- 人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない
- 学術的結論から述べれば、テクニカル分析は「オカルト」の類である
- ”人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない”
- 通貨強弱ツールは嘘をつく。きっとキミは天才だと。
- レートを予測することは馬鹿げた行為
- じゃあどうすればいいのさ!(怒)
- 市場がランダムウォーク(不確実性)ならば”勝機”はゼロか?
- 正の不確実性=市場の歪み
- 多くの人はお金がどこに居たのかを議論するが、私はお金がどこに行くかの方に興味がある(バフェット)
- すでに起こった未来をさがせ
- 投機における優位性とは”無能な連中”を探し当てることにある
- 市場はランダムウォークであることを認めつつ、わずかな歪みに勝機を見出す
人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない
連日、通貨強弱ツールの記事をアップしていますが、通貨強弱ツールを盲目的に信頼しているわけではありません。
今回は、通貨強弱ツールを使う際の注意点というか、盲点についてお話します。…テクニカル全般に言えるお話ですけどね。
当たり前ですが、通貨強弱ツールも結局はテクニカル指標の一つであり、過去の4本値から導き出された”過去データ”に過ぎません。
以前、人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎないで、次の通り解説しました。
学術的結論から述べれば、テクニカル分析は「オカルト」の類である
こんなことを言っては身もふたもないのですが、学術的結論から言えば、テクニカル分析そのものが全く否定されている事実をまずは知っておくべきでしょうね。
テクニカル分析、つまり過去の値動き(4本値)をベースに未来の値動きを予想する分析法は、ある意味「オカルト」の類(たぐい)であるとされているわけです。
(中略)
”人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない”
要約すれば以下の通り。
- チャート分析はまやかしである
- チャートに出現するパターンの多くは幻想である
- チャートの動きを予測できた!というのは単なる後付けである
- 人間はランダムな中に法則性を発見し、ありもしないトレンドを認識してしまう
- 人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない
なかなか辛辣ですね。まさにチャーティストを完全否定するかのような主張です。
特に「人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない」は、相場の本質を捉えるうえで最も適切な表現なのではないでしょうか。
通貨強弱ツールは嘘をつく。きっとキミは天才だと。
通貨強弱ツールのような便利なツールを知ると、未来の相場変動を予測できるような万能感を得た気がします。
「なるほど、GBPが強くてJPYが弱いと…ならばGBPを買ってJPYを売れば勝機がある!よし、GBPJPYをロングだ!」みたいな…。
極めて高度な市場分析をしている感覚を得やすく、将来の相場の動きを予知できるような気持になりますよね。
しかしながら、通貨強弱ツールも結局は過去の4本値から導き出された「後付けデータ」に過ぎません。
通貨強弱ツールを眺めても強弱のパワーバランスがいつまで続くかは誰にも予測できません。
GBPが強くてJPYが弱いからといってGBPJPYをロングしても、仕掛けた直後に強弱バランスがひっくり返ることなどザラにあります。
つまり「人はランダムな中に法則性を発見して、ありもしないトレンドを認識し」、「テクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない」のです。
レートを予測することは馬鹿げた行為
相場の動きの大半がランダムならば、予測は不可能です。予測すること自体がナンセンスです。
ランダムだから当たらない。当然ですね。サイコロを振って偶数がでるか奇数がでるかを予測するようなものです。当たることもあれば外れることもある。相場が上か下かの2択ならば、どちらに振れるかは大数の法則によって50%(2分の1)に限りなく近づきます。
そもそも当たったかどうかなんて、切り取る時間によっても変わってきますよね。短期的には当たったとしても長期的に見たときには外れている…なんてことは日常茶飯事です。
通貨強弱ツールで「GBPが強い」と判断しても、それはあくまでも瞬間的な動き(あるいは過去の動き)であり、直後に逆転することはよくありますよね。
テクニカルを使っていると、予測することが当たり前になってしまいます。なんとなく万能感が得られるんですよね。
何度も述べますが、相場の大半がランダムウォークならば、予測すること自体がナンセンスです。
下手に予測して自分の思考にバイアスをかけてしまうことの方がよっぽど問題。フラットな意識で相場を見れなくなってしまうから。
じゃあどうすればいいのさ!(怒)
テクニカル分析を全否定してしまうと、トレードの拠り所がなくなってしまうように思いますよね。
じゃあ、なにを基準にトレードすればいいの?…お手上げ状態です。
答えがあるとすれば、市場にわずかに存在するリターンの源泉を見つけ出すことに意識を向けることではないでしょうか。
市場がランダムウォーク(不確実性)ならば”勝機”はゼロか?
