60万円の自動売買システムが問題だった
気になる記事を見つけたので、ちょっとご紹介します。
個人投資家が60万円という高額なFX自動売買ツール(コピートレードツール)を購入したのですが、実は運用などまったくされていなかったという驚くべきお話です。
当時の販売会社は、年利30%を確約し過去3年間でマイナス月はないとセールスしていました。さらには1~2ヶ月で募集を締め切ると、販売を急いでいたようです。
しかし、60万円の自動売買システムを購入したとたん、販売会社とは連絡が取れなくなってしまいます。
最終的に国民生活センターに仲介を依頼し、ようやく販売会社との話し合いの場を持つことができました。
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資産運用など行われていなかった!?
販売者の説明は驚くべきものでした。
自動売買システムを使っての資産運用は海外業者に丸投げしており、販売会社は単なる日本国内での販売代理を行っていたのみだというのです。しかも、この自動売買システムによる資産運用は、実は全く行われていなかったという事実が判明します。
販売会社(代理店)も、ある意味、被害者だというスタンスです。当然、他の購入者からは損害賠償請求も受けているようです。
結局6万円しか戻ってこなかった・・・
依頼者は60万円全額の返金を求めていたようですが、販売会社は債務超過に陥っており、返金資金の捻出ができないと回答します。
両者話し合いの結果、60万円の代金のうち、わずか10%の6万円のみが返金されることになりました。さらに販売会社は、6万円の返金に対する条件として、今回の件を開示しないという約束を取り付けています(約定書の差し入れ)。
54万円は踏み倒され、なおかつ「誰にも言わないでね」と約束までさせられています。
詳しい内容(国民生活センター資料)は、コチラです。
- 投資ソフト(FX自動売買)の解約に関する紛争
投資トラブルに遭わないために
こうした投資トラブルは他人事ではありません。大なり小なり、似たようなことはFX情報商材業界でも起きています。
- 豪腕トレーダーによるコピートレードのはずが、単なる自動売買だった・・・
- 月利○%を謳っていたシステムのはずが、最初からIB(スプレッドバック)狙いで、あっという間に破綻してしまった・・・
- 販売ページでは、月成績で負けなし、と豪語していたのに、販売スタート後に、全く勝てなくなった・・・
- 架空の人物をでっち上げて、いかにも勝てそうな売り文句を並べ立てる販売ページ・・・
こうしたトラブルに巻き込まれないためには、常に疑って掛かるという姿勢が必要です。美味しい話など、絶対に転がっていません。
「儲かりそう」「勝てそう」と思ったら危険
「儲かりそう!」と、ちょっとでも思ったら、もう相手の術中にはまっています。もしも「儲かりそう!」「勝てそうだ!」と思ったら、あなたはダマされやすい性格だということになります。
販売ページに書かれていることを、鵜呑みにすることは危険です。儲かる話を、なぜ他人に公開するのでしょう?
もしも私が確実に儲かるロジックを発見したら、絶対に誰にも公開しません。こっそり使い続けます。それが普通だと思いませんか?
中身やリスクが理解できない場合は買わない
それから、商材(ツール)の中身がよくわからない(理解できない)場合は、絶対に購入すべきではありません。そのツールやシステムのリスクが、自分で把握できない場合も同様です。
コピートレードやEA(自動売買)では、ロジックが伏せてあるケースが大半です。ロジックが不明のため、内在するリスクの把握が非常に困難です。
どうしても購入したいという場合は、最悪の場合資金の全額を失う(海外業者が逃げるなど)ことも、想定した上で購入すべきでしょう。
オススメはしませんが・・・
聖杯は存在しない
投資商材において、聖杯など存在しません。仮に聖杯があったとしても、私たち一般人が手にすることは、まずあり得ません。ごく一部の選ばれた人々だけで、ひっそりと聖杯が使われるはずです。
ゴールドマンサックスが超高性能のシステムを構築して、他の投資家よりも早くマーケット情報を入手し、巨額の利益を上げていたことは有名です。アメリカのナスダック市場はゴールドマンサックスからお金を受け取る見返りに、一般に比べて0.03秒も早くマーケット情報を提供していました。
0.03秒といえども、大きなアドバンテージです。これって聖杯に近いですね。
でも我々一般人が、このシステムを使うことは絶対にできません。使えるとすれば、ゴールドマンに多額の資金を預けている、突出した億万長者や企業だけです。
私たち弱小個人投資家は、ゴールドマンのような化け物が存在する世界で戦っているのです。小手先で勝てるような甘い世界ではありません。
しっかりと自分の経験とスキルを積み上げ、市場のわずかなエッジ(優位性)を見いだして、リスクをコントロールしながら、投資を行っていくわけです。それは頭で考える以上に、大変な作業だと思います。
簡単に儲かるツールなど、存在しません。そのことを理解するべきですね。