スワップポイントの仕組みを詳しく解説するよ!
前回の記事では、スワップの基本概念について解説しました。
今回はスワップの仕組みを詳しく解説します。
まず、スワップの正しい定義は次の通りでしたね。
FXで取引する通貨ペア(つまり2つの国)の金利差をスワップと呼びます。
スワップポイントの計算方法
USD/JPY(米ドル円)を取引する場合を想定します。仮にそれぞれの国の金利が以下の通りであったと仮定します。
- 米ドル金利…0.25%
- 日本円金利…0.1%
米ドルは日本円に対しては高金利通貨であり、日本円は米ドルに対して低金利通貨となりますね。つまり相対的に2国間の金利差が生じている状態です。
高金利通貨を買い、低金利通貨を売る場合
あるユーザーがUSD/JPY(ドル円)を10,000通貨、買い注文を出して約定します。
USD/JPYを10,000通貨購入します(買いエントリー)。
USD/JPYを「買う」とは、ドルを買って円を売ることです。高金利通貨(米ドル)を買い、低金利通貨(日本円)を売るという行為ですね。
ユーザーは10,000通貨(1万ドル)を買ったわけですから、1万ドル分の金利を受け取る権利を有します。つまり、0.25%です。
一方で、購入資金である100万円(日本円 1ドル=100円で計算)を拠出(正しくは”借りる”)わけですから、この100万円分の金利0.1%の支払いが生じます。
受取る金利と支払う金利の差額を計算すると…
この金利差である0.15%を受け取ることができるわけです。
では、1日あたりの受け取り金利(スワップ)を計算してみましょう。
=100万円✕0.0015÷365日
=4.1円
1日あたりのスワップは4.1円です。
この4.1円は買いポジションを保有している限り、毎日支払われます。これがスワップポイントと呼ばれるものです。
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低金利通貨を買い、高金利通貨を売る場合
同じ通貨ペアを売り注文して約定するとどうなるでしょうか?
- 米ドル金利…0.25%(日本円に対しては高金利通貨)
- 日本円金利…0.1%(米ドルに対しては低金利通貨)
USD/JPYを10,000通貨売ります(売りエントリー)。
USD/JPY(ドル円)を10,000通貨、売り注文を出して約定します。高金利通貨(米ドル)を売り、低金利通貨(日本円)を買うという行為です。
ユーザーは10,000通貨(1万ドル)を売ったので、1万ドル分の金利を支払う義務を有します。つまり、0.25%です。
一方で、日本円100万円分(日本円 1ドル=100円で計算)の金利0.1%を受け取る権利が生じます。
支払う金利と受取る金利との差額を計算すると…
この金利差であるー0.15%を支払わなければなりません。では、1日あたりの支払い金利(スワップ)を計算してみましょう。
=100万円✕ー0.0015÷365日
=ー4.1円
1日あたりの支払うべきスワップ金額は4.1円です。これがマイナススワップと呼ばれるものです。
売りポジションを保有している限り、毎日▲4.1円が積み重なっていきます。10日保有していれば▲41円となります。
これがスワップの基本的な計算方法(モデルケース)となります。
買っても売ってもマイナススワップとなるケースがある!?
なるほど!
買いポジションを持てばスワップがもらえて、売りポジションを持てばスワップを支払うことになるんだね!
ほほほ。そう簡単な話じゃないんじゃよ。実は買いポジションを持ってもスワップがマイナスになるケースもあるのじゃ。
え!どういうこと?
売り買いポジションの違いによってスワップを受け取ったり支払ったりするわけですが、実際のスワップはもう少しややこしいのです。
買いポジションを持っていてもスワップがマイナスになるケースもあります。
詳しくは次の記事にて解説します。