FXの両建て手法が最強!負けない!って言われてるけど本当?
「両建て」を巡るネット論争が尽きない…
「FXの最強手法は「両建て」だ!」って聞いたことありませんか?
ネットを検索すると、「両建てなら絶対負けないから最強の必勝法だ!」みたいな記事を目にすることも多いですよね。
一方で「両建ては、経済合理性がないから無意味!」「やるだけ無駄!」というネガティブな意見も多くみられますよね。
結局、どっちが正しいの?って思ってしまいますよね。
今回は、様々な意見のあるFX「両建て手法」の具体的なやり方(戦略)、メリットやリスクについて、詳しく紐解いていきます。
「国内FX業者は”両建て”を禁止している!」は真っ赤なウソ
「両建て行為」は認められている
そもそも「両建てって業者が禁止してるんじゃないの?」と疑問を持つ人も少なくないでしょう。
ネット上では、海外FX業者を推奨して高額アフィリエイト報酬を手にしているサイトがたくさん存在します。その際に、「国内FX業者は両建て禁止だから、海外FX業者を使おう!」などと明らかなウソの情報を掲載している悪徳サイトもちらほら…。
実は、大半の国内FX業者は「両建て」を禁止していません。参考として、国内大手FX業者のFAQを紹介します。
GMOクリック証券(FXネオ)
Q:FXネオ取引で両建ては可能ですか?
A:可能です。
外為どっとコム
Q:スワップポイントが受払同額であれば、FXでも「両建て」により評価損益を固定できますか?
A:『外貨ネクストネオ』では、同一通貨ペアにつき異なる売買区分のポジションを同時に保有する、いわゆる両建て取引の可否設定を選択できます。
DMMFX
「DMM FX」は「両建て」が可能なため、決済するポジションを指定する必要があります。
YJFX!
Q:両建てはできますか。
A:はい、できます。引用:https://faq.yjfx.jp/faq/show/344?category_id=11&site_domain=default
SBI FX
Q:外国為替保証金取引(FX)で両建ては可能ですか?
A:可能です。
ヒロセ通商(LION FX)
Q:「両建て」できますか?
A:可能です。ただし初期設定では、両建ての設定は「なし」になっているので、両建てで注文したい場合はご注意ください。引用:https://hirose-fx.co.jp/category/guidance_lionfx/fx_experience/lionfx_rule/3_ryodate.html
マネーパートナーズ
Q:両建てはできますか?
A:できます。引用:https://www.moneypartners.co.jp/support/faq/partnersfx/013.html
ご覧の通り、大半のFX業者(国内)は、両建てを禁止していません。「国内業者は両建てできないから海外業者を使おう!」というウソに踊らされないようにしましょう。
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FXの「両建て戦略」って具体的にどうやるの?
ところで「両建て」ってなに?
まず「両建て」ってなに?という疑問について。
両建ては、同一通貨ペアで「買い」と「売り」のポジションを同時に保有することです。
[box class=”glay_box” title=”両建てとは?”]同一通貨ペアで「買い」「売り」のポジションを同時に保有すること
通常の取引では「買い」「売り」どちらかのポジションだけを保有しますよね。しかし両建ては逆方向のポジション(同一通貨)を同時に保有します。
同じタイミングで逆方向のポジションを保有することもあれば、時間をずらしてポジションを保有するケースもあります。
長期的なトレンドを捉えつつ短期的な戻りを狙うための「両建てテクニック」
まずは、もっともよく使われる「FX両建て戦略」を紹介します。
上昇トレンドを捉えて「買い」ENTRYでポジションを保有したとします。その後、トレンドが長期化したため「買い」ポジションは継続的に保有します。
その間に短期的なレートの戻り(下落)を狙いたいと考えたときに、「買い」ポジションを保有したまま、「売り」ポジションを建てます(売りでENTRY)。
この時点で「両建て成立」となります。
本来は、「買い」ポジションを手仕舞いしてから「売り」ポジションを持ちますが、長期的な上昇トレンドを予測しているのであれば、ビッグトレンドを狙いつつ「両建て」によって短期的な戻りからもチャンスを得られることになります。
また、長期的な「買い」ポジションに対して、短期的な「売り」ポジションを持つことで、「買いポジション」に対するリスクヘッジとしての効果も得られます。買いポジションの一時的な損失を売りポジションの利益で相殺できるからです。
中長期的にトレンドが継続する場合に有効とされる両建てテクニックです。
評価損益を固定化するための「両建てテクニック」
次に紹介する「両建て戦略」は少し特殊です。損切りの代わりに「両建て」を活用する方法です。
一般的には上昇を予測して買いポジション建てますね。その後レートが反発すれば含み損が発生し、場合によっては「損切り」をおこなって、ポジションをゼロにします。
一方「両建て戦略」では、損切りをする代わりに、逆方向のポジションを新規に建てます。
