『グランビルの法則』なんてものは、そもそも存在しない…
- 『グランビルの法則』の認識度は海外ではほぼゼロ…
- 『グランビルの法則』なんてものは、そもそも存在しない…
- Joseph E.Granville(グランビル)本人が、『法則』などと解説したことは一度もない…
- 『グランビルの法則』がFX初心者向け教本に載っているのは日本だけ…
日本国内でのみ『グランビルの法則』がありがたがられている歪な現象についてマジか!グランビルの法則、そんなもの最初から存在しなかった…で述べたことろ、少なからず反響をいただきました。
実際のところ『グランビルの法則』をトレードに取り入れているユーザーがどれほど存在するのでしょうか?あなたは使っていますか?2番とか4番とか、意識していますか?
身も蓋もない話ですが、『グランビルの法則』は、単なる押し目買いや戻り売り、乖離トレードに過ぎません。そんなものははるか昔から存在しています。
”グランビルの法則はマジ使えない、クソだ!”
さて、グランビルの法則にネガティブな反応を持つトレーダーも少なくありません。現に、”グランビルの法則”と検索すると、関連キーワードに”使えない”と表示されます。
”グランビルの法則 使えない”と検索するユーザーが一定数存在することを示していて興味深いですね。
で、『グランビルの法則』は使えないのでしょうか?
先に述べたように『グランビルの法則』は、押し目買いや戻り売り、乖離&収束トレードにすぎませんので、よくある手法の一つではあります。それらの基本手法に、(200日)移動平均線を加えて仕掛けの目安としたものが『グランビルの法則』。
(200日)移動平均線を中心に、レートが上抜け・下抜け、乖離・収束を繰り返す中で、ENTRYポイントをあぶり出します。
平均に戻るって言うけどさ、いつだよ?!
『グランビルの法則』が使えないと主張する人々の意見は次の通り。
移動平均線はその名の通り、レート(終値)の「平均」です。レートが平均に戻る(回帰する)のは当たり前といえばそうなのですが、結局、いつ戻るのか?が重要なわけです。
いつかは戻るでしょう。いつかは抜けるでしょう。じゃあ、それがいつなのか?残念ながら、誰にも予測できません。今戻るのか、それとももっと先で戻るのか?あるいは、戻らずに乖離していくのか?
平均に戻るタイミングがわからなければ、『グランビルの法則』など意味をなしません。なぜなら『グランビルの法則』は移動平均線への乖離&収束(上抜け・下抜け)が基本となるからです。
語弊を恐れずに言えば、『グランビルの法則』は法則と呼ぶには程遠い不完全な概念(ロジック)なのです。
上の図を見れば、いかにも『グランビルの法則』の各法則(全部で8個)が機能するように見えますよね。
しかしながら移動平均線への収束(=平均値への回帰)はいつ発生するかは予測不可能です。
結局、これ(↑)です。
「いつかは平均に戻る」は、「いつかは反転する」と同義です。そこにロジカルさは1ミリも存在しません。
いかにも役に立ちそうな『グランビルの法則』ですが、その実、なにも語っていない…ということなのです。
提唱者のJoseph E.Granville(グランビル)本人も、「法則」などと一言も述べていません。
- The 200-Day Moving Average Price Line Analysis
- 200日移動平均線を活用した価格ライン分析(日本語訳)
あくまでも「ライン分析」であり、「法則」ではないのですね。
誰かが勝手に「法則」と誤訳するから、勘違いするFX初心者を生み出してしまうのですね。
反論がある人は、まず原書『Granville’s New Strategy of Daily Stock Market Timing for Maximum Profit』を読んでほしい…
「グランビルの法則は使えない」と主張する人々の意見をまとめました。概ね同意できますね。
それでも「いやいや、グランビルの法則、使えるよ!」と反論を唱える人は、まずは提唱者のJoseph E.Granville(グランビル)が著した『Granville’s New Strategy of Daily Stock Market Timing for Maximum Profit』を読んでみてはどうでしょうか?
グランビルの法則に関する記述は全体のわずか数ページしかありません。それもサラッと述べてるだけ。拍子抜けするほどです。