ハイローオーストラリアの”レート操作疑惑”
BOブローカーの「ハイローオーストラリア」のレートがFXCMと違う…という疑問が「ヤフー知恵袋」に投稿されています。
ハイローオーストリアのレートが配信元であるfxcmのmt4と全然違うのですが、何が原因でしょうか。mt4だと5分足陰線で確定しているのにハイロー場では5分前より高い値段で確定しています。
投稿日 2019/3/721:57:14
引用:ヤフー知恵袋
BOのレートが他社と違う?…当たり前です。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
FXは「相対取引」が基本
まず大前提として、FXやBO(バイナリーオプション)は相対取引です。売り手と買い手がそれぞれ一対一で取引を行なうことが基本となります。
極論ですが、フリマーケットと同じです。「この価格でどう?」「じゃあ、買います」これが相対取引です。相手の提示する価格が不満ならば買わなければよいわけです。
つまり、レート設定は各会社の裁量に委ねられているということを意味します。各会社が自由にレートを設定できるのです。
一方、株式投資などの取引は市場取引と呼ばれます。参加者の売り買い注文が一ヶ所(証券取引所)に集められ、そこで全ての売買が行われます。売買価格は純粋に需給バランスで決まります。極めて公平で透明性の高い取引、それが市場取引です。市場は売買を仲介しているにすぎません。
レートは各社が「自由」に決めている
FXやBOの取引は相対取引であるため、各ブローカーが自由にレートを決めることが可能です。
例えばUSDJPY(ドル円)を例にあげると、同一時間帯で…
- A社のレートは、110.90円
- B社のレートは、110.85円
- C社のレートは、110.95円
というレートの乖離が普通に存在します。もちろん、レート設定のベースになる基本レートは存在します。それがインターバンク市場です。インターバンク市場のレートを参照しつつ、ある程度裁量を加えて私たちユーザーに個別のレートが提示されているわけです(かなりざっくりとした解説ですが…)。さらにここにスプレッドが加えられるため、各社のレートは異なることが普通なのです。
基本的には、エンドユーザーからの売買ポジションをいったんFXブローカーが受けて、その後にインターバンク市場へ流しています。ユーザーから受けた注文をどれくらいインターバンク市場に流すか?も各社の裁量です。この取引をカバー取引、注文を流す割合をカバー率と呼びます。カバー率が100%ならば、全ての注文をインターバンク市場に流していることになり、公平性や透明性が高いといえます。
金融庁が発表した国内業者のカバー取引の実態データがあります。
カバー率100%の業者は4社。40%〜90%前後のカバー率は8社。3社は20%に満たないカバー率です。*USDJPY(ドル円)に限定されたデータです。低スプレッドの業者ほどカバー率が低いことも見て取れますね。
もう一つ、日本のカバー取引の割合を調査した金融先物取引業協会のデータがあります。
調査対象は18社ですが、そのうち90%以上をカバーしているのは11社(約61%)とのことです。*このデータもUSDJPY取引に限定されたものです。
カバー率が50%ならば、ユーザーの注文の半分しかインターバンク市場に流していないことになります。残りの50%はブローカーが胴元となりユーザーの注文を呑んでいるわけです。
注文を呑むとはブローカーが受注した注文をブローカー内で約定させるということです。ギャンブルでいうことろの、ノミ行為のようなものです。
ノミ行為を競馬で簡単に説明します。あなたが友達からお金を渡されて、ある馬券を買っておいてほしいと頼まれたとします。依頼どおりに馬券を買えば問題ありません。しかし、頼まれた馬券を買わずにあなたが懐に入れたとします。
万が一馬券が当たれば、あなたはその配当を自腹で友達に払う必要がありますが、ハズレれば馬券代のお金はまるまるあなたのものになります。
ざっくりとした「ノミ行為」の概要です。
多くのブローカーが「ノミ行為」をおこなっている…
さて、ブローカーのノミ行為ですが、違法ではありませんが公平性という観点から見ればちょっと問題がありそうですね。その他にもインターバンク市場に注文を流さずにユーザー同士の注文を相殺することも普通におこなわれています(=マリー取引)。
ともすると、私たちは世界のどこかに存在する誰かと通貨の売り買いをしていると錯覚しがちですが、現実は全く異なります。あなたはFXブローカーと売り買いをしているのです。あなたがドル円を買えば、FXブローカーがドル円をあなたに売ります。逆にあなたがドル円を売れば、FXブローカーが同サイズのポジションを買っているのです(=カバー率が低い場合)。
ブローカーにとってカバー率の低い「ノミ行為」は、メリットとデメリットが存在します。最大のメリットはレート操作の権限を握っているブローカーが自社にとって有利なレートを提示して利益を自在に操作できる点にあります。
- ユーザーにとって不利な約定価格を提示する(スリッページ)
- エントリーそのものをさせない(約定拒否・約定遅延)
- 瞬間的にレートを大きく操作して損切りさせる(ストップ狩り)
スリッページ、約定拒否、ストップ狩りなどを駆使して、自社の利益を積み上げていくことが可能です。あなたも心当たりがありませんか?露骨にやれば顧客とのトラブルになりますが、上手におこなえば利益を操作できるわけです。
一方、デメリットはブローカーが市場リスクを負うことです。相場が急変した際に為替変動リスクをもろに受けることになります。ですので、カバー率の低いブローカーは高い自己資本比率が求められます。
BOでのレート操作は日常茶飯事
さてもう一度ヤフー知恵袋の質問をみてみましょう。
ハイローオーストリアのレートが配信元であるfxcmのmt4と全然違うのですが、何が原因でしょうか。mt4だと5分足陰線で確定しているのにハイロー場では5分前より高い値段で確定しています。
投稿日 2019/3/721:57:14
引用:ヤフー知恵袋
もはやレート操作はあって当たり前だと思っておいたほうがよいです。
バイナリーオプションは100%ノミ行為だからです。つまりユーザーの注文をすべてブローカー側が呑み、ブローカー内で約定させているからです。インターバンク市場を介するFXとは純粋に異なります。
100%ノミ行為だからなんでもありです。胴元(自社)の利益にプラスになるように自在にレートを操作することが可能です。バイナリーオプションが不公平・不透明なゲームと呼ばれる所以です。
BOのレートが他社と違う?…当たり前です。