TMA(三角移動平均線)について解説するよ!
TMA(三角移動平均線)についてお問い合わせをいただきました。
当サイトにおいては、チャネルラインを自動描写して逆張りで仕掛ける手法のなかで少しだけ触れています。記事の中ではtarget-bands-indicator.mq4と呼ばれるインジケーターを紹介しています。
target-bands-indicator.mq4の詳細についてはチャネルラインを自動描写して逆張りで仕掛ける手法をお読みください。
ざっくり解説すれば、TMA(Triangular Moving Average=三角移動平均線)をATRでバンド化(上下2本のラインで描写)したものを、ローソク足が抜けたらマークを表示してくれるインジケーターです。
このインジケーターのベースになっているものが、TMA(三角移動平均線)です。
target-bands-indicator.mq4のセンターライン(中央の線)がTMAで描写されています。そのTMAをATRによってバンド化し、TMA(センターライン)を中心に上と下に均等幅で描かれている2本の線がTMA Bands(TMAバンド)です。
移動平均線って実はたくさん種類があるんですよね。
- SMA(Simple Moving Average)=単純移動平均線
- EMA(Exponential Moving Average)=指数平滑移動平均線
- WMA(Weighted Moving Average)=加重移動平均線
- TMA(Triangle Moving Average)=三角移動平均線
- SWMA(Sine-Weighted Moving Average)=正弦加重移動平均線
- MMA(Modified Moving Average)=修正移動平均線
この中でメジャーなものってせいぜい1番(SMA)と2番(EMA)くらいですよね。
2回、移動平均(SMA)化したものが”三角移動平均線”だ
さて本題です。このtarget-bands-indicator.mq4のベースになっているTMA(三角移動平均線)。いったい何でしょうか?
三角移動平均線って聞き慣れないですよね?MT4の中にもありません。
TMA(Triangular Moving Average=三角移動平均線)
TMA(Triangular Moving Average=三角移動平均線)は、単純移動平均線をもう一度移動平均化したものです。つまりSMA(単純移動平均線)のn期間移動平均線が、TMAです。
TMAインジケーターはMetaTrader4に標準装備されていませんが、ネット上で無料で拾うことができます。例えばここ。
上の引用説明にあるとおり、単純移動平均線(SMA)をもう一度移動平均化したものが一般的です。
余談ですが、日本のWEBサイトでは、TMAは中央の値に加重をかけて計算する…と解説されているものもありますね。
いわば加重移動平均線の一種です。以前紹介したLWMA(線形加重移動平均線)も同じように加重を考慮した移動平均線でした(LWMAは直近のローソク足の重み(n=Weight)が最大であり、そこから過去に遡るごとに、徐々に比重を線形(=Liner)に減らしていきます。最終的な比重は1になります。)。
一方のTMA(三角移動平均線)は、中央値に加重を加えて移動平均化していると解説されているサイトを見かけます。
この中央値に加重をかけたTMAについては、出処がよくわかりません。海外ではメジャーではないように感じます。
海外のWEBサイトでは、シンプルにSMAを再SMA化したものがTMAである…という解説が一般的だからです。
ちなみにtarget-bands-indicator.mq4のベースになっているTMAは、SMAを再SMA化したものが使われています。
ですので、この記事ではtarget-bands-indicator.mq4のベースになっているTMAを元に解説を続けます。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
TMA(三角移動平均線)の計算方法は超簡単!
理解を深めるために、ここでは一般的なTMA(三角移動平均線)の計算方法を解説します。例えば以下のような5日分のデータ(終値)があったとします。
- 1日目:100円
- 2日目:101円
- 3日目:102円
- 4日目:103円
- 5日目:104円
まず単純移動平均線(SMA)を計算してみましょう。
SMA=(100+101+102+103+104)÷5=102
期間5のSMAは102円ですね。とてもシンプルです。
ではTMA(三角移動平均線)を計算してみます。まずは普通に移動平均化(SMA)した値があるとします。その値は以下の通りとします。
- 1日目:102円
- 2日目:103円
- 3日目:104円
- 4日目:105円
- 5日目:106円
※上の値はすでにSMA化した値であるとの仮定です。
TMA=(102+103+104+105+106)÷5=104
期間5のTMAは104円となります。計算式を単純化(モデル化)すると以下の通り。
TMA=SMA(SMA)
SMA化した値をもう一度SMA化したものがTMAとなるわけです。海外WEBサイトで無料で拾えるTriangularMA.mq4やtma centered.mq4などは、全てこの計算式です。
target-bands-indicator.mq4とTMAインジケーターを重ねてみた
以下のチャート図(MQ4)は、三角移動平均線のインジケーター(tma centered.mq4)を、期間55で描写したものです。
そして以下のチャート図(MQ4)は、target-bands-indicator.mq4の期間55(デフォルト値)で描写したものです。
重ねてみると…
センターラインとピッタリ一致しますね。
今回はtarget-bands-indicator.mq4のベースとなるTMA(三角移動平均線)について解説をしました。まあめったに使うことのない移動平均線ですので、知識として知っておくくらいで十分だと思います。
また、中央値に加重をするTMA(三角移動平均線)については、どうも出処がよくわからないため割愛します。改めて時間のあるときに調べて記事にするかもしれませんが。
追伸:TMA(三角移動平均線)の計算式を詳しく調べて記事(↓)にしました。