FX初心者向け!『トレードシナリオ』の立て方と考え方について…
FX初心者って、どうしても衝動的にトレードをしてしまいがちですよね。
レートの動きに翻弄されて、思わず我を忘れてしまって、”なんとなく行けそう!”で雰囲気でエントリーしてしまうんですね。勝てるときもありますが、大抵は逆行時に耐えられず損切りしてしまいます。
なぜか?
それは確固たるトレードシナリオが皆無だからです。仮にトレードシナリオを作っていても、曖昧であることが多いという印象です。
トレードシナリオは大海原を無事に横断するための『航海図』だ
トレードシナリオは、いわば大海原を無事に横断するための『航海図』のようなものです。
右も左もわからない大海へ、航海図を持たずに漕ぎ出すのは自殺行為です。大海原には危険が無数に存在しますよね。浅瀬や暗礁などの目に見えない海底の障害物、刻一刻と変化する潮の流れ、そしてなによりも目標物がなければ、どちらに進んでよいのかすらわかりません。海難事故を避けるためには、GPSコンパスや航路標識・陸上の目標物(灯台など)などが不可欠です。
FXトレードも同じです。”百戦錬磨のつわもの”、そして魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈する相場においてあなたが生き残るためには、確固たる指針とルールが必要なのですね。
まずは堅牢な資金管理法をひとつ決めよう!
FX初心者が最初にやるべきことは、資金管理法をひとつ、決めることです。資金管理法がなければ、あなたの大切な資金は一瞬にして枯渇します。資金がなくなれば退場しかありません。
FXは資産運用の一つですが、当然リスクの高い投資であるため、全資産の20〜30%以内に抑える必要があります。あなたの預貯金が100万円ならば、そのうちの20万円〜30万円をハイリスク投資(FX)で運用することを考えるべき。決して100万円全額をハイリスク投資にブチ込むべきではありません。
FX投資に振り分ける資金が決まったら、具体的な資金管理法を決めます。
おすすめは『2%ルール』&『6%ルール』
一番のおすすめは、アレキサンダー・エルダーの『投資苑2』で紹介されている『2%ルール』&『6%ルール』です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
FX初心者はとりあえず『2%ルール』と『6%ルール』だけ意識して資金管理していれば大丈夫です。複雑な資金管理法は、FXに慣れてからでも遅くはありません。
あなたの資金(ハイリスク投資用)が30万円ならば、その2%である6,000円をリスク許容額として一回のトレードに使用します。もしも6,000円を失うことに心理的な抵抗を感じるならば、2%ではなく1%まで減らします。つまりリスク許容額を3,000円まで落とすということ。この辺りの詳しいお話は以下の記事をご覧ください。
『2%ルール』と『6%ルール』をベースに、自分のリスク許容度に応じてアレンジすれば、まずは資金管理としては安泰です。
具体的なトレードルールを立てる
資金管理法を決めて初めてトレードルールを立てることが可能になります。あなたが決めた資金管理法によって、一度のトレードでリスクに晒(さら)すことのできる金額が決まるからです。
リスクに晒す額が小さければ、当然大きなリターンは望めません。まあ、あたりまえですよね。3,000円のリスクで10万円のリターンを狙うトレードは可能性がゼロとは言いませんが、極めて非現実的です。結局、リスクとリターンはある程度バランスが取れているんですね。実際にやってみれば実感するはず。
さて、トレードルールです。トレードルールはトレードスタイルとも密接に関連しています。
あなたがどのような投資環境におかれていて、どのような性格であるか?によってスタイルは変わってきます。投資に使える時間はどれくらいなのか、投資に使える資金の量はどれくらいなのか、リスクを好むのか、それとも避けるのか、長期投資なのか短期投資なのか…それこそ投資家の数だけ投資スタイルがあるといえますよね。
FX初心者は、自分に合っていそうなトレードスタイルをまず見つけることが先決です。スキャルピングが合っているのか、それともスイングトレードのほうがマッチしているのか?これらは実際にやってみなければわかりません。取り敢えず、最初は色々と手を出しても良いと思います。その際に先に決めた資金管理法をしっかりと守ることが重要です。
この時期は高額のFX商材などを買うべきではありません。FX投資法はネットや書籍でいくらでも拾えます。ある程度トレードスタイルが定まるまで試行錯誤の時間が必要です。この時期にFX商材を買い漁ってしまうのは悪手です。買ったFX商材が無駄になってしまう可能性が高いからです。
FX商材は購入するべき?
