『平均足』ってなんだ?
今回、テクニカル解説で取り上げるのは『平均足』。コマ足と呼ぶ人もいますね。
みんな、なんとなく知ってるけど、いまいち使いみちがよくわからない…そんな『平均足』をピックアップします。
MetaTrader4チャートに表示させるとこんな感じです。
チャートはUSD/JPY(ドル円)の30分足です。ローソク足チャートに似ていますよね。
トレンド時の”ノイズ排除”こそが『平均足』の最大の特徴だ
一般的なローソク足チャートと平均足チャートを比較してみましょう。まずはローソク足チャート(USD/JPY30分足)。
次に、平均足チャートがこちら(↓)。
両者を比較すると、平均足チャートのほうが、同じ色の足(陽線や陰線)が連続していることがわかります。平均足においては、上昇トレンド時は青色の足が連続し、下落トレンド時は赤色の足が連続して表示されています。
平均足は、トレンドが発生した時の細かなノイズを(平均化によって)排除しているんですね。
トレンド時のノイズ排除こそが、『平均足』の最大の特徴です。
ノイズの排除によって、相場全体の動向を捉えやすくなり、大局を判断しやすくなるわけですね。
『平均足』は海外でも大人気!
実はこの『平均足』、海外トレーダーの間では非常に人気があります。
海外では『Heikin-Ashi』or『Heiken-Ashi』という名称で親しまれています。日本語がそのまま使われていることから分かる通り、平均足の発祥は日本です。
世界最大のFXフォーラムサイト『FOREX FACTORY』でも、『Heikin-Ashi』のスレッドはいつも大量の書き込みがおこなわれています。
海外では、Heikin-AshiではなくHeiken-Ashi…の方の呼び名が馴染みがあるようですね。
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『平均足』の計算式を解説するよ!
平均足のイメージはなんとなくわかったけど、具体的にどうやって計算してるの?という疑問にお答えします。
通常、ローソク足は4つのデータ(値)によって表示されますよね。つまり以下の通り。
- 当日の始値
- 当日の高値
- 当日の安値
- 当日の終値
平均足も4つのデータ(値)によって表示されるのですが、使用する値がローソク足とは異なります。
まずは1本目(ベース足)の平均足の計算式は次の通り。
- 始値…1本前のローソク足の(始値+高値+安値+終値)÷4
- 高値…ローソク足の高値
- 安値…ローソク足の安値
- 終値…当日のローソク足(始値+高値+安値+終値)÷4
そして2本目以降〜の平均足の計算式は次の通り。
- 始値…1本前の平均足の(始値+終値)÷2
- 高値…ローソク足の高値
- 安値…ローソク足の安値
- 終値…当日のローソク足(始値+高値+安値+終値)÷4
高値と安値(ヒゲ)は、ローソク足と同じだけど…
計算式をご覧の通り、平均足の高値と安値、つまりヒゲ部分は、一般のローソク足と同じデータを使っているので、ヒゲの長さは同じです。
ヒゲは同じですが、実体部分の上下を決める値、つまり始値と終値の算出方法が大きく異なります。
- 始値…1本前の平均足の(始値+終値)÷2
- 終値…当日のローソク足(始値+高値+安値+終値)÷4
上の計算式を言い換えると次の通りです。
- 始値…1本前の平均足の「始値+終値」の平均
- 終値…当日のローソク足4本値の平均
だから、”平均”足と呼ぶのですね。
ローソク足と平均足の表示方法の違い
実際にローソク足と平均足の表示方法をわかりやすく比較してみます。まずはローソク足(陽線)。
シンプルですね。当日(当期間)の始値・高値・安値・終値をそのまま使って表示します。前日の始値や終値を使うことはありません。
次に同じローソク足を平均足で表示した場合です。
ずいぶんとイメージが違いますよね。下ヒゲがなく実体(陽線)が大きいので、上昇圧力が強そうに見えませんか?
高値と安値は変わりません(ちなみに安値は、実体に飲み込まれています)。
始値に1本前の平均足の「始値+終値」の平均値を使い、終値に当日のローソク足4本値の平均値を使って表示させています。
- 平均足始値…(100.00+100.50)÷2=100.25円
- 平均足終値…(100.50+100.90+100.30+100.70)÷4=100.60円
平均足の始値に、1本前の「始値+終値」の平均値を使う…つまり前日の値動きを当時の足に反映させているのですね。そして終値は、当時の4本値の平均値を使用します。
やっていることはローソク足の平均化(=フラット化)です。
ローソク足を平均化することで細かなノイズを排除し相場の傾向をよりよく捉えることに注力できる
平均足における「平均」の意味が、なんとなくわかってきました?
1本前の始値・終値を反映させつつローソク足(4本値)を平均化することでノイズを排除し、相場の傾向をよりよく捉えることに注力できるわけですね。
さて、次回は『平均足』をどのように活用するのか、その具体的な方法論について切り込んでいきます。お楽しみに!