OANDA『オーダーブック』の使い方を詳しく解説するよ!
オーダーブック(クソポジチェッカー)解説シリーズの最終回です。
第3回の今回は、OANDAのオーダブックの使い方を解説していきます。第1回と第2回は以下のリンクからどうぞ。
オーダーブックは各証券会社が提供していますが、FX初心者ならばいまのところOANDAをおすすめします。非常に見やすいデータとしてまとめられているし、なにしろOANDAに口座を持っていなくても誰でも閲覧可能です。
【注意】オーダーブックの更新頻度はグレードによって異なる
OANDAのオーダーブックを使う際に注意点が一つあります。
口座開設者と非口座開設者では、更新頻度に差があるのです。
- 非口座開設者…30分に1回(しかも30分遅れ)
- 口座開設者…20分に1回(遅れなし)
さらに口座開設者の中でも「プレミアム版」というランクになると…
- プレミアム版…5分に1回
5分に1回の更新頻度になります。ただし、プレミアム版にアップグレードするには、毎月USD50万以上の取引が必要となります。
![OANDAオーダーブック|更新頻度の違い](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/oanda_orderbook-600x196.png)
OANDAオーダーブック|更新頻度の違い
FX初心者ならばオーダーブックをチェックするためだけに、わざわざOANDAに口座開設する必要はありません。30分に1回の更新頻度(プラス30分遅れ提示)でも十分に活用できるからです。
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【FX初心者向け】OANDA『オーダーブック』の使い方
オーダーブックは情報量が多いため、様々な活用方法があります。非常に奥が深いんですね。今回は、その中でもFX初心者向けの活用方法に絞って解説していきます。
最低限、これくらいは読み取って投資戦略に活かそうよ…という内容にしています。
では、さっそくOANDAのオーダーブックにアクセスしてみましょう。以下のリンクから無料で閲覧できます。
解説のためのオーダーブックは、すべてUSD/JPY(ドル円)を使用します。
![OANDA|オーダーブック|USD/JPY](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/orderbook04-600x426.jpg)
OANDA|オーダーブック|USD/JPY
各通貨ペアごとに、オープンオーダーとオープンポジションの2つのグラフで構成されています。
これらの見方はOANDA『オーダーブック』の見方を詳しく解説するよ!で詳しく解説していますので、そちらをお読みください。
まずは右側のグラフ「オープンポジション」を観察しましょう。
![オープンポジションを活用した投資戦略](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openposition01-600x417.png)
オープンポジションを活用した投資戦略
「オープンポジション」は過去の売買(ポジション)状態をグラフ化したものでしたね。
![オープンポジションを活用した投資戦略](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openposition02.png)
オープンポジションを活用した投資戦略
棒グラフが2色で色分けされていますが、意味は以下の通り。
- オレンジ色の棒グラフ…含み益のポジション分布
- 青色の棒グラフ…含み損のポジション分布(=クソポジ)
棒グラフの長さは、その価格帯でのポジション数の大きさです。
さて、上の「オープンポジション」グラフを見るといくつかのことがわかります。
- 109円から110円にかけてオレンジ色の棒グラフが大量に集積している
- 109円60銭以下では青色の棒グラフがのボリュームが大きい
109円より上でショートポジションが大量に集積している理由を考える
109円50銭〜110円20銭にかけてのゾーンでは、青色の棒グラフよりも、オレンジ色の棒グラフがのボリュームが大きいですね。ロング(買い)よりもショート(売り)にポジションが偏っていることを意味します。
![オープンポジションで偏りがわかる](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openposition04-1.png)
オープンポジションで偏りがわかる
年初(20201月17日)につけたドル円の最高値は110.289円でしたね。その価格帯を「オープンポジション」で確認してみます。現在価格109.67円から110.25円を上限としたゾーンに売り買いのポジションが建てられています。
![オープンポジションを活用した投資戦略](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openposition03-672x892.png)
オープンポジションを活用した投資戦略
110.250円ラインから下でオレンジ色の棒グラフが大量に集積しているわけは、110円という価格水準を高いと考え、そこから下がるのでは?と予想し、「売りポジション」を建てた投資家が多かったことを意味します。
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あなたが圧倒的な資金量を持つ機関投資家ならば、どう動く?
一方で、110円前後で「買いポジション=Long」を持った人々(青色の棒グラフ)は、現時点では含み損を抱えていることがわかります。
ここで含み損を抱えている個人投資家の心理を想像してみましょう。
- (これ以上価格が逆行したら損切りするしかないかな…)
- (もう少し我慢してレートが戻るのを待つべきかな…)
いずれにしても、心理的に許容できないほど含み損が増大すれば、損切りするしかないと思いますよね。
ここでちょっと頭の体操です。
もしもあなたが圧倒的な資金を自在に動かせる機関投資家ならば、どう考えますか?
