海外FXの「ハイレバは危険!」の誤解を解く
「ハイレバは危険!やめとけ!」って言ってた奴、ちょっとこいで、ハイレバは危険ではないとお伝えしたのですが、まだ説明が不十分だったようですね。こんな質問をいただきました。
ハイレバが危険じゃないのに、どうして「危険!」と言っている人が多いのでしょうか?
よくわかりません。
FXにおけるレバレッジに関しては、誤解も多く、正しく理解せずに発言している人も少なくありません。特に海外FX会社を否定する際に「ハイレバ=危険」という論調を見かけます。
整理の意味も含め、ハイレバのメリットとデメリットをここでまとめておきます。
レバレッジを高くすること(=ハイレバ)のメリットとは?
レバレッジを高くする(=ハイレバ)メリットは、必要証拠金が少額で済むことです。
同一ポジションサイズ(例えば10,000通貨)を取引する場合で考えてみましょう。米ドル円を10,000通貨取引する場合は、レバレッジ1倍ならば100万円が必要です(米ドル円=100円で換算)。
以下は、米ドル円(USD/JPY)1万通貨を取引するのに必要な証拠金がいくら必要か?をレバレッジ毎にまとめた表です。
レバレッジ | 必要とされる証拠金 |
1倍 | 1,000,000円 |
5倍 | 200,000円 |
10倍 | 100,000円 |
25倍 | 40,000円 |
100倍 | 10,000円 |
200倍 | 5,000円 |
400倍 | 2,500円 |
1000倍 | 1,000円 |
国内FX業者の上限レバレッジは25倍ですので、1万通貨(100万円)取引には40,000円を用意する必要があります。※100万円÷25=40,000円
一方海外FX業者はさらに大きなレバレッジが可能なため、レバレッジを大きくすればするほど、必要な証拠金の額は小さくなります。レバレッジ400倍にすれば、1万通貨取引に必要な証拠金は2,500円しかかかりません。※100万円÷400=2,500円
つまり2,500円で1万通貨=100万円の取引が可能になるのです。これがレバレッジ(ハイレバ)最大の魅力であり、メリットです。
ハイレバにしてもロット数と値幅が同じならば損益は変わらない
さて、下の2つの取引において、1円(=100pips)の値動きが発生したときの損益はいくらでしょうか?
- レバレッジ25倍(40,000円の証拠金)で1万通貨を取引
- レバレッジ400倍(2,500円の証拠金)で1万通貨を取引
答えはこちら。
- レバレッジ25倍の場合…±10,000円
- レバレッジ400倍の場合…±10,000円
※1pips=0.01円 100pips=1円 100pips✕1万通貨=10,000円
どちらも±1,000円です。
なぜなら…ポジションサイズ(=1万通貨)と値幅(=100pips)が同じならば、レバレッジに関係なく損益額は同じだからです。
前回の記事で、お金が減る(あるいは、増える)スピードに直接影響する要素は以下の2つであると解説しましたね。
お金が減る(あるいは、増える)スピードに直接影響する要素
- ポジションサイズ(ロット数)
- 値幅(pips)
お金が減るスピードに直接影響するのは”ポジションサイズ(ロット数)”と”値幅”のみであり、レバレッジの大きさは全く関係ないことが理解できましたでしょうか。
え!
少ないお金でたくさんの通貨を取引できて、しかも損益は変わらない…ってハイレバってすごいメリットあるじゃん!
だったらなんで「危険!」て言われるの?
実は、ハイレバ否定派連中は、意図的に論点のすり替えをおこなっているのじゃよ。
まずは、ハイレバ否定派の主張をみようじゃないか。
レバレッジを高くする”リスク”とは?
