バイナリーオプションが”金融商品”として認められている国は先進国の中でわずか”3カ国しかない”という現実
アメリカ、オーストラリアそして日本、世界中でこの3カ国だけがBOを公認しているって知ってた?
先日欧州でバイナリーオプション(BO)全面撤廃へ!という記事を書きました。
多くの人が勘違いしていると思うので、ちょっとお伝えしたいのですが、バイナリーオプションが”金融商品(金融派生商品)”として認められている国は世界中でわずか3カ国しかありません。
ここでいう”金融商品として認められている”の意味は法規上での意味です。国内企業としてバイナリーオプションの取引・営業を許可している、つまり行政(国)がお墨付きを与えているという意味として捉えてください。
BOが金融商品として取り扱われている先進国は以下の4カ国のみ。
- アメリカ
- オーストラリア
そして…
- 日本(=ギャンブル大国)
世界広しといえどもバイナリーオプションが正式に金融商品(金融派生商品)として取り扱われている国は、この4カ国(アメリカ、オーストラリア、日本)だけです。ちょっとびっくりしますね。ただ、国内で禁止されていても、海外ブローカーにお金を預けて取引することは可能です。
ロシア政府は現時点でBOに対しては曖昧な態度を取り続けています。公認はしていませんが、禁止もしていないという状態ですね。
ご存知のようにEU圏では大半の国がBO禁止を打ち出しています。一方先進国の中では、「日本」と「アメリカ」「オーストラリア」だけがBOを金融商品(金融派生商品)として公認しています。これは驚くべきことです。まさに”賭け事大好き国民”を抱える日本ならでは、と言えます。
オーストラリアは近々、BO禁止になるかも
オーストラリアでは、有名なハイローオーストラリア(正式名称:Highlow Markets)などがオーストラリア証券投資委員会(ASIC)によって公認されていますが、オーストラリア国内ではBOに対する風当たりは年々強くなっています。そもそもGoogleやAppleがBO広告を規制するキッカケを作ったのはオーストラリア競争消費者委員会(ACCC)による提起です。国内でBO詐欺が横行し数億ドルもの損害を国民に与えているとのことから、BO広告を規制するべきとGoogleに訴えていたのです。
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バイナリーオプション廃止への動きは全世界的な”潮流”だ
自国民を”詐欺”から保護するために全面禁止の動きが加速
2018年に入って、EUは正式にバイナリーオプション取引を完全禁止すると発表しました。キプロス・マルタはEUに加盟しているため、キプロス・マルタに拠点を置くBOブローカーは今後撤退せざるをえないでしょう。
イタリアは2013年にいち早くバイナリーオプション取引を禁止しています。
フランスは2016年にバイナリーオプションを禁止しました。
- French Authorities to Ban Forex and Binary Options Advertisement(フランス当局、バイナリーオプションを禁止へ)
ベルギーも同年(2016年)にバイナリーオプションを禁止しています。
- Belgium Bans OTC Forex, CFDs and Binary Options, Including from EU Brokers(ベルギー、バイナリーオプションを禁止)
カナダ政府(カナダ証券管理局)がバイナリーオプション全面禁止を発表したのは2017年4月です。カナダ証券管理局(CSA)は以下のようにアナウンスしています。
Binary options are the leading type of investment fraud facing Canadians today, and the impact of this kind of scam on individuals is staggering. This ban positions the CSA among the world leaders in fighting back against binary options fraud and represents an important step in protecting Canadians. It conveys a clear message that these products are unsuitable for individuals because of their risky characteristics and that their trading is illegal.
《日本語訳》
バイナリオプションは、今日のカナダ人が直面している主要な投資詐欺といえる。この種の詐欺が個人に及ぼす影響は甚大だ。この禁止令は、バイナリオプション詐欺との戦いで世界のリーダーの間でCSAを位置づけ、カナダ人を詐欺から保護する重要なステップであると考える。バイナリーオプションのリスク特性と取引の違法性においてカナダ人に対して不適切な商品であることが明確であるといえる。引用:Canada Bans Binary Options(カナダがバイナリーオプションを禁止する)
その他にも、カナダ国民に注意喚起するために以下のような強烈なサイトを立ち上げています。
- Binary Options are NOT an option for Canadians
このサイト内でも、「誰もカナダの個人にバイナリオプションを提供または販売することはできません(NO ONE CAN OFFER OR SELL BINARY OPTIONS TO AN INDIVIDUAL IN CANADA)」と名言しています。
イスラエルも2017年10月25日に「イスラエルに拠点を置く全てのバイナリーオプションの活動禁止」が決定し、BOを完全禁止としました。
IT界の巨塔もBO広告を全面禁止へ
さらに世界的な多国籍企業であるGoogle、Apple、Facebookもバイナリーオプション関連の広告を禁止すると発表しているのです。
もはやバイナリーオプション禁止(廃止)は世界の潮流です。ところが先進国の中で唯一「日本」と「アメリカ」だけがその潮流に逆らっています。なかなか興味深いと思いませんか?
