2017年に仮想通貨で億り人になっった人は331人
日経新聞に興味深い記事がありました。
国税庁の発表によれば、2017年に仮想通貨を含めた収入が1億円以上あったと申告した人は331人とのことです。
仮想通貨、収入1億円以上「億り人」331人
国税庁は25日、2017年に仮想通貨取引を含めた収入が1億円以上あったと申告したのは331人だったと発表した。
同年分の確定申告を集計した。仮想通貨の高騰で1億円以上の資産を築いた人が、ヒット映画の題名をもじった「億り人」と呼ばれて話題となるなどしており、業界関係者は「実際はもっと多いはず」と指摘している。国税庁によると、17年分の所得税の確定申告を提出したのは2198万人で、16年分からほぼ横ばい。所得額は41兆4298億円で16年分から約3%増えた。緩やかな景気回復などが背景にあるとみられる。
全体の申告から公的年金以外の雑所得の収入が1億円以上あった549人を抽出。このうち、仮想通貨取引による収入があったのが331人だった。同庁が仮想通貨関連の申告の集計結果を公表するのは初めて。
仮想通貨バブルを裏付けるような記事ですね。
ただここに挙がった億り人は、ごくごく一部と思われます。雑所得として申請している人の中から、「仮想通貨取引を含めた収入が1億円以上あった人」だけを抽出した結果です。
つまり無申告の億り人は、カウントされていないということです。
仮想通貨で億を稼いだ人の中で、正しく申告した人は一握りなのではないでしょうか?
また含み益は課税対象にはなりません。あくまで利益確定後の「利益」のみが課税対象となるので、億を超える含み益を抱えたままのユーザーも多数いるはずです。
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雑訴得収入が1億円を超える人は549人
FX取引を含めた雑所得収入が1億円を超えた人は、確定申告者2198万人の中で、わずか549人です。
この中に、自称1億円トレーダーの○○氏や○○氏が含まれているのでしょうか?はたして、FX商材を売る彼ら(1億円トレーダー)が、本当に1億円を超えるFX所得を得ているのか?大いに疑問を感じるところです。
本当ならば、1億円を超える雑所得の確定申告書を提示することが可能なはずですよね。
日本では549名しか存在しない「雑所得での1億円超え申告者」です。自称「1億円トレーダー」の話は、鵜呑みにしないように注意が必要ですね。
仮想通貨の利益はFXと同じ「雑所得」
仮想通貨の取引で利益が発生した場合の税務上の扱いは「雑所得」であると、国税庁がタックスアンサーを出しています。
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
[平成29年4月1日現在法令等]
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。(所法27、35、36)
仮想通貨(ビットコイン)で利益が発生した場合は、FX取引における所得と同じ「雑所得」となるわけですね。雑所得の計算式としては以下のようになります。
ちなみに必要経費とは、仮想通貨取引時に発生した経費のことを指します。たとえばパソコンとかネット環境など。
仮想通貨は雑所得で「総合課税」
仮想通貨取引での利益は、FX同様に「雑所得」に分類されますが、課税方法が異なります。
- FXは雑所得で分離課税
- 仮想通貨は雑所得で総合課税
FXは分離課税ですが、仮想通貨は総合課税の対象です。総合課税とは、給与所得等と合計した額に応じて税率が決まります。つまり累進課税です。
最高税率は住民税を加えると55%となるので、給与所得と仮想通貨の所得合計が4000万円を超えれば、半分以上を税金として徴収されます。
1億円の仮想通貨所得があれば、ざっと5500万円は税金として消えていくことになります。
【雑所得の計算方法】
例)サラリーマンの仮想通貨の勝ち金が500万だった場合
❌・500万×0.2-427500円(所得控除)=57万2000円って計算する人が多そう
⭕・(給与所得+500万)×税率-所得控除
なので給与所得が600万だと1100万×0.33-1536000円(所得控除)=209万4000円になるよ〜😭
えぐいよ〜w— SACHI@リップル(XRP)本命 (@bakuagecoin) 2017年12月31日
なかなか理不尽ですね…
ちなみにサラリーマンでも給与所得以外に20万円超の所得(仮想通貨やFX)があれば、確定申告を行うことが義務付けられています。
一方のFX取引での課税は、ご存知のように「分離課税」ですので、所得の額にかかわらず一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)と定められています。
仮想通貨所得は将来的に分離課税になるのか?
業界では、近い将来、仮想通貨所得もFXと同じように分離課税の対象になるのでは?との憶測も飛び交っているようです。
分離課税になれば、どんなに稼いでも一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですから、こんなに美味しい話はありません。
現時点では国税庁タックスアンサー (TAX ANSER) にて「総合課税」であると定められています。しかしながらこの措置は一時的なものである可能性も高いです。
国会内でも仮想通貨を申告分離課税区分へ変更すべきとの意見が出されています。ブロックチェーン技術を発展させ社会に浸透させるためには税制改革は不可欠と考える有識者も多く存在します。
まだまだ議論は始まったばかりです。
数年後には、仮想通貨取引での利益は分離課税になっている可能性も十分に考えられますね。