では次に、レバレッジを高くすることでどのようなリスクがあるのかを、ハイレバ否定派の主張から考察してみましょう。
先ほど、ハイレバのメリットは必要証拠金が少額で済むことであると述べました。これは裏を返せば、同じ証拠金額でより多くのポジション(ロット数)を保有することが可能になることを意味します。
先の表をもう一度ご覧ください。
レバレッジ | 必要とされる証拠金 |
1倍 | 1,000,000円 |
5倍 | 200,000円 |
10倍 | 100,000円 |
25倍 | 40,000円 |
100倍 | 10,000円 |
200倍 | 5,000円 |
400倍 | 2,500円 |
1000倍 | 1,000円 |
※ドル円=100円、1万通貨を取引する際に必要な証拠金額一覧(レバレッジ毎)
レバレッジ25倍で必要とされる証拠金額は40,000円です。
一方、レバレッジ400倍に設定した場合、必要な証拠金額は2,500円で済みますね。つまり16分の1のお金で済むということ。言い換えると、同一証拠金額(ここでは4万円)でレバレッジを400倍に設定すれば、レバ25倍に比べて実に16倍ものポジション(=16万通貨)を取引することが可能になることを意味します。
- 証拠金額4万円…レバレッジ25倍ならば1万通貨を取引できる
- 証拠金額4万円…レバレッジ400倍ならば16万通貨を取引できる!
証拠金額はどちらも4万円ですので、あなたの懐の痛み具合は変わりませんよね。でもレバレッジを大きくすれば、ポジションサイズは16倍にも拡大します。
ここで、1円(=100pips)の値動きが発生したときの損益を計算してみましょう。まずは買いポジションにおける1円(=100pips)の含み益が発生した場合。
- 証拠金4万円・レバレッジ25倍で1万通貨の場合… +10,000円
- 証拠金4万円・レバレッジ400倍で16万通貨の場合…+160,000円!
同じ証拠金4万円であるにも関わらず、得られる利益はなんと16倍もの差があります。4万円の投資で100pipsを抜いただけで160,000円ものお金が手に入ります。
一方でマイナスが発生した場合はどうなるか?0.1円(=10pips)の含み損が発生した場合。
- 証拠金4万円・レバレッジ25倍で1万通貨の場合… ▲10,000円
- 証拠金4万円・レバレッジ400倍で16万通貨の場合…▲160,000円!
当たり前ですが、含み損も16倍の差です。なぜならポジションサイズが16倍だからです。
証拠金維持率への影響も大きい
損失を被るスピードが早いため、証拠金維持率にも大きな影響を与えます。
仮にあなたの資産が20万円だった場合…
レバレッジ25倍の場合
- 資産20万円、証拠金4万円で1万通貨を取引(レバ25倍)
1円下落で損益は▲10,000円
資産20万円に対する損失の割合は…5%
証拠金維持率の変化…500%➔475%
※証拠金維持率=資産評価額 ÷ 取引必要証拠金 ✕ 100 (ここでは簡略化した計算式を使用)
証拠金維持率にはまだまだ余裕があります(475%)。一方レバ400倍の場合は…
レバレッジ400倍の場合
- 資産20万円、証拠金4万円で16万通貨を取引(レバ400倍)
1円下落で損益は▲160,000円
資産20万円に対する損失の割合は…80%
証拠金維持率の変化…500%➔100%(…危険水域!)
証拠金維持率は危険水域の100%まで下がりました。ロスカットリスクが一気に高まり、非常に危険な状態です。※FX会社によっては強制ロスカット発動。
ハイレバ否定派は、この損失額のスピードが早いこと・ロスカットリスクが高いことを理由に”ハイレバが危険!”と語っているわけです。
ここまでがハイレバ否定派連中の主張です。
ん?なんかおかしくないか?この議論…
あれ?
