『チャネルライン』は、そもそも「ヒゲ」と「ローソク足実体」どっちで引くのが正解なの?
チャネルラインの概略と「引き方」について、以下の記事で解説しました。
ところでチャネルラインを描写する際に、どこを基準にして引けばよいのか迷いますよね。
ローソク足の実体同士(高値・安値)を基準にして引くのか?それともローソク足のヒゲ(最高値・最安値)同士を基準にしてラインを結ぶのか?

結論:どっちでもいい
ヒゲか、実体か?絶対的な答えは、実はありません。
トレーダー間では、「ヒゲ同士を結ぶべき!」とか「いやいや、実体同士を結ぶのが正しい!」と意見が別れています。
ぶっちゃけた話をしますが、トレンドラインやチャネルラインに代表される斜めのラインは、実体で引こうがヒゲで引こうが、それほど大差はありません。
たとえば、以下のチャートをご覧ください。

チャートはEUR/USDの日足です。まずはヒゲ同士を結んでチャネルラインを引いてみました。ベースとなるトレンドライン(上方のライン)は、3点のヒゲ(最高値)を押さえることができていますね。そのラインに平行な線を下方に引いてみたところ、1ヶ所のヒゲ(最安値)を捉えることができています。
では次のチャートをご覧ください。

全く同じチャートをもとに、ローソク足の実体同士を結んでチャネルラインを引いてみました。同様に3点の高値を押さえてトレンドラインを引き、反対側のラインも1点の安値を押さえています。
こうして2つのチャートを比較してみても、そこまで大きく環境認識が変わるとは思えませんよね。
もう一つ例を挙げてみます。

上のチャート図はUSD/JPYの1時間足です。青いラインが「ヒゲ基準」のチャネルラインです。一方の赤いラインが「実体基準」のチャネルラインです。

上のチャート図はEUR/USDの5分足チャートです。同様に青いラインが「ヒゲ基準」で赤いラインが「実体基準」のチャネルラインです。
ご覧通り、どちらも違いはそれほど大きくありません。チャネルラインによる環境認識を行うならば、「ヒゲ基準」と「実体基準」のラインの違いは、誤差の範囲内といえます。
なんのためにチャネルラインを引くのか?を考える
そもそも、なんのためにチャネルラインを引くのかを考えたときに、「ヒゲ基準」とか「実体基準」というのは些細な違いにすぎないことが理解できるはずです。
ラインを引く最大の理由は、相場の複雑で不規則な波(ノイズ)の中から一定の規則性(パターン)を見出すことにあります。つまり、第一に環境認識のためににチャネルラインを描写するわけです。
どれくらいのボラティリティの幅で、どの方向に推移しているのか?その際にライン(下値支持線・上値抵抗線等)は意識されているのか?等など。
それらのデータ収集において、「ヒゲ基準」「実体基準」のどちらが正しいかなど、もはやどうでも良いといえるレベルです。
ヒゲや実体に拘らず、意識されていそうなポイントを見つけ出して、それらを基準にラインを引くことのほうがよっぽど重要です。
日足や週足などの長期足ならば「ヒゲ」も重要な要素となりますが、短い時間足でラインを引く場合は「ヒゲ」は無視してOKです。なぜなら短期足でのヒゲは完全にノイズだからです。
あれこれ考えずにまずはサクッと引いてみよう!
いざラインを引こうとすると、すべてのポイント(実体やヒゲ)がラインに当たっていないとか、一部のポイントがラインからはみ出てしまうとか、色々と気になってしまうことがありますよね。
しかし、ラインを引く場合に、些末なことにこだわりすぎのもよくありません。ヒゲ同士を結ばなくてはいけない!とか、はみ出さないようにラインを引く!など細かなルールに縛られすぎてしまうと、そもそもラインが引けなくなってしまいます。
ある程度、ポイント(高値や安値)を”ざっくりと”押さえることができれば、そこを基準にサクッと引くのが良いです。
最初から機能するラインを引けるほど相場は甘くありません。試行錯誤しながらラインを何本も引きつつ、徐々に良いラインが引けるようになるはずです。
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