【FX】RCIを3本重ねたらなにがわかる?【使い方】
RCI(Rank Correlation Index=順位相関指数)を複数本重ねて表示させているトレーダーを、ときどき見かけませんか?
なぜ同じツール(RCI)をいくつも重ねて使うのでしょうか?気になりますよね。
実は、期間の異なるオシレーター系テクニカル指標を複数本重ねて表示させるテクニックは、FX手法としてよく知られています。
たとえば、ストキャスティクスを19本も重ねた「Spuds Stochastic Thread Theory」や、CCIを2本重ねたWoodies CCI(ウッディーズCCI )などは、有名ですよね。
今回は、期間の異なるRCIを3本重ね合わせた手法について考察していきます。本記事では、RCIを3本表示させることの意味合いやその優位性について解説します。
海外では「RCI 3 Lines」「 3 Lines RCI」として知られている
海外FXでもメジャーな手法の一つで、英語圏のGoogleで「RCI 3 Lines」「 3 Lines RCI」と検索すれば、多くの検証記事がヒットします。
例えばこれ。
3本のRCIが表示されています。それぞれの期間は次の通り。
- 期間9
- 期間26
- 期間52
以下のチャート画像もtradingview.comからの出典です。
RCIの期間は次の通り。
- 期間9
- 期間35
- 期間52
以下のチャート図もtradingview.comから拝借しています。
以下のチャート図ではRCIを4本重ねて表示させていますね。
4本のRCIの期間は以下の通り。
- 期間9
- 期間13
- 期間18
- 期間26
「RCI 3 Lines」「 3 Lines RCI」で検索すればもっとたくさんヒットします。
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短期・中期・長期の「RCI」を3本重ねることでなにがわかる?
上に挙げた通りRCIの設定期間は様々ですが、基本的には「短期」「中期」「長期」の組み合わせです。
さて、RCIを複数本重ねることで、いったいなにがわかるのでしょうか?
そもそもRCIとは、時間順位と価格順位(Rank)の相関性(Correlation)を算出した指数(Index)であり、上昇圧力(勢い)の強弱を判定するためのテクニカル指標でしたね。
そして他のオシレーター系同様に、一方的なトレンド発生時には天底に張り付いてしまうという特性(≒デメリット)を持っています。
RCIは買われすぎ・売られすぎの指標ではない
価格(レート)が上昇を続ければ、RCIは+100(天井)に張り付き続けるということですね。一方、価格(レート)が下落を続ければ、RCIは−100(底)に張り付き続けることになります。
仮に上昇相場で、上昇幅(変動率)がそれほど大きくなくても、前日よりも少しでも価格が上がっていればRCIは天井に張り付き続けるのです。
また、上昇中に1日だけレートが下落しても、RCIの値はそれほど大きな影響を受けません。
実は、期間の異なるRCIを複数本重ねて表示させることで、期間ごとのトレンドの変化を視覚的に捉えて大局的な相場判断に役立てることが可能になります。
例えば、短期のRCIは、短期的に上昇を続ける相場に置いては天井に張り付きますが、わずかな上昇率の変化に過敏に反応して瞬時に下落します。
ところが同じタイミングで中期のRCIはより時間の長いスパンでの上昇幅(変動率)に反応するため、中期的に上昇幅が減少しない限り、比較的天井に近いポジションに位置します。
さらに長期のRCIはもっと長いスパンでの相場変動に反応するので、短期的には下落相場だったとしても長期的に上昇傾向にあれば(上昇幅がそれほどマイナスではなければ)、右肩下がりに反応することはありません。
ノイズに惑わされるリスクを排除し、大局的な相場の動きを捉えることを可能にする
以下のMT4チャートをご覧ください。USD/JPY(ドル円)の30分足です。
3本のRCIが表示されています。短期(9)、中期(26)、長期(52)です。
赤線の短期RCI(期間9)は、ローソク足の僅かな動きに過敏に反応していることがわかりますね。
一方、青線の中期RCI(期間26)は、ややゆったりとした動きになっています。
そして緑色の長期RCI(期間52)はさらになめらかな曲線になっていて短期ノイズが排除されていることがわかりますね。
3本のRCIがいずれも上昇傾向にあるときは、強いトレンドが発生していると判断でき、逆に3本のRCIが下落傾向(右肩下がり)にあるときは、上昇圧力が非常に弱まっている=下落トレンドが発生していると判断できます。
このように3本の期間の異なるRCIを重ねて表示させることで、ノイズに惑わされるリスクを排除し、大局的な相場の動きを捉えることを可能にするのです。