なにかおかしくないですか?この議論。
そうです、ハイレバ否定派の主張は本質からずれています。
ハイレバだから損失スピードが早く、強制ロスカットの可能性が高まる…というのは論点のすり替えです。
ハイレバだから損失スピードが早く、強制ロスカットの可能性が高まる…というのは論点のすり替えじゃ。
つまり詭弁(きべん)じゃよ。
論点を整理するなら、資金量に対してポジションサイズを不当に大きくすれば、損失スピートが早くなり、強制ロスカットの可能性が高まる…が正解です。
この論旨に”レバレッジの大きさ”は一切関係しません。なぜならレバレッジは証拠金とポジションサイズとの比率にすぎないからです。同一ポジションサイズにおいて証拠金を大きくすればレバレッジは小さくなり、証拠金額を小さくすればレバレッジは大きくなる…これが正しい解釈です。
レバ25倍であろうとレバ400倍であろうと、1万通貨ポジションに対する1円(100pips)値幅の損益はどちらも1万円
レバレッジをいくら高くしようが(ハイレバに設定しようが)、ポジションサイズが同じであれば損失スピードは変わりません。
レバ25倍であろうとレバ400倍であろうと、1万通貨ポジションに対する1円(100pips)値幅の損益はどちらも1万円です(1ドル=100円で換算)。
1万通貨取引における1円(100pips)値幅の損益
- 証拠金40,000円・レバレッジ25倍で1万通貨取引の場合…▲10,000円
- 証拠金2,500円・レバレッジ400倍で1万通貨取引の場合…▲10,000円
証拠金維持率(ロスカットまでの距離)は、ハイレバの方が長い
証拠金維持率、つまりロスカットまでの距離は、同一ポジション・同一値幅ならば実はハイレバに設定したほうが長くなります。つまりより安全になるということ。
レバレッジ25倍の場合
- 資産20万円、証拠金40,000円で1万通貨を取引(=レバ25倍)
1円下落で損益は▲10,000円
資産20万円に対する損失の割合は…5%
証拠金維持率の変化…500%➔475%
レバレッジ400倍の場合
- 資産20万円、証拠金2,500円で1万通貨を取引(=レバ400倍)
1円下落で損益は▲10,000円
資産20万円に対する損失の割合は…5%
証拠金維持率の変化…8000%➔7600%
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ハイレバ否定派の「ハイレバは危険!」は論点のすり替えであり詭弁である
結局のところ、ハイレバ否定派の「ハイレバは危険!」は論点のすり替えであり詭弁にすぎないのです。
ハイレバで副次的に可能となる過剰ポジションサイズが危険なのであり、過剰ポジション取引はハイレバであろうとローレバであろうと危険な行為なのです。
つまり過剰ポジションこそが危険な行為であり、そこにレバレッジは直接的には関係しないということ。
レバレッジの大小ではなく、過剰ポジションこそが危険な行為なのじゃよ。
ここまで理解すればレバレッジを高くする行為は、適切なポジションサイズさえ意識することができれば、なんら危険な行為でもなんでもないということがわかるはず。
少ない資金で過剰なポジションで取引するFXはギャンブルである
ハイレバ取引(100倍や400倍、800倍など)は、より少額の資金で過剰なポジションを保持することができます。つまり少ない資金で大金を狙うトレードを可能にします。
結果、少しの値動き(数pipsなど)であっという間に大金が転がり込みます。
例)
4万円でレバ400倍(16万通貨)、0.2円(20pips)抜くだけで、一撃で32,000円の利益!
1日に20pips勝つだけで32,000円!です。反対に、20pips負ければあっという間に32,000円を失います。
もはや投資ではなくギャンブルです。もちろん、わかっていてチャレンジするのは別に悪くはありません。ご自身のお金ですから好きなだけギャンブルを楽しむと良いでしょう。
ギャンブルは否定しないぞ。
自分のお金じゃから、好きなだけギャンブルすればよいぞ。
しかし、こうした行為を取り上げて「ハイレバは危険だ!」と主張するのは間違っているという話です。
ハイレバが危険なのではなく、過剰なポジションサイズ(上の例では4万円で16万通貨)が危険なのですね。
一方、証拠金2,500円でレバレッジを400倍にしようが、ポジションサイズを1万通貨に押さえれば、1日に20pips勝っても2,000円のプラスにしかなりません。でも負けても2,000円のマイナスで済みます。
あなたの資金が10万円ならば、2,000円のマイナスは全資金の2%です。2%のリスクテイクであれば、退場することなく何度もチャレンジが可能です。つまり資金10万円における1万通貨ポジションと20pipsの値幅(ストップロス)は適切であると判断できるわけです。