みんなのクレジット代表取締役S氏のインタビュー記事が興味深い
先月3月24日に行政処分(業務停止命令)勧告を受けた「みんなのクレジット」ですが、出資金の一部が社長であるS氏の個人口座に振り込まれていた事実が判明しました。
さらには、S社長の個人債務に係る債権者へ出資金の一部が送金されていたこともニュースとして報道されています。
そんなS社長(みんなのクレジット代表取締役)ですが、およそ3ヶ月前(2016年12月27日)にBLOGOSのPR記事に登場しています。
なかなか興味深い内容ですので、リンクを張っておきます。
インタビュー内でも少額(10万円)からの投資で最大利回り14.5%をアピールし、みんなのクレジットの優位性を唱えています。
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AI(人工知能)による融資審査システムの導入を目指す・・・
特に興味深い点は以下の部分です。
ソーシャルレンディングにおいて、魅力的な利回りを安定して実現するために、運用を任せる会社選びが何より重要です。
そのため弊社では、人工知能を用いたAIによる審査システムの導入に取り組んでいます。 具体的には、約1000項目にわたるスコアリングモデルシートを作成し、ディープラーニングを用いて審査を実施する予定です。
個人データと過去事例をもとに定性・定量の両面から解析を行い、融資額と金利水準を決定することで、デフォルトのリスクを最小限に抑えつつ、資金調達の機会を幅広く提供することを達成するために開発を進めています。
うーん、AI(人工知能)による審査システム・・・思わず失笑してしまいました。AIによる融資審査が実現すれば確かに凄いことかもしれませんが、蓋を開けてみれば・・・
- 貸付先はみんなのクレジット親会社やその関係会社に集中
- その際の担保の大半が同社関係企業の未公開株式だった
- ファンドの償還金やキャンペーン用の資金・増資等に別のファンドの資金を充当
- 出資金をS代表自らの借入金返済に流用
あまりにもインタビュー記事とかけ離れた実態に、拍子抜けします。これは何かのジョークでしょうか?
過去に最大12万円ものキャッシュバックキャンペーンを行っていた「みんなのクレジット」ですが、実はそのキャンペーンの原資に、投資家の出資金を充当していたこともわかっています。
違法ではないのかもしれませんが、まさにタコが自分の足を食べている状況(タコ足配当)をイメージさせます。
投資家保護をおざなりにするソーシャルレンディングに未来はあるか?
新しい金融商品であるソーシャルレンディングは今がまさに(日本において)黎明期であり、大きな期待を感じさせるサービスです。しかし、みんなのクレジットに対する行政処分勧告は、その出鼻をくじくような残念な事案です。
みんなのクレジットが行ってきた行為は投資家軽視とも言えます。今後、説明責任をしっかりと果たし、不透明な業務内容(貸出内容)を是正することが期待されます。みんなのクレジットが公表した「行政処分についての報告」を信じたいところですね。
- 当社に対する関東財務局の行政処分について(株式会社みんなのクレジット)