1ドル=100円の相場で検証してみましょう(説明用なのでスワップ・スプレッドは考慮しません)。
上昇を見越して、100円で買いポジションを持ちます。
その後、レートが99円になりました。このタイミングで買いポジションを保有したまま、99円で「売りポジション」を新規に建てます。つまり「両建て」です。ポジションは、
買い1(100円)…損失▲1円
売り1(99円)…損失0円
合計評価損益…▲1円
となりますね。
その後、レートがさらに下落して98円になったとします。すると…
買い1(100円)…損失▲2円
売り1(99円)…利益1円
合計評価損益…▲1円
さらに97円まで下落すると…
買い1(100円)…損失▲3円
売り1(99円)…利益2円
合計評価損益…▲1円
2つのポジションの合計評価損益は▲1円のままで固定されています。レート変動にかかわらず評価損益は▲1円のままで推移します。つまり、両建てによって損切りの必要性が消え去るわけです(評価損益が固定&保存された状態)。
売り買いの圧力差が読めない難しい相場において、評価損益を固定することこそが本テクニックの最大のメリットです。
ただし、このままではいつまでたっても▲1円のままですよね。
その後、下落基調が強まった段階で、買いポジションを手仕舞いして売りポジションを保有し続けます。結果的に買いポジションの損失は小さく、売りポジションの利益を大きくできます。
逆に、両建て後に上昇基調に転じたならば、売りポジションを手仕舞いし、買いポジションを保有し続けます。トータル利益でプラスに転じればOKです。
評価損益を固定したままトレンド発生を待つために活用される「両建て戦略」です。
先のトレンド時の両建て戦略が「攻めの戦略」ならば、こちらは「守りの戦略」と言えそうですね。
【FX】両建ての”メリット”と”リスク”
両建てのメリットは2つあります。先に解説した「両建て戦略(手法)」がそのままメリットといえます。つまり…
- 中長期的なトレンドの中の短期的な戻りをチャンスに変える
- 売り買いの圧力が拮抗する相場局面で評価損益を固定化できる
一方のデメリット(リスク)は2つあります。
- スプレッドコストが2倍になる
- スワップ金利で逆ざやが発生する
両建てリスク その1:スプレッドコストが2倍になる
FX取引では、各ポジションごとにスプレッド(売値と買値の差)が発生します。両建てはポジションを2つ以上持つので、スプレッドコストも通常取引の2倍になります。
両建てリスク その2:スワップ金利で「逆ザヤ」が発生する
スワップポイントが売り買いで異なる場合、つまり手にするスワップよりも支払うスワップが大きい場合はその差額がコストとして保有期間中ずっとのしかかります。いわゆる「逆ザヤ」です。
「両建てするくらいならポジション立て直すべき!」という否定派に物申す
両建てのデメリットに加え、そもそも「両建てするくらいならば、一度損切りしてポジションを立て直するほうが合理的だ!」という否定派の意見もあります。
つまり両建ては無意味と主張しているわけです。
私は、明確な戦略の元におこなう「両建て」は決して無意味であるとも経済合理性に欠けるとも思っていません。むしろ非常に有効な戦略と捉えています。
「両建て」は、守りの局面よりも攻めの局面において最大限に威力を発揮する戦略です。
FXは株式投資と違ってトレンドが発生しやすい金融商品です。中長期的なトレンドを捉えて利益を確保しつつ、その中の短期的な局面(逆方向)でも利益を狙っていけるのです。長期的なトレンドに乗った状態で莫大な含み益があるからこそ、逆方向の局面を積極的に狙えます。
さらに逆方向のポジションは、そのままトレンド方向のポジションのリスクヘッジにもなります。レートの戻しで含み益が減損しても、逆張り(両建て)によって損失を相殺できるわけです。
つまり、「両建て戦略」は売買の連続性を維持しつつ短期的な局面でのチャンスを狙う高度な戦略として有効なのです。
わかりやすくいえば「スイングトレードをしながら局所的に逆方向へデイトレをする」ということですね。
両建ては禁止していないけど「経済合理性に欠けるから止めたほうがいいよ」とアナウンスしているFX業者
ちなみに、FX業者は両建てを禁止していませんが、推奨もしていません。
GMOクリック証券(FXネオ)
両建取引はスワップポイントにより逆ザヤが生じること、また反対売買時にスプレッドによるコストをお客様が二重に負担すること、または決済の仕方によっては取引コストが二重にかかる場合があることにより経済合理性を欠く取引です。
当社では推奨しておりませんので、お客様ご自身の判断で、お取引してください。
外為どっとコム
両建て取引は、スプレッドコスト(売値と買値の差)が二重にかかり、スワップポイントも売建て買建ての双方で異なる場合は、逆ざやが生じる恐れがあることや、売値と買値の価格差についてもお客様が二重に負担することなどから、お客様にとって不利益となることがあります。
(中略)
条件によっては「ロスカット」の執行対象となる可能性も考えられます。損失拡大の回避目的で「両建て」をご検討のお客様におかれましては、十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。
DMMFX
経済合理性を欠くため当社では推奨しません。
YJFX!
