ストキャスティクスのパラメーター(=設定値)、最適解は?
前回の記事ファストストキャスティクスとスローストキャスティクスの違い、説明できる?にて、MT4のストキャスティクスのパラメーター設定方法で、ファストとスローを表示させることができると解説しました。当然、ファストとスロー、それぞれのストキャスティクスでパラメーター設定値は異なります。
今回は、ストキャスティクスにおけるパラメーターの最適解について考察します。ストキャスティクスのパラメーター設定で重要な項目は以下の3つ。
- %K(の期間)
- %D(の期間)
- %SD=スローイング(の期間)
ちなみにMT4のデフォルト設定値は次のとおりでしたね。
これは、前回説明したとおり、スロー・ストキャスティクスを表示させる際の設定方法(=スローイングを1以外に設定)でしたね。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
ストキャスのパラメーター(設定値)をいくつに設定するべきか?
ファスト・ストキャスティクスとスローストキャスティクス、まずはどちらを使うか?ですよね。
オシレーター系テクニカルとして使う場合は、ファストストキャスティクスは感度が高すぎて使いにくいとされていて、一般的にはスローストキャスティクスを使うトレーダーが多い傾向にあります。
ここではスロー・ストキャスティクスに絞ってパラメーターの最適解を考察していきます。よく見かけるのは次の3パターンです。
パターンA
- %K…5
- %D…3
- %SD…3
パターンB
- %K…9
- %D…3
- %SD…3
パターンC
- %K…14
- %D…3
- %SD…3
中には次のように「%K」の期間をもっと長くしたパラメーター設定もあります。
- %K…21
- %D…3
- %SD…3
ただご覧いただいてわかるとおり、スロー・ストキャスティクスの場合は、「%D」と「%SD」の期間を同一にするケースが一般的です。そしてその期間は「3」であることが多いのですね。
つまり、%Kを期間3で平滑化(=%D)すると同時に、その%Dを期間3で移動平均化(=%SD)しているわけですね。一方、%Kの期間は「5」「9」「14」「21」と長くなるにつれて感度が下がります。
上のチャート図(MT4)では、一番上が「%K=5」であり、一番下が「%K=21」です。下にいくにつれ、グラフが緩やかになっていることがわかりますね。
とりあえずストキャスティクスのパラメーター設定は初期値(5,3,3)で良い
結論から言えば、ストキャスティクスのパラメーター設定値は、MT4の初期値である「5,3,3」で問題ありません(とりあえず)。
- %K…5
- %D…3
- %SD…3
身も蓋もない話ですが、大抵の場合において、最適なパラメーター設定は初期値設定です。なぜなら多くのトレーダーがこの初期値でストキャスを使用しているから。
特にあなたがFX初心者トレーダーならば、なおさら初期値での使用をおすすめします。あなたがパラメーターの最適解を求めるために時間を使うのは、ほとんど無意味です。
パラメーター設定を最適化するために多くの時間を費やすよりも、ストキャスそのものが価格変動にどのように反応するかを見極めるために時間を費やしたほうがはるかに有意義です。
もしもあなたが中級者以上のトレーダーならば、より長期の期間でストキャスを活用してみたいと思うでしょう。ただそのケースでも、最適解を探す旅は、無駄というか無意味です。せいぜい、%Kを「5」、もしくは「9」「14」の3つの選択肢から選ぶくらいで十分。「5」なのか、それとも「9」「14」を選択するべきか、このあたりはご自身のトレードスタイルに応じて使い勝手の良いパラメーターを選択すれば良いでしょう。
なぜなら、あなたがストキャスの聖杯(最適解)を探す必要はないのだから。多くのトレーダーが使っている値こそが最適解であるという現実を、理解するべきですね。