1分足スキャル?…やめておけ!
個人的見解(&経験則)にすぎませんが、1分足を使ったスキャルピングはほぼ勝てないと確信しています。「勝てない」という意味は、長期的に利益を残しにくいということ。
もちろん短期的には勝てることも多いでしょうが、トレード回数を増やせば増やすほどコイントスゲーム(コインの裏表を当てるゲーム)に近づき、さらにスプレッド分だけ不利になるため、あなたの資産を減らします。
いや、俺は勝っているよ!と反論する方ももちろんいるでしょう。しかしながら、長期的に(半年〜1年を通じて)勝ち越している人がいったいどれほど存在しているのか?はなはだ疑問です。
スキャルピングは選ばれた人のみが実践できる極めて”高度な手法”であることを知っておくべき
多くの人が勘違いしていることですが、スキャルピングはあらゆる手法の中でも最も難しいとされる手法です。一般的に相場は短い時間で区切れば区切るほどノイズが顕在化(ランダムウォーク)します。スキャルピングはこのノイズの中からわずかな利益を刈り取る高度な手法です。誰もができるわけではありません。
もちろん試し程度に実践してみれば、勝つこともあります。しかし長期的に利益を出しやすいか?といえば「否」です。ティックに近い1分足チャートでのトレードは非常に神経をすり減らします。含み益が次の瞬間あっという間に含み損に変わる激しさを有します。目まぐるしく動くチャートからいっときも目を離すことはできません。
こうしたトレードを長期的に継続できる人はほんの一握りです。そのことを事前に理解しておく必要があります。1時間足や4時間足、日足を使ったトレードのほうが、はるかに容易で利益も出しやすいという事実を知っておくべきです。
脳内麻薬ドーパミンとスキャルピングの切っても切れない関係
スキャルピングやバイオプのように、短時間で勝敗が決ることでお金が増えたり減ったりするトレードは、極めて非日常性が高く、人の感情を揺さぶります。勝てば大量のドーパミンが放出されます。
スキャルピングが楽しい理由は、1回の勝ちトレードによってドーパミンが大量放出され、あなたの脳が強い快楽を感じているからなのですね。脳内麻薬であるドーパミンが過剰に分泌されれば依存症になってしまいます。勝ち続けることが難しいスキャルをなかなかやめられない理由は、ここにありそうです。
「スキャルって簡単に勝てるじゃん!」と思ったら危ない
残念ながら、スキャルで長期的に利益を出し続けることは容易ではありません。極めて高度なスキルが求められるハードモードのトレードなのです。そのことに気付くまでに私自身も多くの勉強代を相場に払いました。
初心者に「スキャルはやめたほうがいいよ」とアドバイスしても、まず聞いてもらえません。なぜなら勝つときは容易に勝てるからです。「簡単じゃん!」と思ってしまうのですね。しかし長期的に(1ヶ月〜数ヶ月以上)利益を残せる人は、ごくごくわずかです。スプレッドという手数料も無視できません。スプレッド以上利幅を狙う必要があるため、リスクも増えます。
スキャルピングは、相場のノイズの中の瞬間的な優位性を見つけ出して、わずかな利益をかすめ取る手法です。薄利をコツコツと積み重ねていくには、タフな精神力と優れた反射神経が求められます。先天的な能力に左右されるので、訓練してどうにかなるものとは思えません。
おせっかいと言われるかもしれませんが、あなた自身に卓越した反射神経と強靭な精神力が備わっていないならばスキャルは避けたほうが無難です。とはいえ、初心者は誰もが一度は通らざるをえない道なのかもしれません。
(中略)
初心者ほどスキャルをやりたがるが、初心者であるほどスキャルでは勝てない・・・という切ないパラドックスが存在するのです。
引用:Easy Scal FX【検証とレビュー】
質問「移動平均線を1分足で使うのはアリでしょうか?」
さて本題です。「移動平均線を1分足で使うのはアリでしょうか?」というご質問をいただきました。うーん、このサイトではスキャルピングの難易度が極めて高いことを幾度となく述べてきたのですが…
1分足トレードなので、当然スキャルピング手法を実践しているのでしょう。そして移動平均線を1分足に表示させてトレードの優位性を探っている…。
即答するならば「あなたが非凡な天才トレーダーでないならば、1分足トレードはやめましょう」とお伝えします。1分足トレードはコイントスゲームとその本質はなんら変わらないのだから。
それでも、どうしても1分足に移動平均線を取り入れてトレードしたいのであれば、こんな方法があります。
GMMAを使います。
GMMAについては何度かピックアップしていますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。
- 【FX手法】Averages GMMA (two color).ex4を紹介するよ!
- GMMAの”押し目・戻り”を確実に捉える方法を紹介するよ!
- GMMA(複合型移動平均線)を使いこなしたい!
- GMMAの鉄板トレード、これで勝てなきゃFXやめろ!
- 【無料】『FX最強チャートGMMAの真実』書籍レビュー
- GMMAのノイズを排除してみたらトレンド相場で無敵になった!
1分足チャートに移動平均線を1〜2本描写させたところで、ノイズを排除することは困難です。だったら、思い切って12本(短期6本+長期6本)の移動平均線を表示させて、ある程度大局的に相場を捉えるように意識するべき。
短期移動平均線群(青いラインの束)と長期移動平均線群(赤いラインの束)との位置関係からトレンドの方向を把握し、トレンド中の押し目や戻りをピンポイントで検出するのに役立ちます。
1分足スキャルでもトレンドが発生すれば、そこそこの利幅を抜くことが可能です。…とここまで解説しておいてなんですが、なにもわざわざ難しい1分足でトレンドフォロー(押し目・戻り)を狙う必要はありません。どうせなら30分足や1時間足以上のチャートで同じことをしたほうが、10倍楽にトレードできます。
結局のところ、1分足でトレードしたい人の大半は、逆張り狙いなのでしょうね。つまりノイズを拾うトレードです。残念ながら、ノイズの動きを予測して逆張りトレードをしている限り、いつまでたってもあなたの資産は増えないでしょう。