MACD｜シグナル線の本質を語ってみようか…

MACDはMACDオシレーターとも呼ばれ、最も人気のあるテクニカル指標の一つです。MT4にも標準装備され多くのトレーダーに知られています。

MACDを構成する要素は3つ。

MACD構成要素

1. MACD線…期間12の指数平滑移動平均線（EMA）から期間26のEMAを差し引いたもの
2. MACDシグナル線…MACDのSMA（期間9）
3. MACDヒストグラム…MACD線からシグナル線を差し引いたもの

今回は「シグナル線」に焦点を当てて解説します。

MACD｜シグナル線とは何か？

MACDのシグナル線は「MACD線を期間9で単純移動平均化した線」です。

計算式もシンプルです。

シグナル線の計算式

単純にMACDの値を過去9本分合計し、それを9で割った値がシグナル値となります。

MACD値を一定期間（9本）過去にさかのぼり、その平均値を算出するだけ。それを繰り返して線で繋げたものがシグナル線となります。

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MACD｜シグナル線が示す潜在的な売買タイミング

計算式はシンプルですが、その意味することろは何でしょうか？MACD値を単純移動平均線化する意味について考えてみましょう。

そもそも単純移動平均線（シグナル線）は、その期間における値（MACD値）のトレンドを示しています。

シグナル線が上向きならば、直近のMACDは上昇傾向にあると判断できます。一方でシグナル線が下向きならば、直近のMACDは下落傾向にあると読み取れます。

また単純移動平均線はその期間における値を平均化して滑らかにした、つまり感度を鈍くしたラインでもありますよね。

つまり、「速い」MACD線の過去9期間の平均を取り、「遅い」移動平均としてプロットしたものがシグナル線。

• MACD線…短期トレンド・速い・感度が高い
• シグナル線…長期トレンド・遅い・感度が鈍い

短期線（感度が高い線）と長期線（感度が鈍い線）を同時に表示すると、レート変動に応じて2本の線が狭まったり（収束）広がったり（拡散）しますよね。だからMACD（移動平均線収束拡散）と呼ばれるわけです。

2本の線は「速度」が異なるため、速い方が遅い方よりも明らかに早く値動きに反応します。

新しいトレンドが発生すれば、速い線（MACD線）が先に反応し、その後、遅い線（シグナル線）とクロスします。

この「交差」が発生し、速い線が遅い線から「乖離」し始めると、新しいトレンドが形成されたことを示唆します。

たとえば、短期線（MACD線）が長期線（シグナル線）を上回るケース（ゴールデンクロス）。このときは短期的なトレンドが長期的なトレンドを上回るわけですから、上昇基調にあると判断できます（下図）。

一方で短期線（MACD線）が長期線（シグナル線）を下回るケース（デッドクロス）。このときは短期的なトレンドが長期的なトレンドを下回るわけですから、下落基調にあると判断できます（下図）。

このことから、MACD線とシグナル線の交差は、潜在的な買いシグナル・売りシグナルを示唆してくれるのです。

MACDによる潜在的な買いシグナルと売りシグナル

• MACDとシグナルがGC→潜在的な買いシグナル
• MACDとシグナルがDC→潜在的な売りシグナル

交差が必ずしも売買タイミングになるわけではなく、あくまでも潜在的な売買シグナル（強気or弱気）を示唆するだけですので注意が必要です。交差を売買シグナルにするにはさらに他のフィルターを用意する必要があります。

あるいは、MACD、正しい”見方”を解説するから読みなよ。で解説したように、ピークアウトやボトムアウト後の交差のみを拾うなどの工夫が不可欠。

MACDのピークアウト・ボトムアウトによる相場転換を判断する見方を解説します。

MACDがプラス圏内で大きく上昇し、その後ピークをつけて反転（ピークアウト）。さらにシグナルラインとデッドクロスしたときが相場転換（上昇→下落）と判断します。

MACD｜相場転換｜上昇から下落

次に、MACDがマイナス圏内で大きく下落し、その後底でピークをつけて反転（ボトムアウト）。さらにシグナルラインとゴールデンクロスしたときが相場転換（下落→上昇）と判断します。

MACD｜相場転換｜下落から上昇

引用：MACD、正しい”見方”を解説するから読みなよ。