高金利通貨を買ったのにマイナススワップってどういうこと?
前回の記事でスワップの計算モデルを解説しました。基本は以下の2点。
- 高金利通貨を買い低金利通貨を売ればスワップはプラス
- 高金利通貨を売り低金利通貨を買えばスワップはマイナス
日本円は世界的に見ても極めて金利が低い国なので、日本円が絡む通貨ペアを購入(買いポジション)すれば、プラスのスワップが手に入ります。例えばUSD/JPY(ドル円)やGBP/JPY(ポンド円)、そしてTRY/JPY(トルコリラ円)など。これらを買いポジションで保有することで、保有している限り毎日スワップが手に入ります。
TRY/JPY(トルコリラ円)のように、非常に金利の高い通貨を買えば、得られるスワップも極めて大きくなり、ポジションを保有しているだけで毎日多額のスワップ(差額金利)を得ることができます。このトルコリラホールド戦略を取っているのが「トルコリラ戦士」と呼ばれる(揶揄される)スワップ狙いのトレーダー。
トルコリラ戦士の地獄については以下の記事をどうぞ。
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スワップの基本をもう一度ご覧ください。
- 高金利通貨を買い低金利通貨を売ればスワップはプラス
- 高金利通貨を売り低金利通貨を買えばスワップはマイナス
スワップを手にしたいなら高金利通貨を買い低金利通貨を売ればOKだね!
ところが、そう簡単な話でもないのじゃよ。
ここが落とし穴でもあるのですが、実は高金利通貨を買い低金利通貨を売ってもスワップがマイナスになるケースもあるのです。
FX業者によっては、このスワップにおいても利益を得ようとしている場合があります。
つまりスワップにマージン(利ざや)を上乗せするわけです。顧客にスワップ支払う場合は少なめにし、逆に顧客から受け取るスワップは多めに設定していたりします。
前回の記事の例を使って解説します。
USD/JPY(米ドル円)を取引する場合を想定します。仮にそれぞれの国の金利が以下の通りであったと仮定します。
- 米ドル金利…0.25%
- 日本円金利…0.1%
米ドルは日本円に対しては高金利通貨であり、日本円は米ドルに対して低金利通貨となりますね。つまり相対的に2国間の金利差が生じている状態です。
FX業者がマージン(利ざや)を取らなければ、高金利通貨を買い低金利通貨を売ることで、金利差がそのままスワップとして顧客に支払われます。
受取る金利と支払う金利の差額を計算すると…
0.25%ー0.1%=0.15%この金利差である0.15%を受け取ることができるわけです。
では、1日あたりの受け取り金利(スワップ)を計算してみましょう。
1日あたりのスワップ
=100万円✕0.0015÷365日
=4.1円1日あたりのスワップは4.1円です。
ところが、FX業者がスワップに対してマージン(利ざや)を取ろうと考えた場合…。
仮に5円のマージンを上乗せするとどうなるか。
なんと!高金利通貨を買い低金利通貨を売ったのに、スワップポイントがマイナスになってしまいました。
当然、高金利通貨を売り低金利通貨を買った場合は、マイナススワップの負担がさらに増えます。
支払う金利と受取る金利との差額を計算すると…
0.1%ー0.25%=ー0.15%この金利差であるー0.15%を支払わなければなりません。では、1日あたりの支払い金利(スワップ)を計算してみましょう。
1日あたりのスワップ
=100万円✕ー0.0015÷365日
=ー4.1円1日あたりの支払うべきスワップ金額は4.1円です。
本来ならば▲4.1円なのに、5円のマージンが上乗せされてしまうと、▲9.1円ものマイナススワップとなってしまい、取引コストが増えてしまいます。
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2通貨の金利差が小さくなった場合は注意が必要
上の例は、説明のためやや極端な例を出していますが、現実に存在する事象です。
スワップに対するマージンというか手数料は、大小はあれど、どこのFX業者も設定しています。
取引する通貨ペア(=2国間)における「金利差」が大きければ、あまり気にする必要はないと思いますが、「金利差」が小さい場合は注意が必要です。
「金利差」が小さい場合、売りポジションだけでなく買いポジションであってもマイナススワップになるケースがあるからです。