【ステマ?】起業後2年で破産&離婚、そしてBOトレーダーで再起の話は本当か?
bizSPA!フレッシュの記事が遂にYahoo!ニュースに取り上げられました。こちらです。
- 起業失敗、破産、離婚をへて出会った「投資」という選択肢(Yahoo!ニュース)
元記事はこちら(bizSPA!フレッシュ)。
こんな記事がYahoo!ニュースで取り上げられたことに不安を感じます。
記事の内容としては、アラフォーの男性が一念発起しネット通販で起業、しかし2年で「破産」。離婚後、引きこもりを経て、投資で再起するというお話です。数ある投資の中で最終的にたどり着いたというのが、なぜか「バイナリーオプション」…。この時点で、記事そのものの信憑性に疑問を抱いてしまいました。仮に記事の中身が本当であれば、(そりゃ、起業も失敗するよな…)と思わずにいられません。
記事中の人物は、BOで月10〜20万円の利益が出ているとのことです。記事の中にMT4チャートの画像が表示されています。よくみればこれは「億トレ」という有名なツール(インジケーター)に様々なインジを組み合わせて表示させていることがわかります。
ちなみに「億トレ」はヤフオクやココナラなどで格安(500円〜)で販売されているツールです。
高勝率をうたう「億トレ」が1000円以下で売られている時点で、ツールとしての優位性は”推して知るべし”です。買ってもお金をドブに捨てるだけです。
その他に表示されているのは…
- 一目均衡表(雲、遅行線)
- ボリンジャーバンド
- ZIGZAG
- RSI+ボリバンセット
- ストキャスティクス
- MACD
- STR Conf
などですね。「Axis」(価格2万円前後)というBOシステムに似ていますね。「Axis」に「億トレ」を組み合わせ、カスタマイズしたのかもしれません。
いずれにせよ、こんなお粗末なツールで勝ち続けることができるとは到底思えません。もちろんBOですから短期的には勝ち越すことも可能です。しかし、長期的に見れば期待値はマイナスなので、徐々に彼の資産は削られていくでしょう。
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バイナリーオプションの「ステマ記事」か?
疑い深い性格なので、この記事を読んだ瞬間に「バイナリーオプションのステマ記事かな?」と感じました。
「ステルスマーケティング=ステマ」です。ステルスマーケティングとは、ユーザー(消費者)に宣伝と気付かれないように間接的に宣伝行為をおこなうことです。ステマはよく行われる行為であり、違法ではありませんが、時として道義的に問題のあるケースも少なくありません。
あのSONYですらステマをやっていた!
最近でこそ、ステマ(ステルスマーケティング)という言葉が一般に浸透してきて、様々な業界で問題が顕在化してきています。内部告発も増えてきましたね。
実は、ステマはもっと以前から存在し、一流企業ですらステマを行ってきています。
世界に名を知られる日本の上場会社「ソニー」ですら、過去にステマ(ステルスマーケティング)を行って大きな問題を引き起こしています。デビッド・マニング事件です。
デビッド・マニング事件は、ソニーピクチャーズエンタテインメントが、自社配給映画の映画評を捏造していた事件です。
デビッド・マニングとは、その時に作られた架空の映画評論家の名前です。実在しない評論家を作り上げて、1年以上自社配給の映画を推薦(良いレビューを書いていた)していたわけですね。
結局この捏造はバレてしまい、アメリカの映画ファンに集団訴訟されました。最終的に、ソニーは150万ドルの和解金を払う羽目になりました。150万ドルは、当時(2005年)のレートで1億6600万円です。これがステマの代償です。
バイナリーオプション業界が、BOのネガティブな面を払拭して消費者に夢を与えるために、ステマ記事をライターなどに依頼することは容易に想像できます。
今回の記事『起業失敗、破産、離婚をへて出会った「投資」という選択肢』がステマ記事だと言っているわけではありません。ただ、そのように感じる人も少ならからず存在するだろう…というお話です。
起業、失敗、離婚、BOで奮起…ちょっとした成功(再起)物語(ストーリー)ですね。しかし、この記事を読んで、お金で困っている人が「BOならば自分も再起できるかもしれない…」などと勘違いしてしまわないか心配します。「貧困」が大量の「情報弱者」を生み出しているという”おぞましい事実”でもふれましたが、「貧困情報弱者」に間違った指針を与えてしまいかねない罪深い記事という印象です。
BO業界(BOブローカー)は間違いなく「強者」であり、BOトレーダーは「盲目な情報弱者」です。
「情報弱者」は「強者」にとって恰好のカモなので、あらゆる手段をもちいて「弱者」を取り込もうと虎視眈々と狙っています。
ネット上には「ウソ」が平気でまかり通っています。その「ウソ」を見抜くことは難しくても、まずは立ち止まって自分の頭で考えるクセをつけるようにするべきですね。