もしもあなたがFX商材の購入を検討しているならば、購入のタイミングはある程度自身のトレードスタイルを絞り込んでからです。
スイングトレード(長期投資)で行こう!と決めたならば、スイングトレード関連のFX商材を検討する。あるいは、スキャルピングを極めるぞ!と決めたならば、スキャル商材を検討する…というように自身のトレードスタイルを高めるためのFX商材を検討するべきです。
もちろん、FX商材を買わなければいけないということでもありません。検索能力と時間があれば、ネット上で大半の情報は入手できる時代です。わざわざ高額のFX商材を買う必要などありません。
では、FX商材を買う理由はどこにあるのか?それは、手間(時間と労力)の短縮です。
FX商材は、統計的に優位性のあるロジック(手法・システム)を、第三者が再現できる形で提供してもらうことに存在意義があり、価値があります。その価値に対して私たちは高い対価を支払うわけです。裁量マニュアルも、オリジナルインディケーターも、EA(自動売買システム)も、すべて同じです。
その手法・システムに、統計的な優位性がなければ単なるゴミです。仮に優位性があっても、第三者が再現できなければ、同様にゴミでしかありません。
優位性があるかどうかを、販売者は事前に販売ページなどで明確に提示をすべきです。事前に中身を確認できないFX商材であるからこそ、これは販売者の義務でしょう。
FX情報商材とはこうあるべきです。だから書籍に比べて高額なのです。
FX商材の存在意義は、確率統計的に優位性のあるロジック(手法・システム)を、第三者が再現できる形でパッケージングしてあるから高額なのですね。もしもFX商材が存在しなければ、無数に存在するロジックをあなた自身が優位性を検証しなければなりません。その時間と労力を考えてみましょう。
もちろんFX商材の中にはゴミのようなものも数多く売られています。だからこのブログのような検証サイトの存在意義があるわけですね。
まずは自身のトレードスタイルを絞り込む。それからトレードスタイルに合致した手法を検証&ブラッシュアップする、という流れです。その検証やブラッシュアップの一助となるものの一つとしてFX商材は存在します。
トレードスタイルを絞り込んでいない段階なのに、最初からFX商材を購入してはいけません。お金をドブに捨てることになります。
自身にマッチしたトレードスタイルを絞り込むまでは、ネットや書籍で情報収集しましょう!
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トレードシナリオってそもそもなに?
トレードシナリオって何でしょうか?シナリオとは脚本のことですよね。ドラマや映画で使われる脚本=シナリオです。脚本ですから、すべての動き・セリフが予め決められていて、演者は脚本に沿って演技をします。
トレードシナリオも同じです。全てのアクションを予め決めておき、 寸分の狂いもなく正確に決められたとおりに行動することです。トレードには最低でも以下の3つのアクションが必要です。
- エントリー
- 利益確定
- 損切り
最低限この3つのアクションが決まっていなければシナリオといえません。上級者になればさらに…
- トレイリングストップ
- ピラミッディング
- etc.
などより複雑なアクションが加わります。
まずは”予測”
そしてアクションを決めるためには、相場を予測する必要がありますよね。売りで入るのか、それとも買いで入るのか?ブレイクすると予測するのか?それとも反発する可能性が高いのか?レンジ相場と見るのか、トレンド相場と見るのか?
長期足(日足や月足)のトレンドをチェックし、意識されるラインを引き、テクニカルの値を見定め、明確な予測をします。
そもそも予測をしないとトレードできないですよね?
予測なのでガチガチに考える必要はありませんが、ある程度明確に立てる必要があります。つまりアクションを起こすための根拠です。根拠を明確にすることが大切なのです。
例えば…以下のチャート図はドル円の日足です。
日足チャート等を眺めながら、相場を予測します。
次の上値抵抗の110.50までは伸びるかもしれないし、110円という節目で一旦押さえ込まれる可能性も否定できない。とても読みづらい相場だ。
とはいえ短期トレンドは上昇なので、今日は「買い」で入ろう!