日本人は世界でも有数のギャンブル好き民族だ
日本人は世界一のギャンブル好き民族であることを裏付けるデータ
日本人のギャンブル好きについては、過去の記事でも取り上げました。
日本人は世界一のギャンブル好き
ところで世界最大のギャンブルは何かご存じでしょうか?そうですパチンコですね。パチンコの売上高は、2003年以降毎年減少しています。それでも2010年の売上高は19兆4000億円です。1年で19兆4000億円のお金が動く業界、それがパチンコ業界です。
パチンコの売上高は合法カジノの6倍
19兆円というお金がどれほどすごいか?たとえば、世界最大のカジノ都市であるマカオの年間売上は、335億ドル(1ドル80円換算で、2兆6800億円)、二番手のラスベガスの年間売上は、66億ドル(1ドル80円換算で、5280億円)です。
- パチンコ・・・19兆4000億円
マカオとラスベガスを合計した世界二大カジノの年間売上を大きく上回っています(約6倍)。
- マカオ・・・ 2兆6800億円
- ラスベガス・・・ 5280億円
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カジノ合計 3兆2080億円圧倒的ですね。世界最大のギャンブル場が日本に存在するわけです。
馬券の売上も日本が ”世界一”
パチンコだけではありません。日本の公営競馬(JRA)の売上も文字通り世界一です(2011年…2兆3000億円)。世界第二位はアメリカですが、約2兆円です。
- 日本の公営競馬…2兆3000億円(※レースの数は米国の10分の1)
- アメリカ競馬…2兆円
- イギリス競馬…9600億円
日本の人口はアメリカの2分の1程度、かつレースの数はアメリカの10分の1程度なのに、馬券の売り上げはアメリカを超えています。ちなみに競馬発祥の地・イギリスの馬券売上高は、9600億円です。
驚きますね。日本人がこれほどまでにギャンブル好きだとは思いませんでした。これが日本人の国民性なのか、もしくは都市伝説のように意図的に誰かに洗脳されているのか?私にはわかりません。日本人は勤勉であるというイメージが強いと思うのですが、これほどまでに、ギャンブルが好きな国民だったとは、意外です。
この国民性と、バイナリーオプションブームは無関係と言えるのでしょうか?
ギャンブル依存症疑いは国内で320万人
さらには次のようなデータもあります。
ギャンブル依存症疑い320万人 厚労省推計、諸外国と比べ高く
2017/9/29 19:28
厚生労働省は29日、ギャンブル依存症の実態を把握するため、成人1万人を対象にした2017年度の面接調査の中間結果を公表した。生涯で依存症が疑われる状態になったことのある人は3.6%(前年度比0.9ポイント増)と推計。国勢調査のデータに当てはめると約320万人にのぼる計算になる。
引用:日本経済新聞WEB版
ギャンブル依存症が疑われる人の割合を国別に比較すると…
- 日本…3.6%(ダントツで1位…)
- オランダ…1.9%
- 香港…1.8%
- アメリカ…1.58%
- フランス…1.2%
- スイス…1.1%
- 韓国…0.8%
日本がダントツです(汗)。ギャンブル依存に関するデータは統計のとり方によって様々な数値がありますが、少なくとも先進国の中では飛び抜けて高いのが日本なのです。
バイナリーオプションにとち狂う人々があとを絶たないのも納得のデータです。私達日本人の中には賭博を好む遺伝子が脈々と受け継がれているのかもしれません。
ただ、世界の流れはバイナリーオプション禁止(撤廃)に向けて大きく動いています。なぜ、世界各国がBOを禁止する方向に動いているのか?それはBOが射幸性が極めて高くルールが不公平かつ不透明なギャンブル(ゲーム)だからです。胴元に有利なルールによって期待値が明らかにマイナスのギャンブルが、あたかも投資のごとく提供されている”欺瞞(ぎまん)に満ちた金融商品”だからです。