非時系列チャートの第2弾『ポイント・アンド・フィギュア』
今回も”非時系列チャート”を取り上げて解説します。先日は『カギ足』でしたが、本日は『ポイント・アンド・フィギュア』(P&F)です。
『ポイント・アンド・フィギュア』を直訳すると、「点と図形(形態)」です。
『カギ足』は日本発祥のテクニカルでしたが、『ポイント・アンド・フィギュア』はアメリカ発祥のチャートシステムです。
ご覧の通り、✕と◯のみで、レート変動を描写して環境認識を行ないます。カギ足チャート同様、ちょっと見慣れないチャートですよね。
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時間概念のない『ポイント・アンド・フィギュア』
楽天FXの『ポイント・アンド・フィギュア』を見てみましょう。
上部が一般的なローソク足チャート。下部がポイント・アンド・フィギュア(Point and Figure)です。
同じ期間(2019年8月15日〜28日)を表示しても、こんなに違います。ポイント・アンド・フィギュアもカギ足と同じように、時間の要素を取り払っているからです。
『ポイント・アンド・フィギュア』描写ルール
拡大してみましょう。
◯と✕で構成されていることがわかりますね。
- 上昇…✕
- 下落…◯
上昇は✕、下落は◯で表示することが『ポイント・アンド・フィギュア(P&F)』の第一のルールです。定めた値幅を動くと✕や◯を描写していきます。
上の楽天FXのPoint and Figureでは値幅の初期設定は「10」です。つまり10pips上昇すれば✕、10pips下落すれば◯を描写します。カギ足同様に「終値」のみを利用します。10pipsに満たない逆の値動きは無視します。
その他にもルールがあります。
- 同じ列には✕と◯を混合して記入しない(◯の列、✕の列を分ける)
- トレンド転換したら右側に新列を作り✕or◯を記入する
- 上昇時は端数を切り捨て、下落時は端数を切り上げる
- ✕と◯は縦列に3つ以上記入する(=3枠転換)
上のルールの中で「4番目」が重要です。✕と◯をそれぞれ縦列に3つ以上(3枠以上)記入するルールは、「3枠転換=3ポイントリバース」と呼ばれています。
30pips以内(3枠以内)のレート変動では相場反転と認めないわけですね。30pipsを超える(3枠を超える=4枠〜)レート変動があって初めて列を右に移動して記入をします(※初期設定の値幅が10=10pipsの場合です)。右横に移動して新たに✕or◯を記入する際は、1枠目には書き込みません。これもルール。
文章での説明はなかなか難しいので、解説動画を貼っておきます。
35分48秒から『ポイント・アンド・フィギュア(P&F)』の解説がスタートします。
ポイント・アンド・フィギュアを活用したトレード手法
さて、『ポイント・アンド・フィギュア(P&F)』の構造を理解できたところで、実際にトレードする方法を解説します。
考え方は前回の『カギ足チャート』と大きく変わりません。
ダブルトップ・ダブルボトム
まずはオーソドックスなダブルトップ・ダブルボトムから。直近の高値・安値を抜けたときにENTRYします。
ダブルトップのパターンがこちら(↓)。
直近の高値(1本前の✕列)を上抜いたタイミングで買いENTRYです。
ダブルボトムのパターンがこちら(↓)。
直近の安値(1本前の◯列)を下抜いたタイミングで売りENTRYです。
トリプルトップ・トリプルボトム
ダブルトップ&ボトムのより強いシグナルとして「トリプルトップ・トリプルボトム」があります。
まずはトリプルトップ。
直近の高値(1本前の✕列)ともう1本前の高値(2本前の✕列)を上抜いたタイミングで買いENTRYです。
そしてトリプルボトム。
直近の安値(1本前の◯列)ともう1本前の安値(2本前の◯列)を下抜いたタイミングで売りENTRYです。
ラインを引いてブレイクで仕掛ける手法
その他に、ポイント・アンド・フィギュアチャートにサポレジラインやトレンドラインを引いて、そのブレイクで仕掛ける手法などがあります。
ポイント・アンド・フィギュアの優位性
『ポイント・アンド・フィギュア』も、カギ足チャートと同様に、時間の概念や細かな値動き(ノイズ)を取り去ることで、大局を捉えやすいというメリットがあります。
最初に決めた値幅(例えば10pips)を超えないと、チャート上に✕や◯は追加しません。特に「レンジ相場」でレートが動かない場合などは、ポイント・アンド・フィギュアの形状はほとんど変化しません。結果的に、トレンド(大きな値動き)のみを描き出すことができるわけですね。
FX初心者ならば、ローソク足に付き物の「ヒゲ」に惑わされる人も少なくないはず。そんなヒゲやノイズを排除することで、純粋に「大きな値動き」に集中してトレードできます。
なかなか奥の深い『ポイント・アンド・フィギュア』ですので、色々と研究してみると面白そうですね。
次回は、MetaTrader4で使える『ポイント・アンド・フィギュア』インジケーターを紹介しますね。