これまでpips(ピップス)に関する基礎を解説しました。
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- 日本円(JPY)が絡まない通貨ペアの1pipsが小数点第4位なのに、日本円(JPY)が絡む通貨ペアだけが小数点第2位なのはなぜ?
- 最小単位がpips(ピップス)なのに、どうして0.1pipsという単位が生まれたのか?
ここからは、いよいよ実践です。実際のFX取引でpipsをどのように活用するのか具体的に解説していきます。
1pipsはいくらか?
1pipsがいくらを示しているのかは通貨ペア毎に異なります。以下は前々回の復習。
日本円が絡む通貨ペアにおける1pipsの値幅
- USD/JPY(米ドル円)…1pips=0.01円(1銭)
- EUR/JPY(ユーロ円)…1pips=0.01円(1銭)
- GBP/JPY(英ポンド円)…1pips=0.01円(1銭)
- CHF/JPY(スイスフラン円)…1pips=0.01円(1銭)
例えばUSD/JPY(米ドル円)が113.123円から、113.173円に変化すれば、5pips(0.05円)上昇したと読み取ります。
113.123円 ➔ 113.173円 ならば…
5pips(0.05円)上昇したと読み取る
日本円が絡まない通貨ペアにおける1pipsの値幅
- EUR/USD(ユーロ米ドル)…1pips=0.0001ドル
- GBP/USD(英ポンド米ドル)…1pips=0.0001ドル
- EUR/GBP(ユーロ英ポンド)…1pips=0.0001ポンド
- EUR/CHF(ユーロフラン)…1pips=0.0001フラン
EUR/USD(ユーロ米ドル)ならば次の通り。
1.13257ドル ➔ 1.13227ドル ならば…
3pips(0.0003ドル)下落したと読み取る
ここまでは簡単ですね。
1pipsあたりの損益金額を計算してみよう!
ここからやや難しくなります。頑張って学んでください。
1pipsの変化幅を理解したら、実際のFX取引における1pipsの損益金額を計算します。実際にどれくらい利益が出たのか?あるいは損失が発生したのかを算出します。
以下の計算式をまるまる覚えてください。
1pipsの損益額計算式
上の計算式を丸暗記するのじゃ。
日本円(JPY)が絡む通貨ペアの場合
USD/JPY(ドル円)で計算してみます。取引量が1万通貨(1ロット)のケースでは…
損益 = pips ✕ 取引量
損益 = 0.01円 ✕ 10,000通貨(1ロット)
損益 = 100円
つまりUSD/JPY(ドル円)における1pipsあたりの損益額は、10,000通貨(1ロット)の場合では100円ということです。
10,000通貨(1ロット)でUSD/JPYが1pips上昇後に決済すれば100円の儲けとなり、5pips下落して決済すれば500円の損失となります(買いポジションの場合)。
ロットの単位(定義)はFX会社によって異なるから、ここでは10,000通貨=1ロットで解説しているぞ。
では10万通貨(10ロット)の場合は?
損益 = pips ✕ 取引量
損益 = 0.01円 ✕ 100,000通貨(10ロット)
損益 = 1,000円
そして、マイクロロット=1,000通貨(0.1ロット)の場合は、1pipsあたりの損益額は10円です。
まとめると次の通り。
※ロットの単位(定義)はFX会社によって異なりますが、ここでは10,000通貨=1ロットで解説しています。
日本円(JPY)が絡まない通貨ペアの場合
次に日本円(JPY)が絡まない通貨ペアのケースを見ていきましょう。
計算式は同じです。
1pipsの損益額計算式
例えば、GBP/USD(英ポンド米ドル)の場合。
1pips=0.0001ドル、でしたよね。
取引量が1万通貨(1ロット)のケースでは…
損益 = pips ✕ 取引量
損益 = 0.0001ドル ✕ 10,000通貨(1ロット)
損益 = 1ドル(≒113円)
※2022年1月24日現在での為替レートにて…
GBP/USD(英ポンド米ドル)における1pipsあたりの損益額は、10,000通貨(1ロット)の場合では1ドル(≒113円)となります(※2022年1月24日現在での為替レート)。
10,000通貨(1ロット)でGBP/USDが1pips上昇後に決済すれば1ドル(≒113円)の儲けとなり、5pips下落して決済すれば5ドル(≒565円)の損失となります(買いポジションの場合)。
※ロットの単位(定義)はFX会社によって異なりますが、ここでは10,000通貨=1ロットで解説しています。
まとめると次の通り。
※ロットの単位(定義)はFX会社によって異なりますが、ここでは10,000通貨=1ロットで解説しています。
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【注意】pips計算を丸暗記するまえに必ずFX会社の定義を確認すること
先に解説したとおり、pips(ピップス)の計算そのものは非常にシンプルであり、単純な掛け算で算出可能です。
ただ、単位の定義がFX会社によって異なる点に注意が必要です。
ロット単位、pips単位などが統一されているわけではないのですね。
1pipsの定義
- 円絡み通貨ペアは小数点第2位を1pipsとする
- 円が絡まない通貨ペアは小数点第4位を1pipsとする
pipsの定義は通常上の通りですが、FX会社によっては…
1pipsの定義(別のFX会社)
- 円絡み通貨ペアは小数点第3位を1pipsとする
- 円が絡まない通貨ペアは小数点第5位を1pipsとする
と独自定義している場合もあります。
またロットの数え方も…
- A会社…1ロット=1万通貨(10,000通貨)
- B会社…1ロット=10万通貨(100,000通貨)
とバラバラで、統一されているわけではありません。
「円絡みは、1ロット=1万通貨で1pips=100円!」と盲目的に暗記する前に、必ず使用しているFX会社の定義を確認してください。
- 1ロット=10,000通貨とする
- 円絡み通貨ペアは小数点第2位を1pipsとする
上の2つの定義を採用しているFX会社ならば、「円絡みは、1ロット=1万通貨、1pips=100円!」と暗記してしまっても大丈夫です。そうすればあとは単純な掛け算です。
10ロット&10pips ➔ 100円 ✕ 10 ✕ 10 = 1万円
5ロット&3pips ➔ 100円 ✕ 5 ✕ 3 = 1,500円
暗記するのも良いが、必ず使っているFX会社の定義(ルール)を確認することじゃよ。