
ボリンジャーバンドの期間|短期売買は「9〜12」
まずは短期売買におけるボリンジャーバンドの期間を考察します。まずは開発者であるジョン・A・ボリンジャーは何と言っているか?
ボリンジャー氏は、短期売買(デイトレード)では期間を短くすることを推奨しています。推奨期間は「9〜12」。
ボリンジャーバンドの期間「12」と初期値の「20」のチャート画像を見比べてみましょう。標準偏差はどちらも「2」、時間足は1時間です。
まずは期間「20」のボリンジャーバンドを設定したMT4チャートが下図。初期設定のままです。
まずは期間「12」のボリンジャーバンドがこちら。
期間12のボリバンは、かなりタイトな印象です。短期的な動きに対してより敏感に反応します。特にレートが反転したときのバンドの動きが鋭敏で、素早く手仕舞いできそうですね。
ボリンジャーバンドの期間|スキャルピングは「9」
スキャルピングに代表される超短期売買での推奨値は「9」です。以下のMT4チャートをご覧ください。期間「9」のボリンジャーバンドを表示させています。時間足は15分足です。
上下バンドへのタッチが頻繁であるため、多くのトレードチャンスを得ることができそうです。その一方でノイズも増えるので、偽のシグナルも増加する傾向にあります。
海外のトレード戦略(Strategy)を観察すると、期間を「9」に設定しているスキャルピングトレーダーを比較的多く見かけます。
ボリンジャーバンドの期間|スイングトレードは「50」
次に日足〜を主に使うスイングトレーダーにとっての最適な期間は「50」とされています。
期間「50」で、かつ標準偏差は「3」で設定します。以下のMT4チャート図をご覧ください。
日足チャートに期間50,標準偏差3のボリンジャーバンドを設定しています。ノイズが排除され大きなトレンドを捉えやすいチャート図です。売買シグナルは少なくなりますが、高確率のシグナルを発生させることができそうですね。
ボリンジャーバンドの期間|ポジショントレードは「200」
さらに長期トレードをおこなうポジショントレーダーならば、期間は「200」です。数ヶ月から半年〜1年程度の長期的なポジションを保有するわけですから、細かなノイズは大敵です。
ボリバン(期間200)のベースは単純移動平均線(期間200)です。200MAはJoseph E.Granville(ジョゼフ・E・グランビル)が推奨する期間であり、また多くの機関投資家やファンド、個人トレーダーが重要視するテクニカルでもあります。
長期的なトレンドを判断する指標として最もシンプルかつ有用性が高いと認識されているのが200MAなのですね。
- 【FX手法】200MA(移動平均線)の汎用性の高さにそろそろ気付くべき!
- ”おまいら200MA(移動平均線)を入れてみろ!勝率がグンッと上がるぞ!”
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この200MAをベースにした期間200のボリンジャーバンドこそ、長期的な展望を分析するテクニカルとして最も優位性が高いと考えられます。もちろん標準偏差は「3」です。
ボリンジャーバンドの期間|おすすめはコレ
海外のFX情報を元にボリンジャーバンドの最適な期間(と標準偏差)をまとめます。
ボリンジャーバンドの期間|おすすめ
- スキャルパー…期間10|標準偏差1.5
- デイトレーダー…期間20|標準偏差2
- スイングトレーダー…期間50|標準偏差3
- ポジショントレーダー…期間200|標準偏差3
取引期間が長くなればなるほどボリンジャーバンドの期間も長期で設定し、かつ標準偏差も大きめに設定する傾向がありますね。
もちろん上の数値が絶対ということではなく、たんに先鋭的な海外トレーダーが取りれている設定値であるという事実過ぎません。
最終的には各トレーダーが自身のトレードスタイルやストラテジーに合わせて最適な期間を見つけていくべきです。
上の設定値はあくまでも海外トレーダーの参考値であり、最適解というわけではないぞ。
数値を参考にしつつ自分なりの期間設定を見つけていくのじゃ。
ボリンジャーバンドの期間|迷ったら「20」でOK
もしもボリバンの期間設定に迷いが生じているならば、まずは初期設定値である期間「20」と標準偏差「2」を採用するというのもアリです。
適当な理由を考えて期間をあれこれイジるよりも、初期設定(期間20日)で使ったほうがテクニカルの意味を成しうるはず。なぜなら世界中の多くのトレーダーがこの設定値(初期値)でボリバンを使っているからです。
身も蓋もない話ですが、テクニカルが機能するように感じる最大の理由は、マーケットに参加する無数の投資家の群集心理効果です。
…つまり多くの投資家が「ここで上がるのでは?」「そろそろこのポイントで転換するのでは?」と思うことで相場がそのとおりに動く場合が多々あるわけですね。サポレジなどでのレート反発はその典型といえます。
そして、ほかに相場を動かす材料がなければ、その傾向はより顕著に現れます。
集団心理がチャートに反映される現象はサポレジだけではありません。他のメジャーなテクニカル、たとえばボリンジャーバンドでも同様です。
「2シグマにヒットして反転、中心線(移動平均線)まで戻って反発した!ここから再び2シグマを目指すのでは?」と考える投資家が多く存在し、実際にそこで買いENTRYがたくさん入れば、結果的にレートが上昇してしまうことがあります(またその逆を狙って無数のポジションを一気に刈り取る行為も日常的におこなわれています)。
この群集心理を活用しない手はありません。つまりより多くのトレーダーが使うメジャーなテクニカルで、大勢が意識するポイントに”相乗り”するという思考です。
あなたが天才トレーダーでないかぎり、自分だけの設定値を使ってタイミングを探すよりも大勢が意識するポイントに相乗りする方が簡単に思えませんか?
期間設定に迷うくらいなら初期設定値の「20」のまま使うのがオススメじゃよ。