『うねり取り投資法』をFXに取り入れることは可能か?
株式投資の世界では、比較的知っている人も多い「うねり取り投資法」。実は、FX取引でも「うねり取り」と同じような手法を取り入れているトレーダーがたくさん存在します。
今回は、そんな「うねり取り投資法」にスポットを当てて解説します。
ところで『うねり取り投資法』ってなに?
「うねり取り」は、古くからある投資手法の一つです。その歴史は江戸時代の米相場にまでさかのぼります。
近代の日本では林輝太郎氏(2012年2月逝去)が専門的に研究し、多くの解説書を世に出してきました。以下に紹介する書籍は、すべて林輝太郎氏のものです。
彼の没後は、林投資研究所にて現在も「うねり取り」に関する研究が進められています。
林投資研究所公式WEBサイトから「うねり取り」に関する解説を引用します。
うねり取り
◆価格の自律的な上げ下げに注目
うねり取りは、価格の自律的な動き、つまり自然に発生する変動の周期を利用して利益を上げる売買法です。銘柄固有の材料がなくても、価格は常に変動しながら、ある程度一定した周期をみせるものです。
その上げ下げの中でポジションを変化させれば、純粋に自分の行動を考えるだけで利益を得ることができます。◆銘柄を固定する
自律的な上げ下げを利用するので、多くのアマチュアのように材料重視で銘柄を乗り換えていくのではなく、うねり取りに適した銘柄から自分の好みのものを選び、限定します。
極端だと感じる人もいるかもしれませんが、たった1銘柄を何十年も売買し続けているプロ相場師もいます。◆プロ相場師の4割が実践
うねり取りを行う投資家は、専門の技術職のようなものです。変動感覚(値動きを受け止める感覚)を含めた売買技法が求められますが、継続的な売買を行うためのシンプルさが多くのプロ相場師に好まれています。サヤ取り、FAI投資法のように範囲を限定する売買法、といった分類をすると、プロ相場師の4割がうねり取りを行っているといわれています。引用:林投資研究所 うねり取り
両建てをイメージすると理解しやすい
「うねり取り」は、株式相場において「買い」と「売り(空売り)」を使って上昇相場・下降相場の両方で利益を抜いていく、極めて高度なトレード手法です。
いわゆる両建てに近い手法なのですが、単純に買い建てと売り建てを保有するのではなく、そこに緻密でロジカルな建玉操作を加えることで、巧みに利益を積み上げていくスタイルです
一般的な株式投資は、安く買って高く売ることがセオリーとされますね。一方のうねり取り手法は株価の周期的な上下動(上昇相場・下降相場)を利用するため、下げ相場でも利益を出すことが可能になる点が最大の特徴といえます。
現在のような株価が低迷している相場でも、スキルを身に付ければ利益を得ることが可能な手法です。とはいえ、空売りを組み合わせた手法なので、リスクも当然あります。
うねり取り投資法は、プロの相場師(そうばし)が好む手法です。1銘柄のみを取引する手法は一見シンプルですが、周期性のある銘柄を選びとる選定眼、株価の変動を察知して適切に建玉操作をおこなう高度な技術が求められる手法です。
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『うねり取り投資法』の概略を理解するための動画
株式投資業界でうねり取りの第一人者とされる「相場師朗」氏が、うねり取り投資法を解説している動画をご覧ください。うねり取りの概略をざっと理解できるはず。
実際の建玉ポジションのテクニックについては以下の動画がわかりやすいでしょう。
”建玉操作”という分割売買方法=うねり取り
上の動画を見ればわかりますが、「うねり取り」は単純な両建てではありません。同一銘柄を、タイミングを見計らって分割して保有(売り・買い)していく必要があります。いわゆる建玉操作です。この建玉操作こそが「うねり取り」の真髄(しんずい)とも言えます。
特定銘柄の周期を読み取り、建玉(ポジション)を建てていく。売りから入るのか買いから入るのかは、そのときの相場状況と周期のタイミングによって変わってきます。株価の動向に注意し、段階的にポジションを積み増しor減らしていく。
建玉操作は一朝一夕に習得できるものではありません。長年の経験とカンそして相場を読み解く集中力によって身に付けるものです。また、多段階にポジションを両建てしてきますので、それなりの資金量も求められます。決して簡単ではありません。
日本郵船(株)【9101】だけを繰り返し取引して60万円を20億円にまで増やした”うねり取り投資家”
「うねり取り」のもう一つの特徴は、1つの銘柄に絞って取引をする点です。
うねり取りは、周期的な動きをする銘柄にマッチした手法です。1つの特定銘柄に絞って、その銘柄を何度も取引します。周期的な上下動を利用してその中でポジションを保有していくわけですね。
この点においても、一般的な株式投資とはかなり異なっていることがわかるはず。多くの個人投資家は様々な材料をチェックして取引する銘柄を選定します。しかしうねり取りは、これ!と決めた銘柄のみ、たった1銘柄のみを取引するのです。
銘柄は「日本郵船」という会社で、それ以外の銘柄は一切取引していません。
「うねり取り」の第一人者である相場師朗氏は【日本郵船】銘柄で、たった1銘柄のみで60万円を20億円にまで増やした実績を持ちます。まさに”うねり取り”の真骨頂ですね。
『うねり取り投資法』の正体は「トラリピ」だ
ここまで株式投資における「うねり取り投資法」の概略を解説しました。なんとなくFXでも使えそうな予感がしませんか?
