pips(ピップス)は投資効率を測る指標として使うと便利という話をしました。
損益金額ではなく、損益pipsで取引結果を分析することで、自身のパフォーマンスを正しく捉えることが可能になります。
とはいえ、あらゆるトレード目安をpipsで算出することにはリスクもあります。
損切りの目安にpips(ピップス)を使う場合は要注意!
投資効率分析に役立つpipsですが、その一方で使い方を誤るとリスクもあります。
それは、FX初心者が安易にpipsのみを損切りの目安に使うこと。
これはオススメしません。
安易にpipsだけで損切り幅を決めるのは注意が必要じゃよ!
”安易に、損切り幅をpipsのみで決めてしまうこと…”これは、FX初心者だけでなく意外と中級者でもやりがちなのですよね。
…10pips下(上)に損切りライン(ストップロス)を置いておこう…
…5pips戻したら損切りしたほうが良いな…
…あと15pips逆行したら一旦損切りしよう…
などなど。
どうして、(盲目的に)pips単位のみを損切り目安に使うのはダメなのでしょうか?
損切り幅を”pipsのみ”で判断することのリスクとは?
FX初心者は、(盲目的に)損切り幅をpipsのみ判断することはオススメしません。
なぜなら、ロット数(ポジションサイズ)によって損切り金額が変わってくるからです。
詳しく解説するために、二人のトレーダーに登場してもらいましょう。
損切り幅は50pipsにします!
損切り幅は50pipsにします!
どちらのトレーダーも、損切り幅を50pips固定にすると述べています。
ところが…
ロット数は1枚(10,000通貨)でトレードしています。
ロット数は0.1枚(1,000通貨)でトレードしています。
女性トレーダーは0.1ロット(1,000通貨)での取引ですが、男性トレーダーは1ロット(10,000通貨)での取引です。
※ロットの単位(定義)はFX会社によって異なります。ここでは1ロット=10,000通貨で解説しています。
思惑虚しく二人とも損切り(▲50pips)を食らったとしましょう。二人の損失額はいくらになるでしょうか?
▲5,000円の損失でした…
▲500円の損失でした…
どちらも▲50pipsの損切りだったのに、損失額は10倍もの差が開いてしまいました。
実は、同一pipsでもロット数(ポジションサイズ)の設定によって金額が大きく異なるのです。FX初心者はこの点を忘れてしまいがちなのですね。
盲目的に損切り幅をpipsのみで固定してしまうと、実際に損切りを食らったときの損失額の大きさに驚いてしまうことがあります。
では、どうすればよいか?
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FX初心者は、損失許容金額からロット数(ポジションサイズ)を算出しよう
大切なことは、1取引における損失許容金額からロット数(ポジションサイズ)を算出する手順を踏むことです。
まず自分の損失許容金額(1回の取引で失っても問題ない金額)を決めます。
例えば、総資金の2%など。
10万円の元手ならば、その2%、つまり2,000円ですね。まずは、一度の取引で負けても問題ない金額が2,000円であると決めます。
次に損切り幅(SL)をpipsで確認します。SL幅は手法やスタイル、リスクリワードによって各自異なりますので、都度決めましょう。
一例として、SLを20pips(0.2円)とします。
USD/JPY(米ドル円)における1pipsは、0.01円(1銭)じゃから、20pipsは0.2円じゃよ。
損失許容額(2,000円)と損切り幅(20pips=0.2円)がわかれば、適切なポジションサイズを計算できます。
ポジションサイズ
=許容損失額÷損切り幅
=2,000円÷0.2円
=10,000
つまり、10,000通貨(1ロット)が適切なポジションサイズとなるわけです。
損失許容額と損切り幅から、適切なポジションサイズを算出するのじゃよ。
先の例では損切り幅は50pipsでしたね。10万円の資金に対して2%の損失許容額を設定していたとします。SL幅は50pipsですので0.5円です。適切なポジションサイズは…
ポジションサイズ
=許容損失額÷損切り幅
=2,000円÷0.5円
=4,000
つまり、4000通貨(0.4ロット)が適切なサイズとなります。
※ロットの単位(定義)はFX会社によって異なります。ここでは1ロット=10,000通貨で解説しています。
言い換えるならば、取引開始前に損切り幅(SL)に応じた適切なポジションサイズを定めるということ
言い換えるならば、取引開始前に損切り幅(SL)に応じた適切なポジションサイズを定めるということ。
そして一度決めた損切り幅(SL)は極力動かさない。動かす場合は、事前にシナリオを立てた上で(許容範囲内で)ルールに従って動かすこと。
そうしないと、損失額をコントロールできなくなり、あっという間に資金が減ります。
ポジションサイズの重要性は、改めて別の記事にて詳しく解説する予定じゃよ。