ボリンジャーバンドにRSIを組み合わせた手法ってどうかな?
ボリバンとRSIの組み合わせは非常に理にかなっておるぞ!
なぜならボリバンは遅行指標であり、RSIは先行指標だからじゃ。
遅行指標と先行指標の組みわせはダマシを減少する効果があるのじゃよ。
ボリンジャーバンド|RSI手法|概略
ボリンジャーバンドとRSIの組み合わせは海外FXサイトでも多く見かけます。本記事ではボリンジャーバンドとRSIの組み合わせの中から最も人気のある海外FXストラテジー(戦略)を紹介します。
ソース元はこちら。
The Bollinger Bands and Relative Strength Index (RSI) Strategy
ボリンジャーバンド|RSI手法|考え方
先行指標と遅行指標
ボリンジャーバンドとRSIの組み合わせは非常にパワフルです。その理由は先行指標であるRSIと遅行指標であるボリンジャーバンドの組み合わせだからです。
先行指標
先行指標は、将来の値動きにに対して先行して動くよう設計されたテクニカル指標です。トレンド転換が発生する際に、実際のそれよりも早めにシグナルを発する点が特徴的です。先行指標の代表的なものはRSIやストキャスティクスなどのオシレーター系です。
遅行指標
一方、遅行指標はレートの動きに追随するように変化するテクニカル指標です。何かが発生した後にしかシグナルを発しないため先行指標に比べて正確ですが、往々にして乗り遅れが生じてしまいます。トレンド系テクニカル指標の多くが遅行指標です。
ボリンジャーバンド(遅行指標)とRSI(先行指標)を組み合わせたハイブリッド戦略
遅行指標だけではどうしてもタイミングに遅れてしまいます。一方で先行指標のみではダマシに遭いやすくなります。先行指標と遅行指標をバランス良く組み合わせたハイブリッド戦略によって、仕掛けや手仕舞いの最適なタイミングを抽出することを可能にします。
今回取り上げる『The Bollinger Bands and Relative Strength Index (RSI) Strategy』は、先行指標であるRSIと遅行指標であるボリンジャーバンドを組み合わせることで最適な仕掛けタイミングを導き出すFX手法です。
ボリンジャーバンド|RSI手法|設定
『The Bollinger Bands and Relative Strength Index (RSI) Strategy』で使用するテクニカルの各パラメーターは以下の通り。
MT4パラメーター設定値
- ボリンジャーバンド:期間20、偏差2
- RSI:期間14、レベルライン70と30
各テクニカル指標をMT4に設定したチャートがこちら。
ボリンジャーバンド|RSI手法|ルール
『The Bollinger Bands and Relative Strength Index (RSI) Strategy』の基本となるトレードルールを解説します。
まずは買いのケースから。
ボリンジャーバンド|RSI手法|買いENTRY
- ボリバン下側バンド(−2シグマ)付近にレートがあること
- RSIが30%未満であること
上の2つの条件を満たしたら「買いENTRY」します。
次に売りのケース。
ボリンジャーバンド|RSI手法|売りENTRY
- ボリバン上限バンド(+2シグマ)付近にレートがあること
- RSIが70%超えであること
上の2つの条件をすべて満たしたら「売りENTRY」で仕掛けていきます。
ここまではよく見かけるボリンジャーバンド|RSI手法ですよね。
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ボリンジャーバンド|RSI手法|2つのアイデア
『The Bollinger Bands and Relative Strength Index (RSI) Strategy』の凄さは、この『ボリンジャーバンド|RSI手法』に2つの優れたアイデアを取り入れることで、シグナルの精度を飛躍的に高めた点にあります。
本手法の優位性を高めるアイデアは以下の2つ。
- RSIダイバージェンス
- プライスアクション(酒田五法)
RSIダイバージェンス
シグナルをフィルタリングするためにRSIダイバージェンスを確認します。
ダイバージェンス(divergence)はレートとテクニカルの「逆行現象」でありトレンドの行き詰まり・相場の反転を示唆するものとして知られていますね。
本手法では、RSIが切り下げているのにレートは高値を更新しているケース、あるいはRSIが切り上げているのにレートが安値を更新しているケースのみをシグナルとして採用します。
ソース元から画像を拝借します。
上のケースでは、RSIが切り下がっているのに、高値を更新していますね。この場合、レートは下落する可能性が高いとされています。
上のケースでは、RSIは段階的に切り上げているにも関わらず、レートは下落し安値を更新しています。これは買いシグナルのダイバージェンスとして知られています。
プライスアクション(酒田五法)
次に酒田五法に代表されるローソク足のプライスアクションをチェックします。こちらもソース元から画像を拝借します。
プライスアクション(酒田五法)は、単体〜複数のローソク足パターンによって相場転換を予測するテクニック。パターン形状によって強気(買いシグナル)、弱気(売りシグナル)などを判断します。
