【FX手法】乖離トレードを極める
前回に引き続き『乖離率』のお話です。前回の記事はこちら「ねえ、まだ『移動平均線乖離率』を使ってないの?」。
今回は移動平均線乖離率を活用した「乖離トレード」を具体的に紹介しますね。
乖離率とは?
まずはざっくりと「乖離率」のおさらいから。乖離率とは、現在レート(終値)が移動平均線からどれくらいかけ離れているかを、ローソク足1本ごとに計算して比率化し、グラフにしたテクニカル指標です。
MetaTrader4のインジケーターで表示させると以下のようなチャートになります。
使用しているインジケーターは、オーソドックスな「Kairi.mq4」です。移動平均線よりも上にローソク足終値が乖離すれば「Kairi.mq4」はゼロラインよりも上に振れます。移動平均線よりも下に乖離すれば「Kairi.mq4」はゼロラインよりも下に振れます。
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『乖離率』を活用した逆張り手法
乖離率で売られすぎ・買われすぎを判断してトレードする方法
移動平均線から離れた「値」はいずれ修正されてもとに戻るという性質(=平均回帰性)を利用したものが、もっとも良く知られている「乖離トレード」です。
つまり、乖離率が大きくなればなるほど、その反動で平均値に戻されるということです。「売られすぎ」や「買われすぎ」を観察する指標として活用するわけですね。
トレンドが発生中は、乖離で逆張りしても利幅を確保できませんが、レンジ相場では有効とされている手法です。
ルールはシンプルです。
- レートが移動平均線から下方に乖離…買いでENTRY
- レートが移動平均線から上方に乖離…売りでENTRY
ご覧の通り「逆張りトレード」です。
「逆張りトレード」における乖離率の期間設定は、比較的大きな数値にすることが多いです。ただ、それも決まりがあるわけではなくて、通貨ペアや執行時間足などで変わってきます。レンジ相場におけるボラティリティを調べて設定する必要があります。
-20%&+20%タッチで逆張りENTRY
上のチャート図はUSD/JPYの1時間足です。乖離率インジケーターの期間は「21日」。「-20%」と「+20%」にレベル線を引きます。乖離率が-20%にタッチしたら「買いENTRY」、+20%にタッチしたら「売りENTRY」とします。
黄色で囲った箇所では逆張りトレードが成功していますね。
ただ、ピンクで囲った箇所は、売りENTRYしてもその後レートが上昇してしまっています。ここは損切りですね。
パーフェクトオーダーで乖離率シグナルをフィルタリングする
乖離率を活用した逆張りトレードの優位性を高めるには、環境認識が非常に重要になります。つまりレンジ相場であることを確認した上で仕掛けるということ。
レンジ相場を確認する方法はいくつかあります。最もシンプルなものは、複数の移動平均線を表示させて、それらが互いに絡み合っている状態でレンジ相場であると判断する方法です。
上のチャート図に、13日、34日、55日の3本の移動平均線を加えてみましょう。
21日移動平均線に、13日、34日、55日の3本、合計4本の移動平均線の並び具合でトレンドとレンジを判断します。
4本の移動平均線がきれいに並んでいる箇所が「パーフェクトオーダー」、つまりトレンド発生中です。それ以外は、4本の移動平均線が互いに絡まり合っていますね。ここがレンジ相場(方向性が定まっていない相場)です。
このレンジ相場で、乖離率が「-20%」「+20%」にタッチしたタイミングでENTRYすれば、勝率はグッと上がります。
レンジ相場のみを抽出して乖離率で逆張り方向に仕掛ける
他もチェックしてみましょう。
右サイドに、4本の移動平均線が順序よく並んでいる箇所がありますね。パーフェクトオーダーです。強いトレンドが発生していることを示しています。それ以外は、4本が不規則な並び方をしています。つまり方向性が定まらないレンジ相場とみなせますね。
このレンジ相場で乖離率トレードを行えば、優位性はかなり高まります。実際に2回とも成功しています。一方、パーフェクトオーダー発生中の乖離率シグナルを排除すれば、ダマシも減らすことができます。
5億を稼いだ「Aki」氏も乖離からの収束を狙っている!
5億円以上を稼いだとされる「Aki」氏。彼の手法も乖離からの収束を狙い撃ちしたものです。詳しくは【FX手法】Akiが5億円稼いだFX投資法を具体的に解説するよ!をお読みください。
25日移動平均線からの「乖離幅」で仕掛けのタイミングを取る
IMMポジションの偏りによって、トレンド転換を予測したAki。実際の仕掛けは、移動平均線を活用します。
Akiの手法では、テクニカルは「移動平均線」しか使いません。これは驚きですよね。非常にシンプルですが、移動平均線こそが世界中のトレーダーから最もよく見られているテクニカルであることを考えれば、納得がいきます。
投機筋が先物ポジションを手仕舞い(決済)するタイミングをいかにして推測するのか?それは、25日移動平均線からの乖離幅です。
25日移動平均線からの乖離が5円〜6円(GBP/JPY)になったタイミングを、相場転換(つまり、投機筋がかたよったポジションを決済するタイミング)の目安とします。ここで売りを仕掛けるわけです。
利益確定は、移動平均線への収束
利確のタイミングは、乖離したレートが25日移動平均線へ再び収束したポイントです。先のチャートで説明すると…
Akiの手法は「安いところで買う・高いところで売る」をひたすら愚直にやっているにすぎない
先の説明をまとめると、以下の通りです。
- IMM通貨先物ポジションで投機筋のポジション偏りが最大化するのを待つ
- 25日移動平均線からの乖離幅が目標に達したら逆張りで仕掛ける
- 乖離が収束したら手仕舞い
つまり”安いところで買い、高いところで売る”という非常にシンプルな手法であるということ。
もちろん、Akiの手法はこれだけではありませんが、基本は同じです。相場心理を読み取るための指標(IMMポジションの偏り)をベースに、安く買い高く売るためのテクニカルで仕掛けと手仕舞いをする。これをひたすら繰り返すだけ。
大物トレーダーも活用している「乖離トレード手法」。普遍的な相場の性質を利用しているからこそ、汎用性も高いといえます。
次回は乖離ライナーを活用した手法を紹介予定
次回の乖離トレード手法は、乖離ライナーを利用したロジックを紹介する予定です。