RSIダイバージェンスで優位性の高いダブルトップ・ダブルボトムのみを抽出する方法を検証してみる
前回、出現頻度の低い三尊天井・逆三尊よりも、ダブルトップ・ダブルボトムを狙ったほうが効率が良いという話をしました。
三尊に比べてダブルトップ・ダブルボトムは遥かに出現頻度が高いため、検証のためのサンプル数もたくさん集めることが可能です。
今回は、その中から優位性の高いダブルトップ・ダブルボトムを抽出する方法を考察してみます。
相場転換点を示す非常に強力な指標である「RSI」をダブルトップ・ボトムのフィルターに使用する
使用するフィルターはダイバージェンスです。
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ダイバージェンスを検出するためのテクニカルはいくつかありますが、その中でも確度が高いとされるRSIのダイバージェンスを使用します。
RSIダイバージェンスは相場転換を示すパワフルな指標だ!でも解説しましたが、RSIの生みの親であるJohn Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)も、RSIのダイバージェンスは”相場転換点を示す非常に強力な指標である”と語っています。
(5) Divergence:
Divergence between price action and the RSI is a very strong indicator of a market turning point. Divergence occurs when the RSI is increasing and the price movement is either flat or decreasing. Conversely, divergence occurs when the RSI is decreasing and price movement is either flat or increasing.
直訳はこちら。
5)ダイバージェンス
価格(プライスアクション)とRSIの乖離(=ダイバージェンス)は、相場転換点を示す非常に強力な指標である。ダイバージェンスは、RSIが上昇し、価格の動きが横ばいまたは減少しているときに発生する。 逆に、RSIが下落し、価格の動きが横ばいまたは増加している場合に、ダイバージェンスが発生する。
J.W.ワイルダー
検証の具体的な手順を解説
さて、検証の具体的な手順を解説します。ダブルトップ・ダブルボトムの検出には無料インジケーター『PricePatterns.ex4』を使用します。
一方、RSIのダイバージェンス自動検出には『TM_RSI_divergence.ex4』を使用します。
『PricePatterns.ex4』によって検出したダブルトップ・ダブルボトムを、『TM_RSI_divergence.ex4』のシグナルによって取捨選択します。
ダブルトップ・ダブルボトム出現時にダイバージェンスが同時発生したシグナルを優位性の高いものとして選択し仕掛けていくとうまくいくのでは?という仮説を立てて検証していきます。
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実際のチャートで確認してみる
では実際のチャートで確認してみましょう。前回同様にUSD/JPY(ドル円)で検証していきます。今回は日足にて検証してみます。
USD/JPY日足|その1
ダブルトップ出現と同時にRSIのダイバージェンスが発生しています。その後レートはネックラインを切って下落しました。成功トレードですね。
USD/JPY日足|その2
同様にダブルトップとダイバージェンスが同時発生しています。まずまずですね。
USD/JPY日足|その3
ダブルボトム形成時に、RSIのダイバージェンスが発生していますので、強いシグナルと捉えることができそうです。結果的にレートは上昇しています。
USD/JPY日足|その4
ギリギリ利幅を抜けたようなトレードですね。実際はプラマイゼロという感じかもしれません。
USD/JPY日足|その5
これは失敗トレードですね。明確なダイバージェンスが発生しているにもかかわらず、トレンド転換しませんでした。仕方がありません。
まとめ:ダブルトップ・ダブルボトムをRSIダイバージェンスでフィルタリングする方法は、意外といけるかも…
今回はUSD/JPYの日足のみでの検証でしたが、思ったよりも上手くいきそうな予感がしますね。ただし、フィルタリングによってトレードチャンスはかなり限定されてしまうので、やはり複数通貨ペアの同時監視は不可欠でしょう。
また、当然ながら100%の確率で転換するわけではないため、仕掛けは慎重に行う必要があります。その他の環境認識を含め多面的な判断が求められます。
日足、4時間足、1時間足くらいであれば、この手法は活かせるのではないかと手応えを感じました。
トレードアイデアの参考になれば幸いです。