【逮捕】キャンピングカーで仮想通貨詐欺、被害は2億5000万円超か
キャンピングカーで各地を転々としながら仮想通貨の特殊詐欺(オレオレ詐欺)をおこなっていたグループが逮捕されました。これまでに2億5000万円以上を、詐欺で稼いでいた疑いがあります。
詐欺電話疑い14人逮捕 キャンピングカーで各地を転々
横浜市の男性(93)に「仮想通貨の投資でもうけた分の税金が払えない」などと息子を装って電話をかけ、現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁捜査2課は5日までに、住居不詳、無職、Y容疑者(31)ら14人を詐欺未遂の疑いで逮捕した。この男性以外にも電話をかけていたとみられ、レンタルしたキャンピングカー4台に分乗し、それぞれ別のサービスエリア(SA)などで電話をしていたという。
捜査関係者によると、グループは複数のルートに分かれて関東と宮城、福島などを往復していた。SAの他、道の駅も利用。入浴施設などに立ち寄ることはあったが、主にキャンピングカー内で生活をしていたという。拠点の摘発を逃れる狙いがあったとみている。
4台のキャンピングカーを拠点に詐欺電話をかけまくっていたグループ。まるで映画のようです。仮想通貨という新たな要素の登場で、特殊詐欺(オレオレ詐欺)の手口はより巧妙になりつつある印象です。
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あなたもダマサれる!「劇場型」特殊詐欺の巧妙な手口とは?
これだけ被害が報道されているオレオレ詐欺に、いまさらダマサれる?と思うかもしれませんが、手口は実に巧妙かつ鮮やかです。
特に、「劇場型」と呼ばれる複数の人物が登場する特殊詐欺は、詐欺かどうかの区別が難しいほどです。一般常識を持っている人でも十分にダマサれる可能性があります。
「これは絶対ダマサれる!」とSNSで話題になった劇場型詐欺を紹介します。
音声ガイダンスにて電話がかかってきます。「こちらは三井住友銀行です。クレジットカードに関する重要なお知らせがあります。お心あたりなければお電話の9#を押してください。」
ここで大半の人は「9#」を押します。すると自動音声が「人の声」に切り替わります。
「三井住友銀行クレジットカードカスタマーセンター東京支店です。お客様のクレジットカードに関して、重要なお知らせがあります。お名前と生年月日を教えてください。」
油断して氏名と生年月日を名乗ると、「○月にキャッシングされた30万円のご請求ですが、ご連絡ないため緊急連絡先として登録されていたこの番号に連絡をいたしました。」
「えっ!キャッシングなんてしてませんよ!そもそも三井住友VISAカードなんて持っていません!」
「確かに〇月〇日にWEB経由でのお申込みがなされていますが、本当にお持ちではありませんか?下4桁が〇〇〇〇のカードですがご記憶はありませんか?ご家族のどなたかが〇〇様名義でカード作成された可能性などございませんか?」
「いや、ないですね!」
「もしかすると、〇〇様の個人情報が無断で利用されてカードを不正に作成された可能性があります。お手数ですが警察に被害届を出していただけないでしょうか。」
「被害届ですか?」
「はい、〇〇様に不正カードでのキャッシング被害がすでに発生している恐れがありますので、できるだけ早めに被害届を出していただくことをお願いしています。カード被害に関しては警察と常に連携しておりますので、直接警察の方とお話いただければ通じるようになっています。念のため〇〇署の直通番号をお伝えしておきます。〇〇署のサイバー課か刑事2課です。お時間あればこのまま警察の〇〇署へお電話を転送させていただきますが、いかがいたしましょうか。」
「では、つないでください。」ここで電話を転送する呼び出し音が鳴る。
「警視庁捜査2課の◯◯です。◯◯さんですね。」
「はい、カードの被害届を出したいのですが…」
「では、お手数ですがお名前と詳しいご住所をお願いします。」
この時点で、個人情報(名前、住所)が詐欺師の手に渡ります。ここからは、様々な手口が使われます。
- 警察官から再び電話「警視庁捜査2課の◯◯です。◯◯という男があなた名義のキャッシュカードを不正に作成してキャッシング行為をしていた疑いがあります。このままでは裁判になります、不正なキャッシング取引がないことを証明するためにお金を振り込んでください」その後、コンビニATMから現金を振り込んでしまう
- 警察官から再び電話「警視庁捜査2課の◯◯です。◯◯という男があなた名義のキャッシュカードを不正に作成してキャッシング行為をしていました。◯◯様の名義で不正カードが他にも作られている可能性もありますので現在銀行協会にて問い合わせ中です。確認している期間中は〇〇様がお持ちのカードを使わないで下さい。銀行協会の職員が封筒を持ってそちらへ伺いますので、カードを封筒に入れて3日間使わないで下さい」自宅に訪れた銀行協会職員が封筒にカードを入れさせた後、被害者のスキをついて他の封筒とすり替えてカードの入った封筒を持ち去られる。
- 警察官から再び電話「警視庁捜査2課の◯◯です。◯◯という男があなた名義のキャッシュカードを不正に作成してキャッシング行為をしていました。◯◯様がお持ちのクレジットカードがスキミングされた恐れがあります。スキミングされたカードは交換しないといけません。すぐに銀行協会の職員が回収に伺います」自宅に訪れた銀行協会職員にクレジットカードを預けて持ち去られる。
なかなか巧妙ですね。高齢者でなくてもダマサれてしまう可能性があります。登場人物は最低でも3名。
- 三井住友銀行クレジットカードセンター担当者
- 警視庁の刑事
- 銀行協会職員
しかも、最初のアプローチは「自動音声」という手の凝りようです。「9#」を押させるなんて、なかなか細かい演出です。
三井住友銀行も不審電話に関するアナウンスを行なっています。
詐欺師はあなたの「住所・氏名・電話番号」で骨の髄までしゃぶり尽くす
いったん、住所と名前、電話番号という個人情報を奪われたら、詐欺師は容赦なく襲いかかります。
- デパート詐欺(デパートでカードが不正利用されています…)
- 家電量販店詐欺(◯◯という女性があなたのカードを持って買い物に来ているのですが…)
- 還付請求詐欺(◯◯市役所ですが保険料の還付金があります…)
- 仮想通貨詐欺(ビットコインで借金をしちゃった…)
- 痴漢詐欺(あなたの息子さんが痴漢をして逮捕されました…)
- 架空請求詐欺(◯◯サイトで5万円を課金されていますね…)
- オレオレ詐欺(俺だけど会社のお金を入れた鞄をなくしちゃった…)
一度でもダマサれれば、あなたはよいカモです。何度も手口を変えてお金をむしり取られます。