市場がランダムだからといって、まったく勝機がないわけではありません。100%ランダムということはなく、わずかなトレンド(ランダムではない相場=確率的な偏り)を利益に変える方法は残されています。
非ランダム性(=偏り)は人間心理から生まれるとされています。価格変動の大部分がランダムウォークであることを大前提とし、市場に非ランダム性が発生した瞬間をいかに捉えるか?わずかな偏りを捉える優位性。ここに私たち個人投資家にとっての勝機が存在します。
そのためには、相場はカオスであり「人はテクニカル分析を通して自分が見たいものを見ているにすぎない」「相場は敗者のゲームである」ことをまず認めること。ここからスタートしなければなりません。
テクニカル分析は投資家にとっての”ロマン”にすぎない…この現実から目を背けるべきではありません。現実を直視することで、市場にわずかに存在するリターンの源泉を見つけ出すことに一層集中できるはずです。
市場にわずかに存在するリターンの源泉とは、市場の歪みでもあります。
正の不確実性=市場の歪み
このブログで何度も述べていますが、FX相場は100%ランダムであるとは考えていません。ランダムならば毎年のように利益を積み上げている投資家の存在を否定することになります。
FX相場で生き残るには2つの道程があると考えています。一つはランダムな中のわずかな歪みを見つけて瞬時に抜き去るスキャルピングです。
相場の大半はランダムであり予測不能です。ところが、わずかではありますが「歪み」が瞬間的に出現するケースがあります。その「歪み」を誰よりも早く見つけて抜き去る…いわゆる高速スキャルピングですね。非常に高度な技術と、瞬発力が要求される手法であり、シューティングゲームに近い感覚があります。常に緊張感を強いられるため、高いストレス耐性が求められます。
この瞬間的な歪みこそが「エッジ=優位性」であり、投稿者が言うところの「正の不確実性」であると考えています。
ウォーレン・バフェットも似たようなことを語っています。
多くの人はお金がどこに居たのかを議論するが、私はお金がどこに行くかの方に興味がある(バフェット)
「俺には相場の未来がわかる!(キリッ)」っていうイキっているトレーダーがいたりしますが、投資の天才と呼ばれる「バフェット」ですら”未来は予想できない”と断言しているのです。
未来はわからないけど、次のように語ります。
- 多くの人はお金がどこに居たのかを議論するが、私はお金がどこに行くかの方に興味がある
すべてのテクニカル分析を否定するかのような内容ですが、とても示唆に富んだ言葉ですよね。
すでに起こった未来をさがせ
未来が予測できない、と悲観する必要はありません。バフェットの言葉に耳を傾けましょう。
すでに起こった未来をさがせ
そうです、すでに起こった未来を探せばよいのです。
「えっ?すでに起こった未来って?どういうこと?」
すでに起こった未来とはなにか?それこそが「市場の歪み」であるとバフェットは語ります。つまり、市場の歪みを探して、そこに勝機を見い出せ!と述べているのです。
株式投資でいえば、市場の歪みとは「現在の企業価値と市場価格とのかい離(歪み)」であったり「将来の企業価値と現在の市場価値とのかい離(歪み)」だったりするわけですね。
資本主事市場では、市場の歪みは必ず是正されるわけですから、この歪みをいち早く見つけ、そこに投資すれば大金を稼げる可能性が飛躍的に高まります。
なにもバフェットだけが提唱している話ではありません。あのジョージ・ソロスも「市場の間違いこそがチャンスである」と語っています。
もう一つ勝機があるとすれば、これ(↓)。
投機における優位性とは”無能な連中”を探し当てることにある
”投機における「エッジ(優位性)」とは無能な人を見つけ、利用する能力である”
さて本題です。先に挙げたビジネスにおける優位性とは、「マーケット上のわずかな”歪み”をいち早く見つけ、歪みが是正される前に活用するスキルのこと」でしたね。
このことは、FXに代表される投資(=投機)においても同じです。
より辛辣に言い換えるならば、投機におけるエッジ(優位性)とは、マーケット上の無能な人々を見つけて利用する能力であるといえます。なんだか身もふたもないですね。
未熟な投資家連中をわずかでも上回ることができればそこに勝機を見出せる
エッジ(優位性)を探し求めること、それはマーケット上の無能な人々を探し求めることと同義です。無能な人々を肥やしにして、彼らをわずかでも上回ることができれば、そこに勝機を見出すことができます。それこそが優位性なのですね。
我々はマーケットと勝負しているのではなく、生身の人を相手にしているということ。人対人の勝負です。
マーケットは常に合理的な価格形成をおこなっているわけではありません。需給のアンバランスによって、必ず歪みを生じさせます。多くの未熟なトレーダーそのわずかな「歪み」に気付きません。だからそこに勝機が生まれます。
ほんのわずかな「歪み」にいち早く気付き、利用することで勝機を見出すことができます。そのときに肥やしになるのは大抵未熟な投資家連中なのですね。
未熟さ故に、わずかな「歪み」に気が付かない。ある意味、大量の「未熟な投資家連中」がポジションを取りたがる場所にこそ、「歪み」が生じやすいとも言えるかもしれません。
つまり、投機における優位性は、無能な連中を探し当てることにあるといっても過言ではありません。
つまり、未熟な個人投資家の動きを逆手に取る方法です。それをリアルに実践しているのが機関投資家やファンド、一部の優れたトレーダー達です。
彼らは、市場の多勢を占める個人投資家のポジションを刈り取ることで、莫大な利益を得ています。
市場はランダムウォークであることを認めつつ、わずかな歪みに勝機を見出す
まずは、相場を予測することを止める。
そして、市場はランダムウォークであることを認めつつ、わずかな歪みに勝機を見出すことに注力する。
そのために通貨強弱ツールなどに代表されるテクニカル指標を活用する。
真の正解かどうかはわかりませんが、体感的にはこれが正しいように思います。
人が介在するからにはマーケットは常に合理的な価格形成をおこなっているわけではありません。必ずわずかな「歪み」が生じるはず。歪みの多くは時間とともに是正されます。その「歪み」に誰よりも早く気がつくことができれば勝機は生まれます。
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