CCIの計算式、詳しく解説してみるよ!
以前の記事「CCIの設定方法や基本的な使い方を詳しく解説するよ!」にて、CCIの計算式に少しだけ触れました。こちらです。
CCIの計算式
CCIの計算式はこちら。
TPはTypical Price(標準値)の略です。
TP=(高値+安値+終値)÷3
MAはMoving Average(単純移動平均値)です。標準値(TP)から単純移動平均値(MA)を引いたものが分子です。MDはMean Deviation(平均偏差)です。平均偏差を0.015倍したものが分母となります。
まあ、難しいので深く考えなくても大丈夫です。
シンプルに考えるならば、移動平均線からどれくらいレートが乖離しているかをグラフ化したものと捉えれば概ね間違っていません。
CCIはたった一つの数式で成り立っています。それがこちら。
とはいえ、これだけではよくわかりませんよね。
CCIの分子(TPーMA)は”現在値と移動平均値の乖離”を示している
まずはCCI計算式における分子から解説します。
分子の各記号が示す値は以下の通り。
- TP = Typical Price(標準価格)=(高値+安値+終値)÷3
- MA = TPのMoving Average(単純移動平均値)
TP(Typical Price)は、高値・安値・終値の平均です。
たとえば高値・安値・終値が以下の値ならば…
- 高値…101円
- 安値…99円
- 終値…100円
TP(標準価格)=(101円+99円+100円)÷3=100円
つまり、「現在値」的な感じで捉えてもおおむね間違ってはいません。
次にMAは、TP(標準価格)のMoving Average(単純移動平均値)です。期間は「14」や「20」が使われることが多いです。たとえば期間「14」ならば、14本のローソク足完成後に、14本分の標準価格{高値+安値+終値)÷3}を合計してから14で割り、移動平均値を算出します。
さて、分子は(TPーMA)でしたね。これは一体なにを示しているのか?結論から言えば、標準値(現在値)と、標準値(現在値)の移動平均値がどれくらい乖離しているのかを示しています。
CCIの分母(0.015✕MD)は”(現在値と移動平均値の乖離)の平均”を示している
次にCCI計算式における分母の解説です。
MDとはMean Deviation(平均偏差)、つまり”(TP−MA)の平均値”です。
MD(=(TP−MA)の平均値)は、以下の4つのステップで算出します。
- 標準価格から「標準価格の最新のn期間の移動平均値」を差し引く
- これらの数値の絶対値を取る(…マイナスを無視)
- 絶対値を合計する
- 期間nで割る
この4ステップで算出した値がMD=Mean Deviation(平均偏差)です。
そして、気になる「0.015」。これは定数ですね。スケーリングのための定数です。
0.015は、CCI値の約70〜80%がー100〜 +100の間に収まるようにするための「調整値=スケーリング値」のようなものです。あまり深く考える必要はありません。CCI開発者であるDonald Lambert(ドナルド・ランバート)が提唱したスケーリング定数です。CCIにおいては、この定数(0.015)が使われることが一般的です。
さて、分母をまとめると次のように考えることができますね。
- 「TP−MA」の平均値を、±100内に7割〜8割収まるようにスケーリングした値
もっと単純に考えると、
- 「TP−MA」の平均値=(現在値と移動平均値の乖離)の平均
となります。
ここまでで、CCIの分母と分子を紐解くことができましたね。
では最終的にCCIは何を示しているのか?
CCIは、現在の価格と過去の平均価格との”差”を測定して数値化したものだ
CCIの計算式は次の通り解説できますね。
つまり…
もっと砕けた説明をするならば、
CCIから何がわかるのか?
では、現在価格と過去の平均価格との差を測定することでなにがわかるのでしょうか?
シンプルに考えるならば以下の通りです。
- CCIがゼロラインを超える場合は、現在価格が過去の平均価格を上回っていることを示す
- CCIがゼロラインを下回る場合は、現在価格が過去の平均価格を下回っていることを示す
CCIが±100を超える値を示してる場合は、以下のように解釈できます。
- CCIが+100を超える高い値を示している場合は、現在価格が過去の平均価格をはるかに上回っておりトレンドが上向きに強いことを示している
- CCIがー100未満の低い値を示している場合は、現在価格が過去の平均価格をはるかに下回っておりトレンドが下向きに強いことを示している
まとめ:CCIの計算式は難解だが紐解けばわりとシンプル
CCIの計算式を紐解きましたが、いかがでしょうか?
最初は難解に思えたCCI計算式ですが、ひとつひとつ分解していけば意外とシンプルですよね。
結論から言えば、CCIは現在価格と過去の平均価格との差を測定して数値化したものです。このことを念頭において計算式を見直せば、腑に落ちるはず。