乖離トレードを極める|乖離率とダイバージェンス
連日、乖離率を活用したトレード手法を紹介してきました。
今回は、乖離率のダイバージェンスを利用したトレード手法です。
使用するインジケーターは『Kairi.mp4』。ネット上で無料で拾えますが、おすすめサイトはMT4でFX [MT4インディケーター]です。
ダウンロードしたらMetaTrader4に表示させてみましょう。
チャートはUSD/JPYの5分足です。サブウィンドウ(チャートの下)に表示させている折れ線グラフ上のテクニカル指標が『Kairi.mp4』です。期間は21日ですので、21日移動平均線(EMA)に対してどれくらい終値が離れているか(乖離しているか)を、指標化(グラフ化)したものとなります。
チャート上に21日移動平均線(EMA)を同時に表示させると、よりわかりやすくなります。
上のチャートを後追いで見れば、
- レートが移動平均線から下方に乖離…買いでENTRY
- レートが移動平均線から上方に乖離…売りでENTRY
つまり、逆張りトレードでうまくいっているように見えますが、これは結果論にすぎません。実際に稼働中のリアルタイムでチャートを見ている限りにおいては、そう簡単にはいきません。むしろ、移動平均線から乖離し続けるような動きをするケース(ダマシ)も頻出します。
結局、移動平均線そのものが過去のレートを元に算出し平均化したものですので、それだけで未来を予測するデータとしては弱いのです。これは移動平均線だけでなく全てのテクニカル指標に言えることですが。
単純に乖離率だけをチェックするのではなく、乖離率の変動から投資家心理を読み取る洞察力こそが必要だと考えています。(今、多くの投資家は売りたがっている?それとも買いたがっている?)ということを乖離率から読み取るということですね。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
オーソドックスな「乖離率トレード」とは?
まずは最も基本的な乖離率トレードをご紹介します。乖離トレードを極める|買われすぎ・売られすぎからの逆張りでも紹介した手法ですね。
サブウィンドウの乖離率インディケータに目安となるラインを上下に引きます。
ラインに乖離率がヒットしたら逆張りで仕掛けます。シンプルな手法です。乖離幅が大きくなるとトレンドが反転しやすい傾向にあるという性質を利用したトレードです。
また乖離率の傾きもポイントになります。傾きの角度が急な場合はトレンド反転の予兆でもあります。逆にゆるやかな角度である場合は、そのトレンドが継続する傾向にあります。
乖離率にトレンドラインを引いてラインブレイクで仕掛ける
次に、乖離率そのものをラインチャートに見立てて、トレンドラインを引き、ラインブレイクで仕掛ける方法を紹介します。
乖離率の安値と安値(高値と高値)をつなぐようにトレンドラインを引き、そのラインをブレイクするタイミングで仕掛ける手法です。これも乖離率の角度(傾きの角度)や乖離幅が重要です。急角度であればあるほど反転しやすいので、急角度にラインを引ける場所を探すことがポイントです。
乖離率とダイバージェンス
最後に、乖離率のダイバージェンスを利用したトレード手法をご紹介します。管理人が最も好きな手法のひとつであるダイバージェンス(逆行現象)を乖離率に取り入れた手法です。
関連記事
- ダイバージェンスはなぜ起こるのか?そのメカニズムとは?
- ダイバージェンス専用インジケーター|おすすめ4選!
- ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの違いとは?
- ダイバージェンスと相性が良いオシレーター|ベスト3!
- MACDのダイバージェンスの優位性を再考察してみようか…
ダイバージェンスとは、実際のレートの動きとテクニカル指標が逆の動きをする現象を指します。この逆行現象が出現した時に、現在のトレンドが収束し、相場が大きく反転するケースがあります。ダイバージェンスはめったに出現しませんが、出現した時は注意が必要です。
上のチャートでは、高値を更新しているにもかかわらず、乖離率の高値は切り下げています。これがダイバージェンス現象です。ダイバージェンスが発生すると現在のトレンドの終焉が近いことを予兆します。実際にチャート上では、上昇トレンドが終焉し、その後ダウントレンドが発生しています。
逆のパターンも見てみましょう。
チャートの安値は切り下げているのに、移動平均乖離率の安値は切り上げています。現在継続中のダウントレンドが終焉し、トレンド変換を示唆しています。このダイバージェンス現象は、RSIなどのオシレーター系指標などでもチェックできます。
ダイバージェンス手法をわかりやすく表現した画像をご紹介します。
ダイバージェンスが絶対的な指標ということではありませんが、信頼度は「買われすぎ・売られすぎからの逆張り」よりも高いと考えています。特にダイバージェンスでダマシが発生した時の次のダイバージェンスシグナルは、かなり精度が高いと感じます。
『乖離率』の奥深さ
乖離率ひとつ取ってみても、様々な手法が存在します。今回ご紹介した手法以外にも多くの手法があり、奥の深さを感じます。ForexFactoryなどの海外フォーラムを定期的にチェックしていると、乖離率だけでトレードをしている投資家も多く存在することに気付きます。
移動平均線という最もシンプルで王道的なテクニカルをベースにした乖離率ですが、時間をかけて検証するに足る指標の1つであるといえますね。