RSIダイバージェンスとプライスアクションをフィルターとして加える
RSIダイバージェンス、そしてプライスアクション(酒田五法)を、先の『ボリンジャーバンド|RSI手法』の取引ルールに加えると…
ボリンジャーバンド|RSI手法|買いENTRY
- ボリバン下側バンド(−2シグマ)付近にレートがあること
- RSIが30%未満であること
- ダイバージェンスが出現していること(RSI切り上げ&レート安値更新)
- ローソク足が強気のパターンを示していること
ボリンジャーバンド|RSI手法|売りENTRY
- ボリバン上限バンド(+2シグマ)付近にレートがあること
- RSIが70%超えであること
- ダイバージェンスが出現していること(RSI切り下げ&レート高値更新)
- ローソク足が弱気のパターンを示していること
MT4チャートで上のルールに基づいたトレードポイントを抽出してみます。まずは買いENTRYから。
ボリンジャーバンド|RSI手法|買いENTRY|その1
- ボリバン下側バンド(−2シグマ)付近にレートがあること
- RSIが30%未満であること
上の2つの「買い条件」クリアに加え、
- ダイバージェンスが出現していること(RSI切り上げ&レート安値更新)
レート(安値)が安値更新しているのにRSIは切り上がっています。RSIダイバージェンスが発生していますね。
さらに下限バンドタッチしたローソク足と次足が「はらみ足」を形成していることもわかります。つまり…
- ローソク足が強気のパターンを示していること
結果的に以下の4条件をすべて満たすことになりますね。強い買いシグナルです。
ボリンジャーバンド|RSI手法|買いENTRY
- ボリバン下側バンド(−2シグマ)付近にレートがあること
- RSIが30%未満であること
- ダイバージェンスが出現していること(RSI切り上げ&レート安値更新)
- ローソク足が強気のパターンを示していること
もう1つのパターンをチェックしてみましょう。
ボリンジャーバンド|RSI手法|買いENTRY|その2
このMT4チャートも「−2σバンド」+「RSI 30%未満」に加え、「RSIダイバージェンス」と「はらみ足」を形成しているので、非常に強い買いシグナルじゃ。
ボリンジャーバンド|RSI手法|買いENTRY|その3
RSIダイバージェンスはやや弱いが、同時線(十字線)に近いローソク足が連続で出現しており反転を示唆しているぞ。
結果的に買いENTRYで大きな利益を確保できそうじゃ。
ボリンジャーバンド|RSI手法|売りENTRY|その1
レートが高値更新しているが、RSIは切り下げているダイバージェンスが発生しているぞ。
転換を示す強いシグナルじゃよ。
RSIは70%超えており、レートも+2σにタッチしているから「売りENTRY」チャンスじゃ。
ボリンジャーバンド|RSI手法|売りENTRY|その2
上のチャート図はRSIダイバージェンスが顕著に現れているぞ。
プライスアクションは微妙じゃが、+2σバンドへのタッチとRSI 70%超えもクリアしているから「売りENTRY」チャンスじゃよ。
ボリンジャーバンド|RSI手法|売りENTRY|その3
上のMT4チャート図もRSIダイバージェンスが強く出現しているぞ。
またローソク足も陰線の「コマ足」となっているので、「売りENTRY」で仕掛ける。
ボリンジャーバンドの+2σバンドへのタッチ、RSI 70%超えもクリアしているから強いシグナルじゃよ。
ボリンジャーバンドとRSIだけでもある程度の勝率は可能です。なぜならもともとバンドからの反発を狙った逆張り手法だからです。さらにENTRY精度を高めるべくダイバージェンスとプライスアクションを加えているのですね。フィルターを増やすことでトレードチャンスは厳選されて減りますが、そのぶんだけ勝率は高くなる傾向にあります。
ボリンジャーバンド|RSI手法|まとめ
『The Bollinger Bands and Relative Strength Index (RSI) Strategy』をまとめると次の通りです。
ボリンジャーバンド|RSI手法|まとめ
非常に良く練られたストラテジーであり、極めてロジカルな戦略です。
実際のところ、ボリンジャーバンドの±2σタッチからの逆張りは想像以上にリスクが高いですよね。バンドタッチからそのままレートがぐんぐん伸びる(トレンド発生する)ことがあるからです。
またRSIも70%超えたから(あるいは30%を切ったから)といって必ず相場転換するわけでもなく、そのままトレンド継続となるケースが多々あります。
本ストラテジーは、ボリバンとRSIで相場転換をダブルチェックしつつ、ダイバージェンスと強気・弱気のプライスアクション(=酒田五法)によってシグナルをフィルタリングし、より精度の高いシグナルのみを抽出する工夫がなされています。実際にやってみるとまずまずの勝率を得ることができます。
先行指標+遅行指標にトレンド転換を示唆するシグナルを加えることでENTRY精度を極限まで高めるストラテジーです。
トレンド系(遅行指標)+オシレーター系(先行指標)を組み合わせつつ、ダイバージェンスとプライスアクションを加えて精度の高いシグナルのみを抽出するアイデアは非常に参考になるぞ。
この手法は、他のテクニカルでも応用ができるぞ。