多くの人はお金がどこに居たのかを議論するが、私はお金がどこに行くかの方に興味がある(バフェット)
とても考えさせられる記事を紹介します。
投資をしているすべての人に絶対に読んでほしい。こちらです。
書いたのは「大原浩」さん。上田短資(上田ハーロー)出身の国際投資アナリストです。
もうね、ほんとうに多くの気付きが得られる記事なので、特にFX初心者は必読です。
「俺には相場の未来がわかる!(キリッ)」っていうイキっているトレーダーがいたりしますが、投資の天才と呼ばれる「バフェット」ですら”未来は予想できない”と断言しているのです。
未来はわからないけど、次のように語ります。
多くの人はお金がどこに居たのかを議論するが、私はお金がどこに行くかの方に興味がある
すべてのテクニカル分析を否定するかのような内容ですが、とても示唆に富んだ言葉ですよね。
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テクニカルは過去(お金がいた場所)を示しているにすぎない
多くのトレーダーがテクニカルを駆使して未来の動きを必死に読み取ろうとします。だけど、テクニカルはあくまでも過去(お金がいた場所)を示しているに過ぎないわけです。
いくら過去(お金がいた場所)を分析しても、マーケットの未来を正しく予測することなどできないのです。
未来を予測できないならば、どうするか?
すでに起こった未来をさがせ
未来が予測できない、と悲観する必要はありません。バフェットの言葉に耳を傾けましょう。
すでに起こった未来をさがせ
そうです、すでに起こった未来を探せばよいのです。
「えっ?すでに起こった未来って?どういうこと?」
すでに起こった未来とはなにか?それこそが「市場の歪み」であるとバフェットは語ります。つまり、市場の歪みを探して、そこに勝機を見い出せ!と述べているのです。
株式投資でいえば、市場の歪みとは「現在の企業価値と市場価格とのかい離(歪み)」であったり「将来の企業価値と現在の市場価値とのかい離(歪み)」だったりするわけですね。
資本主事市場では、市場の歪みは必ず是正されるわけですから、この歪みをいち早く見つけ、そこに投資すれば大金を稼げる可能性が飛躍的に高まります。
なにもバフェットだけが提唱している話ではありません。あのジョージ・ソロスも「市場の間違いこそがチャンスである」と語っています。
市場は完璧(理論通りに動くわけ)ではありません。わずかな歪みやひずみが現れては消えていく…それをたえず繰り返しています。
FXトレードにおける市場の歪みとは?
指標トレードで「歪み」を狙う
FXマーケット(為替市場)でも、市場の歪みやひずみが生じるケースがあります。
一番わかりやすいのは「経済指標発表時」の為替レートですね。アメリカの雇用統計発表や政策金利変更など。
こうした重要な指標発表時には、必ずと言っていいほど瞬間的な異常値が発生しますよね。発表のインパクトが大きければ大きいほど異常値も大きくなります。これも「歪み」の一つです。発表の瞬間に異常値をつけても、その後は正常な値に戻さることが多々あります。
指標発表時の異常値=歪み・ひずみ
↓
もともとの正常値=すでにわかっている未来
発表時の瞬間的な値動きを狙ったイチかバチかのトレードよりも、正常値に戻る動きを狙ったトレードのほうが簡単だと思いませんか?
窓開けで「歪み」を狙う
もう一つの例として「窓開け」がありますね。週明けに大きくレートが乖離して始まることがありますよね。これが「窓=ギャップ」です。
GFF氏の窓埋めテクを解説
もう一つの手法は、「窓埋め」と呼ばれるメジャーな手法です。窓埋めとは、週明けやレートの急激な変動によって生じた隣り合うローソク足同士の「空間(=窓)」を、あたかも埋め戻すようにレートが動く相場の性質を利用した手法です。
窓が開いたら、レートが埋めに来る動きを利用して、その方向にエントリーするという、これもシンプルな手法です。
下のチャート図をご覧下さい。(あまり良いサンプルとは言えませんが)
週明けで、ローソク足と次足の間が、ぽっかり空いています(窓)。その後、この窓を埋めるようにローソク足が、下降しています。この動きを利用したものが「窓埋め」と呼ばれる手法です。
シンプルといっても、海外ではこの「窓埋め」手法のみで、1冊の本が出版されているくらいですので、意外と奥が深い手法といえます。
ちなみに、海外では「窓」のことを「ギャップ」と呼んでいます。
窓(ギャップ)が開けば、大半のケースで窓を埋める方向(正常値)へレートが動きます。
週明けの窓開け(ギャップ)=歪み・ひずみ
↓
もともとの正常値=すでにわかっている未来
指標トレード同様に、異常値が正常値へ戻る動きを狙ったトレード法です。もちろん、100%窓が埋まるとは言い切れませんが、優位性が高いことは間違いありません。
アービトラージで「歪み」を狙う
そして忘れてはいけないのが、通貨間アービトラージによる歪みを狙った投資法です。
相関性の高い(正の相関性を持つ)通貨ペアの動きを監視し、乖離したタイミングで(互いに収束する方向へ)仕掛けます。
正負の相関関係
たとえば、同じような値動きをする通貨ペアが複数あったとします。一例ですが、AUDJPY(オーストラリア円)と、NZDJPY(ニュージーランド円)は、比較的似通った値動きをします。AUDJPYが上昇すれば、NZDJPYも上昇する傾向にあります。これは、オーストラリアとニュージーランドが地政学的な影響を互いに受けやすいからです。このように、似通った動きをする関係を、正の相関関係がある、と言います。
一方で、真逆の動きをする傾向にある通貨ペアも存在します。例えば、USDJPY(ドル円)とEURUSD(ユーロドル)などがそうです。一方が上昇すれば、一方は下落する傾向にあります。これを負の相関関係がある、と言います。
そして、さや取りの”さや”とは、これらの(正負の)相関関係にある通貨ペア同士の乖離幅のことを指しています。
重要なのは、開いた”さや”は、必ず閉じる(収束方向へ向かう)、というロジック(考え方)ですね。正の相関関係にある通貨ペア同士(AUDJPYとNZDJPY)であれば、同じような動きをする傾向にあるので、この”さや”が開いたら(AUDJPYが上昇しているのに、NZDJPYはそのまま)、いずれは収束するはずだと考えることができます。そうした場合、AUDJPYを売って、NZDJPYを買う、という両張りポジションを建てるわけです。
これがFXにおける、さや取りの基本ロジックです。
その他にも、スワップ差を狙ったアービトラージもありますね。スワップポイントの異なる2つのFXブローカーで両建てをして、口座間のスワップ差で利益をあげる方法です。労多くして功少なしの手法ですが、リスクは限定されます。
市場の”歪みやひずみ”を探し出してチャンスに変える
さて、先に挙げたいくつかのFX手法は、どれも市場の歪みやひずみを意図的に探し、そこから利ざやを取っていく手法ばかりです。
「私はお金がどこに行くかの方に興味がある」
「すでに起こった未来をさがせ」
byウォーレン・バフェット
”すでに起こった未来”とは、「一時的な歪みから正常値へ戻ろうとする動き」であることがわかりますね。そこに勝機がある、とバフェットは述べているわけです。
テクニカルは、あくまでも過去(お金がいた場所)を示しているに過ぎない…それよりもマーケットの歪みを見つけて、お金が動こうとしている方向を見極めるほうが優位性が高くないかい?と教えてくれているのです。
チャンスは限定的ですが、優位性は高く、リスクも最小限度に抑えることができます。
バフェットのことばの意味を、よーく考えてみましょう。
「必勝法はただ1つ、『歪み』を見つけよ」by バフェット