両建て取引には、スワップポイントにより逆ざやが生じるおそれがあり、仲値を基準とするBid(お客さまの売値)およびAsk(お客さまの買値)のスプレッド(価格差)について二重に負担する等、経済合理性を欠くおそれがある取引であるため、お勧めしておりません。
引用:https://faq.yjfx.jp/faq/show/344?category_id=11&site_domain=default
SBI FX
両建て取引は、支払いのスワップポイントと受取りのスワップポイントの差を負担すること、売値と買値の差(売買スプレッド)についてお客様が二重に負担することなどのデメリットがありますので、十分ご注意ください。
ヒロセ通商(LION FX)
両建はスワップポイントの売り買いの差、スプレッド等のコストがお客様にとって不利になりますので、当社では、両建を推奨いたしておりません。
引用:https://hirose-fx.co.jp/category/guidance_lionfx/fx_experience/lionfx_rule/3_ryodate.html
マネーパートナーズ
経済合理性を欠くなどデメリットもございますので、当社といたしましてはお勧めいたしません。
引用:https://www.moneypartners.co.jp/support/faq/partnersfx/013.html
多くのFX業者がまるで半を押したように「両建ては経済合理性に欠けるのでおすすめしません」と同じ回答をしています。
FX業者の本音は「しろうとが安易な両建てすれば、損失を拡大させるだけだから、とりあえず注意書きしとこ…」でしょうね。両建てがほんとうに危険ならば、ハイレバ取引と同じように「制限」されるはずです。
つまりこれらの回答にはFX業者の「本音」と「建前」が巧みに含まれているということです。
両建てを使っているトレーダーは実際にいるのか?
両建ての仕組みはわかったけど、実際に活用している人っているの?と疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、両建て戦略をトレードに活かしているユーザーの声をピックアップしてみました。
スイングでデイスキャ、両建て駆使して保険で逆ポジ建てたり便利な両建て。利益を殺さず資金とポジサイズのコントロールに。同通貨で両建て意味ないようでいてやりようによってはメンタルケアにつながる。クソポジ保存両建てもある意味そうだけど、なるべくそうならない行動を。
— ゆきんこ (@yukinko_rabbit) 2017年7月12日
後は、逆指値せっとで、様子見です。
両建ては、便利ですね(^^)
— みなも (@nyamo1239) 2016年5月23日
— katinigefx (@katinigefx) 2019年5月27日
逆に行ったか!?一旦両建てで逃げ(^.^/)))含み損1万。より慎重になる( -_-)ジッ#ドル円 #FX pic.twitter.com/D1onqj4aQ9
— きち@FX (@kichi_FX) 2019年5月23日
株の事はこれから勉強だけど
FXに関していうと、理由がきちんと合って計画的な物であれば、両建てもナンピンもアリと考えています大きな流れに乗ってポジ取っていて利益が乗っている状態で、おや?っと思った時は反対のポジを入れておく事もあります
つづく
— エンヴィ@Toybox (@ignis_envy) 2018年12月30日
ポン円窓のことも考えて一応両建て。
ショート入れた。— Fx penguin (FX、株トレーダー) (@Fxpenguin1) 2019年5月27日
ポン円は139円近くまで下落。
流石に参ってショート入れました。
両建てしてます。— Fx penguin (FX、株トレーダー) (@Fxpenguin1) 2019年5月23日
今週FX初めての両建ての試みが上手く行った
109円20銭のショート玉持った状態で上持ってかれた時はヒヤヒヤしたが、焦らずヘッジのロングの玉で取り
後半は、ヘッジのロング玉をはずして円高になるまで待てた。
損切りも必要だが焦らず
ヘッジを使って損失を抑え如何にプラスで約定するかが勝負だな— 源 清豪 (@hide0204_go) 2019年5月25日
みなさんそれぞれ両建てのリスクをコントロールしつつ、トレードに活用しているようですね。
まとめ:安易な両建ては危険だが使い方次第で強力な武器になる
両建てのリスクとメリットを知り、自分だけの必勝法を編み出す
両建てについては、多くのサイトが様々な見解を述べていて、「どれが本当なの?」と戸惑ってしまうでしょうね。
結局、自分でやってみるしかありません。
両建てのデメリットは先に上げた2つです。
- スプレッドコストが2倍になる
- スワップ金利で逆ざやが発生する
一方で両建てのメリットも2つ。
- 中長期的なトレンドの中の短期的な戻りをチャンスに変える
- 方向性がはっきりしない相場において評価損益を固定化できる
そして、両建てそのものは国内FX業者は禁止にしていない…。
これらを知った上で、最終的には自分でトライしてみてほしいです。「何事も実践に勝るものなし!」といいます。
両建て=儲かる…ではない
「両建て」は絶対にやらなければ勝てないというものでもありません。つまり「両建て=儲かる」ではないのです。両建ての両面(メリットとリスク)を把握して、自分のストラテジーに取り込むことで優位性が高まるならばやるべきであり、両建てを活かせないストラテジーならばそもそも両建てなど検討する必要はありません。
両建てを活かすも殺すも、自分のロジック(手法)次第ということです。
はじめから両建てありきの戦略ではなく、「両建て」を武器の一つとして持っておき、必要な相場局面で適切に使うというのが、正しいありかたです。
まずはチャレンジあるのみ!