FX初心者が「逆張り」で勝てない本当の理由
FX初心者ほど逆張りを好みます。そして勝てません。「そろそろ反転するはずだ…」と自分勝手な予測をして、安値で買い、高値で売ろうとします。逆張りトレードは、相場を正しく予測する技術が求められ、思惑通りにハマれば非常に気持ちの良いトレードができます。自分の読みが当たったわけですから、全能感を得たかのような快感を感じます。
実際に逆張りトレードで連続して勝つこともありますが、長期的にはなかなか結果を残せません。なぜでしょう?
それは逆張りが常に「先を読む」ことを求められるトレードだからです。相場の「先を読む」ことがいかに困難(不可能と言っても過言ではない)であるか…FX初心者にはなかなか理解できません。
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『Trade What You See(見たままをトレードせよ)』
投資の世界には様々な格言がありますが、最も有名なもののひとつに「Trade What You See」があります。意味は「あなたが見たままをトレードせよ」です。
「Trade What You See」には派生格言もあって、「Trade What You See. Not What You Think.」(あなたが思うものではなく、あなたが見たままをトレードせよ)などもあります。
この格言の意味するところは、「予測をするな!」「流れに乗れ!」ということです。つまり「トレンドフォローに徹せよ」ですね。
FXで勝つためには「傍観者」に徹することが必要
私の愛読書でもある『FX最強チャートGMMAの真実』にも同様のフレーズがあります。引用して紹介します。
つまり、「傍観者」に徹することがFXで勝つためには必要なのです。
(中略)
要するに、「個人投資家でも世界と戦える」「為替市場の流れを変えうるメインプレーヤーになれる」というイメージは幻想にすぎないということです。
個人投資家というのはいくら財力があったとしても、為替相場という”いくさ(戦)”においては、直接、戦争に参加していない傍観者でしかないのです。
(中略)
自分が戦いに直接参加していない以上、重要なのは、”いくさ”でどちらが勝ち組になり、どちらが負け組になるかを傍観者として見極めて、勝ち組の勢いに乗ることです。
(中略)
個人投資家はいくさに参加していない以上、相場には勝てません。
(中略)
いくさを冷静に傍観者の目で見て、ロング筋(買い方)とショート筋(売り方)のどちらが勝ったか、予測ではなく結果を判断して乗る以外ないのです。
これが、トレンドフォローでしか勝てないFXの真実です。
『FX最強チャートGMMAの真実』の著者である陳満咲杜氏は、「傍観者に徹しろ!」「結局、トレンドフォローでしか勝てない!」と言い切っていますね。
誰だって「主役」になりたい!だけどFXでは「脇役」に徹することが勝ち残るための秘訣だ
誰でも、この世界の「主役」になりたいという思いはありますよね。「脇役人生」なんてつまらないし惨めです。投資の世界でも「主役」になって、連戦連勝トレーダーとして有名になってみんなから称賛を得たいですよね。自分の「読み」がことごとく当たり、天才トレーダーとチヤホヤされ、「先生!」などとよばれる…たしかに気持ちが良いです。
しかしそれらはすべて「幻想」です。投資の世界では「脇役」に徹することこそが勝ち残る秘訣です。あくまでも「脇役=傍観者」として、相場に対して謙虚な姿勢で取り組むことが私たち個人投資家に求められています。
「相場を攻略してやろう!」「相場を予測してやろう!」などと、決して思い上がらないこと。相場をじっと観察し、トレンドが出た方に乗り、少しだけ「おこぼれ」にあずかる…そんな謙虚な姿勢で臨めば、ときどき思いも寄らないビッグトレンドに相乗りできてボーナスがもらえたりします。
自分の思考の正しさを証明するために相場が存在するわけではない
相場は、自分の思考の正しさを証明するために存在するわけではありません。「RSIが○○だけど、ストキャスは○○だから、ここで底をうって上昇するに違いない…よし、このタイミングでロングだ!」これでたまたまうまくいくこともあるでしょう。そうするとますます自分の能力を盲信してしまいます。この循環は良くないですね。
むしろ、相場をじっと観察し「ドルが買われている…上昇トレンドに入ったな…ならば買いでエントリーしよう」とシンプルに考えてトレードしたほうがよっぽどマシです。上昇トレンドと判断して、ダマシだったらすぐに損切りすればよいのです。この柔軟性も”相場を予測しない”から可能なのです。
自分で相場を判断しないこと。誰がみても「上昇トレンド」であると判断したならば、そこに乗っかるのがもっとも容易に勝てる方法であることは間違いありません。もう一度、以下の格言を読んでみてください。
Trade What You See(見たままをトレードせよ)
あなたが見たままをトレードすればよいのです。上昇相場ならばロングで仕掛け、下降相場ならばショートで仕掛ける。どちらかわからない場合は、トレードしない。究極にシンプルですね。
著名トレーダーの相場解説動画は、商業目的で作られた幻想(虚像)
You Tubeなどで著名トレーダーによる相場解説などが人気ですね。相場は一見すると難解に見えます。だからこそ、こうした相場分析動画が人気なのでしょう。複雑難解な相場を様々なテクニカルを駆使して紐解く動画を見れば、自分もすぐれたトレーダーになれるとでも思っているのでしょうか?
賢くなったつもりで相場分析をすれば、いずれ泥沼にハマります。頭でっかちの勝てないトレーダーの完成です。You Tubeのトレード動画や解説動画を見て、「カッコいい!」「凄い!」「あんなふうにトレードしたい!」と思っても、それらは商業目的で作られた幻想(虚像)にすぎません。そんなウソだらけの動画を見ても、百害あって一利なしです。
本当に勝ちたいならば、もっとシンプルに相場を捉えるべきです。分析するのではなく、傍観する。トレンドが発生したと思えば順張りでトレンド方向に仕掛ける。ダマシならば即、損切り。トレンドが終わったら手仕舞い。つまり、シンプルな「トレンドフォロー」こそが相場で長期的に勝ち残るための秘訣ではないかと考えます。
そこには複雑な相場分析など存在しません。相場の大きな流れに相乗りし、そこからこぼれ落ちる利益を確実に手にするだけです。
あなたは選ばれた天才ではない…という現実
「逆張り」は相場を予測する難しい手法であり、一方の「順張り」は相場を予測しない易しい手法です。あなたは選ばれた天才ではありません。もっと謙虚になるべきです。スタイリッシュな「逆張り」を捨てて、野暮ったい「順張り」にチャレンジしてみてはどうでしょうか?
たしかに「順張り」はつまらないし、退屈です。でも、実際に勝っているトレーダーの多くは、つねにつまらなさや退屈感と戦い続けていることを知っておいても損はありません。