欧州証券市場監督局(ESMA)がバイナリーオプションを完全に潰しにかかる
ESMA(欧州証券市場監督局)がバイナリーオプションの禁止を決議したのは2018年3月28日。そして今月(2018年8月)からバイナリーオプションの営業(広告・販売)が全面禁止となりました。完全撤廃です。
欧州証券市場監督局(ESMA=European Securities and Markets Authority)は、EU全体を監視・監督する金融機関です。日本における「金融庁」のようなものですね。ESMA(欧州証券市場監督局)が持つ権限は強力で、EU(欧州連合)加盟国全体の金融市場を監視してます。最近では仮想通貨やブロックチェーンの監督に力を入れています。
そのESMA(欧州証券市場監督局)がバイナリーオプションを完全に潰しにかかります。
キプロス拠点(キプロスはEU圏内)の多くのブローカーは圏外に移るor廃業など大わらわです。
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EU(欧州連合)内でのバイナリーオプションは”全面禁止”
EU内でのバイナリーオプションは完全に廃止されます。規制どころの話ではありません。完全廃止です。
ESMA AGREES TO PROHIBIT BINARY OPTIONS AND RESTRICT CFDS TO PROTECT RETAIL INVESTORS
The European Securities and Markets Authority (ESMA) has agreed on measures on the provision of contracts for differences (CFDs) and binary options to retail investors in the European Union (EU).
The agreed measures include:
1. Binary Options – a prohibition on the marketing, distribution or sale of binary options to retail investors; and
2. Contracts for Differences – a restriction on the marketing, distribution or sale of CFDs to retail investors.
引用:https://www.esma.europa.eu/
直訳すると…
ESMAはバイナリオプションを禁止し、個人投資家を保護するためにCFDを制限することを決定する
欧州証券市場局(ESMA)は、欧州連合(EU)の個人投資家に対するCFDとバイナリオプション契約の提供に関する措置について合意した。
合意された措置は次の通り。
1.個人投資家に対するバイナリオプション、バイナリオプションのマーケティング、流通または販売を禁止する。
2. 個人投資家に対するCFDのマーケティング、流通または販売に関する制限をおこなう。
EU加盟国内ではBO業者は営業ができなくなるわけです。BO業者は廃業確定です。かなり思い切った決定です。
これまでも国ごとにBO規制(禁止)などはありましたが、今回の決定はEU圏全体での全面禁止(廃止)です。
バイナリーオプションを巡る様々なトラブル(詐欺行為、アンフェアな取引、出金トラブルなど)はEUを悩ませる課題の一つでした。ようやくここにきて念願のBO廃止に漕ぎ着けたわけです。
EU圏外のBO業者を使えば取引は可能
とはいえ、EU圏外のBO業者は規制を受けませんので、それらの業者を利用すればEU内の投資家もBO取引は可能です。
日本人が(金融庁で不認可している)海外のブローカーでFX(BO)取引をすることと同じですね。
BOはタバコ以上にタチが悪い
EUがBO完全撤廃に踏み切ったのは、EU圏内の投資家(国民)を保護するためです。
EUでは、バイナリーオプションは”投資”とみなされていません。ギャンブルとみなされています。投資というオブラートに包まれたオンラインギャンブルですね。本質はギャンブルなのに、あたかも投資であるかのように振る舞うから厄介なのです。生活を豊かにしたい、お金を増やしたい、資産を作りたい、といった人間の根源的な欲望につけ込んでいるから余計にタチが悪いと言えます。
タバコと同じように「バイナリーオプションはギャンブルです。しかもあなたが決して勝ち続けることのできない不利なルールが適用されたゲームです。あなたの大切な資金を瞬時に失い、あなたの老後計画を狂わせる可能性があります。」などとリスクを警告すべきものなのです。
EUが投資家保護を目的にBOを撤廃するのに、なぜ日本は規制しないのか?
一方の日本ではどうでしょうか?
いまだにBO業者(FX業者)が情報弱者を喰い物にし続けています。日本国内のBO業者は、ユーザー側に不利なルールでのゲームをあたかも投資であるかのように情報弱者を錯覚させ、勝てないゲームに参加させて、カモにし私腹を肥やしているわけです。
- バイナリーオプションの危険性とは?
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- バイナリーオプションの本質は、たんなる博打(バクチ)
- 投資とギャンブルの”境界線”
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- バイナリーオプションよりもTOTO-BIGをお薦めする理由
- 【知ってた?】BO公認国は先進国の中で「日本」を含め「オーストラリア」「アメリカ」の3カ国だけ
まともな国(EU)や、まともな多国籍企業(AppleやGoogle、Facebook)は軒並みBOに対する規制を強化しつつある中で、日本だけが野ざらしです。
もはや日本人の「ギャンブル好き」という国民性かもしれませんね。
バイナリーオプション規制においてもガラパゴス化する日本の行く末が心配です。
追伸:オーストラリアでもBOに関する規制強化がようやく始まる
EU圏から遅れること約2年、ようやくオーストラリアのASIC(Australian Securities and Investments Commission=オーストラリア証券投資委員会)がBO規制に本腰を入れるようです。
2019年8月、オーストラリア国内でバイナリーオプションの販売を禁止する規制案を発表しました。詳しくはハイローオーストラリア日本撤退!ウワサの真相に迫る!をお読みください。
【知ってた?】BO公認国は世界中で「日本」を含め「オーストラリア」「キプロス」「マルタ」の4カ国だけでも詳しく記載しましたが、いよいよオーストラリアがBO禁止に踏み切れば、先進国の中で「日本」だけがBO公認国となります。
全世界的にBO廃止・規制の動き広がりを見せている中で、日本だけがどこ吹く風です。
日本、大丈夫か?