”ローソク足の実体を遥かに超える「長いヒゲ」はレートを逆方向へ戻す圧力の強度を示している”
先日紹介したボリンジャーバンド±2シグマからの逆張りトレード手法。±2σ(シグマ)を抜けて長いヒゲを付けたら次足始値で逆張りで仕掛けるというものでしたね。
ポイントは長いヒゲです。
ローソク足の実体を遥かに超える長いヒゲは、レートを逆方向へ戻す圧力の強度を示しています。
特に下落局面における「陽線+下方への長いヒゲ」や、上昇局面における「陰線+上方への長いヒゲ」は相場転換を示唆するチャートパターンとして有名ですよね。ローソク足のヒゲに注目してチャートを観察してみるのも、相場観を養う格好の練習になります。
さて、今回は、そんなヒゲを検出して知らせてくれるインジケーターを紹介しますね。
最もシンプルなヒゲ検出インジケーター「pin-bar.mq4」
ヒゲ検出インジケーターはいくつか存在しますが、最もシンプルなものが「pin-bar.mq4」です。
ダウンロードはこちらからどうぞ。無料です。
MetaTrader4に設定するとこんな感じです。
いわゆるピンバーと呼ばれるローソク足を検出するわけですね。ピンバーについては以下の記事で解説しました。
PinBar(ピンバー)とは?
PinBar(ピンバー)を構成する要素は以下の2点(※解釈は様々です)。
- 実態がローソク足の高値から安値までの長さ(ひげの長さ)の25%以下であること
- 実態の位置が全体のどちらかに偏っていること(50%の範囲に存在すること)
以下の画像がわかりやすいです。
PinBar(ピンバー)も、捨て子底同様に相場の転換を予見するプライスアクションとして知られています。
「pin-bar.mq4」は、上記のような厳密なルールで矢印を点灯させているわけではありません。ロジックはとてもシンプルです。ローソク足の実体とヒゲの長さを比較して、ヒゲの長さの方が長ければ矢印を点灯させるというもの。
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pin-bar.mq4で下落局面における「陽線+下方への長いヒゲ」、上昇局面における「陰線+上方への長いヒゲ」を拾い出してみよう!
さて、「pin-bar.mq4」ですがやたらと矢印が出るので、当然全ての矢印が優位性を持っているわけではありません。
そこで、下落局面における「陽線+下方への長いヒゲ」、上昇局面における「陰線+上方への長いヒゲ」のみを選別してシグナルをピックアップしてみます。
上のチャート図では最初のピンバー(売り)は、上昇局面で出現した陰線のピンバー(陰線+上方への長いヒゲ)ですが負けトレードとなりました。
2回目3回目のトレード(買い)は、下落局面で出現した陽線のピンバー(陽線+下方への長いヒゲ)です。こちらは利益を取れてそうですね。
上のチャート図では、1回目の買いトレードは上手く逆張りを捉えられています。
2回目のピンバー(下落局面における陽線の下方ヒゲ)は、かなり長いヒゲを付けたにもかかわらず下落してしまいました。失敗トレードです。
3回目のピンバーは上昇局面における陰線の上方ヒゲ、つまり下落を示唆するシグナルです。次足で売りENTRYすれば比較的利幅を取れたトレードとなりますね。
さて上のチャート図を見てみましょう。1回目のピンバーは十字線(ローソク足実体がない)ですね。相場転換の強いシグナルですが、残念ながらそれほど利幅は取れていません。
2回目の陰線ピンバーは、良い具合に下落転調を捉えました。利幅はそれなりです。
3回目の陽線ピンバーは、微益というところですね。
「ヒゲ」に注目することで投資家の心理を読み取ることができる
冒頭で、下落局面における「陽線+下方への長いヒゲ」や、上昇局面における「陰線+上方への長いヒゲ」は相場転換を示唆するチャートパターンであると述べました。
普段見過ごしがちなヒゲ。実はヒゲに注目することで、マーケットに参加している投資家の心理を読み取ることができます。
もちろん、ローソク足単体よりも複数本で構成されるパターンから分析するほうがより確度の高いものとなりますが、FX初心者はまずは単体のヒゲに注目することから始めてみることをおすすめします。