BBands Stop.mq4のライン切り替えでENTRYは”悪手”というお話
前回はBBands Stop.mq4の概略について解説しました。
BBands Stop.mq4は以下の3つの特徴を備えています。
BBands Stop.mq4の特徴
- ボリンジャーバンドの偏差ライン(プラス・マイナスシグマ)をベースにしている
- ブレイクアウトで、ライン切り替えをおこなう
- ラインの新値は、前値より後退させない
さて、今回はBBands Stop.mq4でやってしまいがち危険なトレードについて解説します。
ライン切り替えでENTRYはレンジ相場でメッタメタ…
この手のインジケーターで一番やりがちな戦略は、ライン切り替えをENTRYシグナルとすることです。
上のチャート図では、ライン切り替えで売買していますが、一見うまくいっているように見えますよね。特に中央の上昇トレンドは見事に捉えていて大きな利幅を確保できています。しかし、その他の取引はどうでしょうか?利幅は微益もしくは微損という状況です。
特にトレンドがない相場(=レンジ相場)においては、非常にやっかいです。
ご覧の通り、ダマシを連発しています。トレンドが出れば勝てるけど、無風状態ではダマシ不可避…これはあらゆるトレンド系テクニカルに存在する弱点でもあります。
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BBands Stop.mq4を複数表示させてダマシを回避する方法を考察
そもそもBBands Stop.mq4をENTRYシグナルとして使用すること自体に無理があります。BBands Stop.mq4は相場の大局を把握するための環境認識ツールだからです。
それでもあえてここではBBands Stop.mq4を取引システムとして活用できる方法を考察してみます。
一つは期間や偏差の異なるBBands Stop.mq4を複数表示させてダマシを回避する方法です。アイデアとしては比較的メジャーですね。以下のチャートをご覧ください。
デフォルトのBBands Stop.mq4に加えて、標準偏差を3.0に変更したBBands Stop.mq4を重ねて表示させています。
この2つのBBands Stop.mq4が同じ方向を向いている時に、その方向に同調する押し目買い・戻り売りにて仕掛けるというアイデアです。
大きなBBands Stopライン(偏差3.0)に対し、小さなBBands Stopライン(偏差2.0)が、押し目買いや戻り売りのタイミングを示してくれます。
上のチャート図ではBBands Stopライン(偏差3.0)が上昇トレンドを示していますね。そしてBBands Stopライン(偏差2.0)が途中でなんどか切り替わっています。このタイミングが押し目買いです。トレンド終盤ではダマシとなっていますが、それ以外は比較的良いタイミングで仕掛けることに成功しています。
そもそも最初から運良くビッグトレンドの初っ端を捉えることは、そうそうありません。トレンド発生を確認して、その押し目や戻りを狙うことのほうが実際のトレードにおいては、現実的です。
上のチャート図でも最初から下落トレンドを捉えれば、相当のり幅を抜けますよね。でも実際にトレードしていれば、そんな幸運などめったに訪れないことが理解できるはず。
しっかりと環境認識を行いつつ、明確なトレンド発生を確認してから仕掛けのタイミングを探る…この順番は大切です。