「読み」は外れても仕方がありません。でもシナリオの背景となる予測は絶対に必要です。なぜ「買い」で入るのか?その理由付けが必要なのです。
これらの「読み」は、アナリストを参考にしても良いと思いますよ。複数のアナリストの為替予想を読みつつ今日の方向を決める、これもアリです。
ガチガチのテクニカル派でファンダメンタルズなど無視してテクニカルのみでトレードする…というトレーダーも少なからず存在します。それも別に否定はしませんが、最近はファンダメンタルズ重視のトレードスタイルが主流のように感じます。
初心者は積極的に『IFOCO注文(IFO注文)』を活用する
その日の読みをベースにして、執行時間足における具体的なシナリオを構築していきます。シナリオは各人のトレードスタイルによって異なるでしょう。ブレイクアウトを狙うのか?それともレンジからのカウンター(逆張り)を狙うのか?はたまたパーフェクトオーダーを待つのか?
使用するテクニカルも手法によって異なります。手法は違えど、どのような手法(ロジック)にも、以下の3つのポイントは必ず入っているはず。
- エントリー
- 利益確定
- 損切り
手法によっては、含み益を伸ばしたりストップを切り上げるなど様々でしょう。手仕舞いに時間を活用する手法もあります。しかしあなたがFX初心者ならば、まずは3つのポイント(エントリー、利益確定、損切り)を明確にしたトレードをすることをオススメします。
そして必ずIFOCO注文(IFO注文)でトレードをするべき。なぜなら、あなたはルールを守れない可能性が高いから。
初心者ほどチャートから目が離せません。チャートの動きを見ていれば、心は乱されます。だって刻一刻とあなたのお金が増えたり減ったりしているのですから。平常心でいることなど不可能です。IFOCO注文(IFO注文)していなければ、あなたは必ずルールを破ります。
だからFXで勝ちたいならIFOCO注文(IFO注文)だけでトレードしろ!なのですね。
むしろIFOCO注文(IFO注文)を設定したら、あとはチャートを見ない!と決めるくらいでOKです。負けてもOKです。負けたら振り返りをおこない、その原因を自分なりに考えます。それを次のトレードに活かすことが大切です。連続で負けた場合は、6%ルールを思い出してください。
6%ルールとは、口座資金の総額が前月末から6%減少したところで、その月のトレードをすべて中止するという厳しいルールです。
2%ルールと併用するわけですから、例えば月初から3連敗したら、もうその月はトレードができないということになりますね。
取引は中止してロジックを再検証する期間に充ててください。トレードルールの優位性に課題がある可能性があるからです。
こうした地道な作業を繰り返しつつ、少しずつ投資スキルを向上していく。多くの生き残っているトレーダーが辿ってきた道です。
”すべての行動に理由を探せ!”
「すべての行動に理由を探せ!」世界的なポーカープレーヤーである木原直哉(きはらなおや)さんの言葉です。
木原直哉さんは東京大学卒のプロポーカープレーヤーであり、2012年のポーカー世界大会での優勝経験を持ちます。
ポーカーには様々な勝負の仕掛けどころがあります。その一つ一つの行動(判断・決断)に、必ず理由が必要だということです。自分の直感には、一切頼らないそうです。
ポーカーのような「運の要素(=手札)」が大いに入ってくるゲームに対して、一切の直感を排除してロジカルに行動することが勝利につながるという持論です。
ところで、木原直哉さんの格言「すべての行動に理由を探せ」は、FX投資にも当てはまる事だと思いませんか。
- 「なぜ、ここでエントリーするのか?」
- 「なぜ、ストップはこのポイントなのか?」
- 「なぜ、リミットはここなのか?」
- 「なぜ、ロングなのか?」
自分の投資行動(決断)に対して、明確な理由がありますか?
すべての判断・決断において、必ず理由(根拠)を探すということは、簡単なようで非常に難しい行為です。しかし、「なぜ?」を怠り直感に頼れば、たちまち勝負の世界から脱落してしまいます。
あなたは、自分の「直感」や「印象」に頼ってトレードしていませんか?
- 「なぜ、ここでエントリーするのか?」
- 「なぜ、ストップはこのポイントなのか?」
- 「なぜ、リミットはここなのか?」
- 「なぜ、ロングなのか?」
すべての投資行動(アクション)に明確な理由を探すために、トレードシナリオが存在するといっても過言ではありません。
あいまいな直感や印象に頼ることなく、「なぜ」を突き詰めて明確な理由を探し続けることが投資スキル向上には欠かせません。「なんとなく」では勝ち残れないのです。
トレードシナリオは、「なぜ?」に答えるためのツールでもあるのですね。