証拠金維持率とレバレッジの関係性を正しく理解しよう!
これまで、証拠金維持率を意識することで追証や強制ロスカットを回避できるお話をしてきました。
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今回は、証拠金維持率とレバレッジの深い関係性について解説します。
証拠金維持率って、レバレッジによって変わるのかな?
ほほー!良いところに気がついたの!
実は、証拠金維持率とレバレッジは非常に深い関係にあるのじゃよ!
証拠金維持率の算出方法を振り返ってみましょう。
計算式は以下の通り。
計算式でポイントとなるのは、2つのお金。つまり…
- 有効証拠金
- 必要証拠金
有効証拠金が必要証拠金に対して大きければ証拠金維持率は高くなり、逆に有効証拠金が必要証拠金と比べて小さくなれば証拠金維持率は下がります。
有効証拠金と必要証拠金の比率こそが、証拠金維持率なのじゃよ。
有効証拠金は口座残高に含み益or含み損をプラスマイナスした金額なので、レバレッジは関係ありません。
なぜなら、有効証拠金に影響を与える含み益や含み損は、値幅(損益pips)とロット数(ポジションサイズ)でのみ決まるからです。
レバレッジの倍率(必要証拠金のサイズ)によって証拠金維持率が変化する
一方、必要証拠金は、取引するのに必要な1通貨あたりのお金(担保金)のことです。一例を挙げると、米ドル円(USD/JPY)1万通貨(1ロット)を取引するのに必要な証拠金は以下の表の通り。わかりやすく1ドル=100円での計算です。
レバレッジ | 必要証拠金 |
1倍 | 1,000,000円 |
5倍 | 200,000円 |
10倍 | 100,000円 |
25倍 | 40,000円 |
100倍 | 10,000円 |
200倍 | 5,000円 |
400倍 | 2,500円 |
1000倍 | 1,000円 |
レバレッジが低ければ必要証拠金額は大きくなり、レバレッジを高くすれば(ハイレバにすれば)必要証拠金額は小さくなります。
となると、以下の事実が導き出されます。
レバレッジ(倍率)と証拠金維持率の関係性
- レバレッジ(↑)➔ 証拠金維持率(↓)
- レバレッジ(↓)➔ 証拠金維持率(↑)
レバレッジ(倍率)を高くすればするほど、取引に必要とされる証拠金額は小さくなるので、結果的に証拠金維持率(%)は上昇します。
逆にレバレッジ(倍率)を低くすればするほど、必要証拠金額は大きくなるため、証拠金維持率(%)は下落します。
ハイレバにするほど(必要証拠金を小さくするほど)証拠金維持率は高くなる
ハイレバにしたほうが証拠金維持率は下がるの?
ハイレバは危険だっていう噂があるから、逆なのかと思ってたよ…
そうなんじゃよ。
レバレッジを大きくしたほうが、実は証拠金維持率は下がるため、むしろ追証やロスカットリスクを小さくすることができるのじゃ。
ここは意外と盲点かもしれんの。
以下の記事も参考になります。
追証・強制ロスカット発動までの距離は、実はハイレバの方が長い(=安全)
追証・強制ロスカット発動までの距離は、同一ポジション・同一値動きならば実はハイレバに設定したほうが長くなります。つまりより安全になるということ。
レバレッジ25倍の場合
- 資産20万円、証拠金40,000円で1万通貨を取引(=レバ25倍)
1円下落で損益は▲10,000円
資産20万円に対する損失の割合は…5%
証拠金維持率の変化…500%➔475%レバレッジ400倍の場合
- 資産20万円、証拠金2,500円で1万通貨を取引(=レバ400倍)
1円下落で損益は▲10,000円
資産20万円に対する損失の割合は…5%
証拠金維持率の変化…8000%➔7600%ご覧の通り、レバ400倍のほうが高い証拠金維持率をキープできています。つまり追証発生やロスカットまでの距離が長い=安全であることを意味します。
ハイレバ否定派の「ハイレバは危険!」は論点のすり替えであり詭弁である
結局のところ、ハイレバ否定派の「ハイレバは危険!」は論点のすり替えであり詭弁にすぎないのです。
ハイレバで副次的に可能となる過剰ポジションサイズが危険なのであり、過剰ポジション取引はハイレバであろうとローレバであろうと危険な行為なのです。
リスクにレバレッジは直接的には関係しません。
ハイレバ取引が、危険だったり無謀だったりするわけではありません。ハイレバ取引ではなくオーバーポジションでの取引が危険なのですね。その点を理解した上でハイレバ業者を利用するのは戦略的に全く問題ないことを知っておくべきです。