109.67円〜110.25円にかけて未決済のロング(買い)ポジションが大量に積み重なっているわけですから、レートを意図的に動かして個人投資家の含み損をさらに増大させ、大量のストップロスによってひと儲けしようと画策するかもしれません。
![買いポジションで 含み損を抱える個人投資家](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openposition04-672x892.png)
買いポジションで
含み損を抱える個人投資家
上のオープンポジショングラフでは、現在価格109.67円から110.25円のゾーンに大量の含み損ポジション(青色の棒グラフ)があります。
彼ら個人投資家は、これ以上レートが下がれば持ちこたえられなくなるかもしれません。そこで潤沢な資金を持つ機関投資家やヘッジファンド連中が意図的にレートを下げて、個人投資家のストップロスを利益に変えようと戦略を立てることも考えられますね。
一方で、レートが109.50円を割ったら(ストップ刈りによって)下落が加速すると予測し、便乗して売りで仕掛ける…という投資戦略も有効かもしれません(一例です)。
”未決済の注文”からなにがわかる?
もう一つのグラフ「オープンオーダー」は、予約中でまだ未確定の注文(指値・逆指値)の偏りをグラフ化したものでしたね。
![オープンオーダー|OANDA](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openorder02-672x467.png)
オープンオーダー|OANDA
USD/JPYのオープンオーダーを詳しく見ていきましょう。
![オープンオーダー](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openorder01.png)
オープンオーダー|OANDA
110円20銭の価格帯付近に売りのオーダーが集積しています。レートが上昇し、110.20円を超えるレートまで来たら売りで仕掛けたい(戻り売り)という投資家が大量に存在することを意味しますよね。
ならば、機関投資家やファンド連中は、110.20円までレートを上げて約定させてから、さらに価格を上げようと考えるかもしれません。
逆も考えられます。109円というキリ番に買い指値が集積しています。109円まで価格が下がったら買いで入りたい(押し目買い)と考える人々がそれなりのボリュームで存在しています。
ならば、109円まで意図的に下げて約定させ、さらに価格を下げていけばストップを狩ることができそうですよね。
余談ですが、109.00円、108.50円、108.00円、111.00円などのキリ番にもオーダーが集中していることが読み取れますね。
オーダーブックを活用する際のポイントは2つ!
オーダーブックは非常に奥が深く、読みこなすには相応の経験とスキルが求められます。
最低限、覚えておいてほしいことを2つに絞ります。
[box class=”glay_box” title=”重要な2つのポイント”]
- 偏りが大きければ大きいほど、そのポジション側は狙われやすい
- 大量に集積した未決済の注文が約定すると逆行する動きがある
この2つを意識するだけでも、あなたの投資戦略が変わってくるはず。
1.偏りが大きければ大きいほど、そのポジション側は狙われやすい
非常に重要なポイント、1つ目。
ポジションの偏りが大きければ大きいほど、そのポジション側は機関投資家やヘッジファンド連中に狙われやすいということです。
なぜなら、偏りの大きな個人投資家のポジションは、逆行させることで大量のストップを生みやすいからです。機関投資家やヘッジファンド連中にとって、「個人投資家の大量のストップ」こそが最高の稼ぎ場の一つなのですね。
あなたがポジションを建てる際に、偏りの大きい側に建てる場合は、最新の注意が必要です。
2.大量に集積した未決済の注文が約定すると逆行する動きがある
もう一つ、「オープンオーダー」をチェックする際の重要ポイント。
特定の価格帯に未決済の注文が集積している場合、その注文が約定するとレートが逆行するケースがよく見られることです。
理由は1番と同じですね。機関投資家やヘッジファンド連中に狙われやすいということ。
![オープンオーダー](https://fxinspect.com/wp-content/uploads/2020/01/openorder01.png)
オープンオーダー
上のグラフでは、110.20円付近を頂点とした未決済注文(売り)の山が形成されていますね。これらの注文が刺さった場合、レートがさらに上昇してしまうことが傾向としてあります。
機関投資家やヘッジファンド連中が、さらに買いを積み増してレートを上昇させ、110.20円付近で売りで入った個人投資家のストップを狙い撃ちする可能性があります。
まとめ:オーダーブック(クソポジチェッカー)を見るときは、過度なポジションの”偏(かたよ)り”に注目する
オーダーブック(クソポジチェッカー)を活用する際は、過度なポジションの偏りに注目しつつ観察することが重要です。
最低限以下の2つのポイントに注目してみてください。
[box class=”glay_box” title=”重要な2つのポイント”]
- 偏りが大きければ大きいほど、そのポジション側は狙われやすい
- 大量に集積した未決済の注文が約定すると逆行する動きがある
いずれ慣れてくればもっと複雑な解析もできるようになるはずです。