- 1銘柄に絞って長期的に相場を監視し周期の特徴を捉える
- 上昇相場、下落相場、どちらからも利益をあげられる
- 特定銘柄の周期的な上下動の中でポジションを建てていく
- 両建てを駆使して多段階にポジションを建てる
上に挙げたうねり取り投資法の特徴は、そっくりそのままFXトレードにも当てはめることができますよね。
- 特定の通貨ペアを長期的に監視し、その周期(波)の特徴を把握する
- 上昇トレンド、下落トレンド、どちらからも利益をあげられる
- 特定通貨ペアの周期的な波の中でポジションを建てる
- 両建てを駆使して多段階的にポジションを建てる
もう気づいた人もいると思いますが、実は「うねり取り」をFXに置き換えてシステム化したものが、「トラリピ=トラップ・リピート・イフダン」です。
トラリピは、マネースクウェア(M2J)が特許を取っているシステムトレードとして知られていますね。
上の画像はM2J公式サイトから拝借してきた「トラリピ」のイメージ図です。
1つの通貨ペアの周期(波)に対して「買いポジション」と「売りポジション」を多段階に建てていますよね。簡単に言えば、レンジ相場の中で機械的にナンピンしているわけです。一定の範囲内で上下動を繰り返す相場においては、多段階ナンピンが極めて有効なんですね。
つまりFXにおける「うねり取り」の正体は「トラリピ」なのです(厳密に言えば少し違いますが)。
トラリピを実践して利益を上げているFXトレーダーは、実は結構存在します。最近では以下の方が有名です。
- 不労所得でセミリタイアを目指す30代のブログ
- Twitter:鈴@セミリタイア生活中
💫2019年3月の資産運用&ブログ収入💫
_人人人人人人人_
> 5,993,912円 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄◆内訳◆
①トラリピ:+114,561円
②株価指数CFD:+143,375円
③スワップ:+76,403円
④トライオートETF:+111,353円
⑤ブログ:+5,508,781円
⑥その他:+38,439円https://t.co/pLQPMZ38JW— 鈴@セミリタイア(FIRE)生活中 (@semiritaia_suzu) April 5, 2019
堅実にトラリピで毎月利益を上げていますね。最近では運営するトラリピブログからのアフィリエイト報酬がすごいことになっていて、@semiritaia_suzu氏のビジネスセンスに感服します。
まとめ:『うねり取り』をやりたいならばまずは『トラリピ』から
株式投資の『うねり取り投資法』は、FXでは『トラリピ』と大きくは違いません。トラリピはうねり取りと違って、システム的にナンピンを繰り返します。
トラリピは多段階のポジションを相場の戻り(波)で順番に回収していく戦略です。つまり損切りを前提としない手法なのですね。損切りをしないからこそ、レートが戻らないときに含み損が増大します。
トラリピには含み損がつきものなんですね。だからこそトラリピでは想定される含み損に口座が耐えられる資金管理がトラリピの成否を分けます。
けっして万能ではありませんが、リスクを抑えつつ確実に利益を積み上げていく手法として「トラリピ」は有効です。