株投資で4億円を荒稼ぎした『ダーバス・ボックス理論』を知っているか?
1960年代のアメリカ。
ショービジネスの世界で働く一人のダンサーがいました。彼の名はNicolas Darvas(ニコラス・ダーバス 1920–1977)。
そんな彼が株式投資の世界に興味を持ち、悪戦苦闘の末に一つの投資理論を確立しました。それが『ダーバス・ボックス理論』です。
独創的な理論の発見によって、彼は200万ドル(当時の為替レート換算で約4億円)もの大金を株式投資で稼いだのです。
その後、ニコラス・ダーバスが執筆した『”How I Made $2,000,000 in the Stock Market.”』(翻訳版:『私は株で200万ドル儲けた』)はわずか8週間で20万部も売れる大ベストセラーになります。
“How I Made $2,000,000 in the Stock Market.”
Nicolas Darvas(ニコラス・ダーバス)が『ダーバス・ボックス理論』を生み出すまでは、苦難の連続でした。
ダンサーとして世界中を旅しながら、空いた時間をすべて投資の勉強につぎこみます。1日のうち8時間を投資本の読書時間にあて、200冊以上の書籍を読み漁りました。
多くの検証と失敗を繰り返す中でようやく利益を出す理論を生み出します。それが『ダーバス・ボックス理論』です。
Nicolas Darvas(ニコラス・ダーバス)は、『ダーバス・ボックス理論』によって、わずか18ヶ月で25,000ドルを200万ドルにまで増やすことに成功したのです。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
『ダーバス・ボックス理論』の概念とは?
株価は一定のボックス(レンジ相場)の中で上下動を繰り返し、そのボックスを抜ける(レンジブレイクする)と新たなボックスを形成する傾向があると考えたNicolas Darvas(ニコラス・ダーバス)。
レンジから新たなレンジへと、常に新たなボックス(箱=レンジ)を作りながら推移することこそが、相場の本質であると考えたわけですね。
この習性を利用し、ボックスブレイクで順張りで仕掛ける手法(ボックスブレイクアウト)が『ダーバス・ボックス理論』の基本的な考えです。
いわゆる「新高値ブレイクアウト投資法」ですね。ルールを簡略化すれば以下の通りです。
- レンジを上方ブレイクで「買いENTRY」
- レンジを下方ブレイクで「売りENTRY」
今となっては、よく知られているボックスブレイクアウト理論ですが、1960年代当時は非常に斬新だったようで、奇妙な投資法で驚くべき利益を上げている個人投資家がいるらしいという噂があっという間に広まり、あの有名なニュース誌『タイム』も彼の特集を組むほどに…。
『ダーバス・ボックス理論』をFX投資に活用する
さて、本題はここからです。
『ダーバス・ボックス理論』の本質はボックスブレイクアウトであり、1960年代の株式市場においては圧倒的な優位性を持っていたことがわかります。
その『ダーバス・ボックス理論』を現代のFX相場に活用することは可能なのか?ということを考察します。
そもそも株式投資とFXとでは、相場の性質が異なります。
『ダーバス・ボックス理論』は新高値ブレイクアウト投資法であり、上昇する銘柄を買いさらに高値で売り抜けるというもの。そもそも新高値を付けるということは、その会社(銘柄)に好材料(業績好調など)があるからです。結果的に、新高値を付けた銘柄は売られにくくその後さらに上昇していく傾向があります。だから新高値ブレイクアウト投資法はロジカルなんですね。
一方のFX相場は、2つの通貨の実需(と投機)によって相場が変動します。新高値を付けたからといってさらに上昇するかといえば、必ずしもそうではありません。実需によって方向が決まり、投機によって方向が最大化することもあれば、その逆を仕掛けてくることもあります。ここが難しいところですね。
とはいえ、相場は大衆心理が動かすものでもあります。その点はFX相場も株式相場も同じです。株もFXも、価格変動からしか利益は生み出せません。価格が動くからこそそこに利益の源泉を見いだせるのですね。
ボックスをブレイクする動きはまさに、利益を生み出す最大のチャンスでもあります。どっちつかずの方向性が見定まらないレンジ状態をブレイクすることは、まさに儲けのチャンスですよね。ここぞとばかり群衆が飛びつきます。結果的にレートが一気に伸びることもあれば、逆に機関投資家連中による大々的なストップ狩りが行われるなどしてレートが逆行するケース(ブレイクのダマシ)もあります。
FXにおけるボックスの上方ブレイクや下方ブレイクは、ビッグチャンスでもあり、同時に非常に危険なタイミングでもあるわけですね。ボックスブレイクアウトの難しさはここにあります。
いかにダマシを回避してブレイクアウトの初動を捉えることができるか。ブレイクアウト戦略の要ですね。
次回、『ダーバス・ボックス理論』をベースにしたFX手法や、インジケーターなどを紹介していきます。