【FX】MT4に標準搭載されているオシレーター指標一覧【その2】
前回の続きです。
前回解説したのは以下の5つのオシレーター系インジケーターでした。
- Average True Range(ATR)
- Bears Power
- Bulls Power
- DeMarker
- Force Index
今回は、残りの4つについて解説していきますね。
- Momentum
- Moving Average of Oscillator
- Relative Vigor Index
- William’s Percent Range(ウィリアムズ%R)
Momentum
Momentum(モメンタム)には、「勢い・運動量」という意味があります。その名の通り、相場(レート)の勢いを計測するためのインジケーターです。
単体では使いづらく、他のテクニカルと併用されることの多いインジケーターですね。
Moving Average of Oscillator
Moving Average of Oscillatorは、OsMAと略されて表示されることもあります。OsMAは実はMACDの仲間というか派生です。MACDを並べて表示させてみるとよくわかります。
MACDの基準線(棒グラフ)の値から シグナル線(赤実線)の値を差し引いたその差分をプロットしたものがMoving Average of Oscillator(OsMA)です。
MACDがゴールデンクロスすれば、Moving Average of Oscillator(OsMA)はプラス側にプロットされ、デッドクロスすればマイナス側にプロットされます。
Relative Vigor Index
Relative Vigor Indexを日本語に直訳すると、”相対活力指数”となりますね。RVIとも呼ばれているので、RSI(相対力指数)やRCI(順位相関指数)などとこんがらがりそうですよね。
RSIやRCIと比べるとマイナーなインジケーターです。基本的にはトレンドの強度を測定するためのインジケーターですね。
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William’s Percent Range(ウィリアムズ%R)
William’s Percent Range(Williams %R)は、比較的メジャーなインジケーターです。多くのFX書籍で解説されているので、目にしたことのある人もいるはず。
イメージとしては、ストキャスティクスの%Kに近いですね。
ストキャスの%Kはn期間の最高値と最安値の値幅(ゾーン)に対して、n期間の最安値から現在価格の終値までの値幅(上昇幅)をパーセント表示したものでしたが、William’s Percent Range(ウィリアムズ%R)も、n期間の最高値と最安値の値幅(ゾーン)に対して直近終値が相対的にどこに位置するのかをグラフ化したインジケーターです。
%Kについては以下の記事をお読みください。
%Kの計算式は、とてもシンプルです。
- %K=(現在価格の終値ーn期間の最安値)÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)✕100
この計算式を紐解くと以下の通り。
n期間の最高値と最安値の値幅(ゾーン)に対して、n期間の最安値から現在価格の終値までの値幅(上昇幅)をパーセント表示したものが「%K」であるということ。
まず、一定期間の高値と安値の値幅(ゾーン)を算出します。次に、値幅(ゾーン)と比較して、現在価格(終値)がどのレベルにあるのか?このレベルを数値化します。この数値を0〜100(%)の間にプロットしたグラフがストキャスティクス(=%K)です。
- 一定期間の高値と安値の値幅(ゾーン)を算出する
- 値幅(ゾーン)に対して現在価格(終値)の上昇幅を算出する
- 上昇幅を0〜100%でプロットする=%K
現在価格が、n期間の値幅(ゾーン)の安値に近いほど、%Kは0に近づきます。一方、現在価格が、n期間の値幅(ゾーン)の高値に近いほど、%Kは100に近づきます。
つまり、%Kが0%付近をウロウロしているということは、n期間の値幅(ゾーン)における安値と同じレベルの値で推移していることになりますね。
従いまして、使い方もストキャスティクスに近いです。巷ではストキャス同様に20%以下で「売られすぎ」、80%超えで「買われすぎ」サインとして捉える…などと解説されることが多いですが、それはちょっと間違っています。
詳しくは以下の記事をお読みください。
買われすぎ・売られすぎ…ではなく「価格の勢いやスピード(=Momentum)の強弱」を示しているだけ
多くのサイトや投資本の中で、ストキャスティクスやRSIは「買われすぎ・売られすぎを判断する指標」であると解説しています。しかし正しくは次の通り。
- ストキャスティクス…価格の勢いやスピード(=Momentum)の強弱を判定する
- RSI…価格の上昇圧力(=Strength)の強弱を判定する
ストキャスティクにおける「買われすぎ・売られすぎ」判断は、「価格の勢いやスピード(=Momentum)の強弱を判定」した結果の一側面に過ぎないということを覚えておくべきです。
そうすればストキャスティクスが上辺に張り付いてなお、価格がさらに上昇を続ける…という現象も理解できるはずです。ただ単に価格の勢いやスピード(=Momentum)が非常に強いということを示しているだけです。だったらなおさらレートが上昇を続けてもおかしくありませんよね?高値を更新し続ければ、理論上「%K」は100%レベルに張り付きます。
また下辺に張り付いているのにレートが反転上昇せずに下落を続ける…という現象に悩まされることもなくなります。安値を更新し続ければ、理論上「%K」は0%レベルに張り付きます。安値を更新し続けている、つまり価格上昇勢い・スピードが弱い=
下方向に強いことを示しているので、より一層の下落を示唆してい るかもしれない…と推測できますよね。間違っても「 売られ過ぎだから、反転上昇する!間違いない!」 なんて判断などできないはずです。 もちろん、永遠に価格が上昇・下落するわけでもなく、どこかで相場転換します。その際にストキャスティクスがいち早く反応するわけです。なぜならストキャスティクス(モメンタム)の変化は、価格変化に常に先行するのだから。
ストキャスの変化を観測し、その後の価格変化をいち早く読み取る…これが正しい使い方だ
ストキャスティクスの正しい使い方(本来の使い方)をまとめておきます。
0〜100%の範囲で変動するストキャスティクスを観測し、その動きから未来のレート変動をいち早く読み取る…これこそがストキャスティクス概念(メカニズム)に基づいたの正しい使い方です。
ストキャスを「買われすぎ・売られすぎの判断指標」であると間違った覚え方をしているトレーダーは、今すぐ改めるべきです。
William’s Percent Range(Williams %R)を使うならば、よりメジャーなストキャスティクスを使ったほうが良いと思いますよ。